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神様も ツンデレならば デレ早く

いい一句ができた。

邪神教徒になったので邪神様について調べた。

母親の話は間違っていないが、正確には…


まず、昔この国ができる前は別の国があり、

当時は貴族と平民の格差がひどく荒れていた。


とある男が無実の罪で囚われてしまった。

理由も男の恋人を狙う貴族の仕業であった。


男は刑期を終えて、村に戻ると

恋人も両親はその貴族に殺されており、

村一番の力持ちだった男が抜けたことで

戦力が減り盗賊により近隣の村は壊滅。

なにもかもを失った。

その時、貴族は盗賊が来るのを知ると

財産を持ってそそくさと逃げてしまっていた。


その貴族は盗賊に襲われた可哀そうな貴族として

国に保護されたそうだ。


そして男は貴族にそして貴族の暴虐を許す国に復讐を誓う。

武器を持ち一人で国に乗り込もうとした時に声が聞こえた。


「ーーしろ…ーーしろ…-----忘れるな…」


それは、近くの村では呻きの洞窟として気味悪がられていた場所だった。

昔は毎日のように呻き声が聞こえており、

入ったものは死んでしまうとまで言われた。

男は村の生き残りがいるのではないか

もしかしたら、盗賊が潜んでいるのではないかと思い、

呻きの洞窟に入った。


洞窟は思ったよりも深く、絶えずあの声が聞こえる。

洞窟であることもあり例の声が反響する。

奥に行くと鎖に繋がれて全身が拘束具で覆われた男がいた。

拘束も厳重でところどころに鍵も付けられており、

絶対に逃がさないという意思を感じる。

顔も隠され、口は自分で無理やり噛み切ったようにみえた。


「復讐しろ…復讐しろ…その怒りを忘れるな…」


その男は何度も同じことをつぶやいていた。

見えないはずなのに、こっちをみているような気がした。

気味悪いので離れようとしたら、


「力が欲しいか…力が欲しいか…

悲劇を許すな…」


「………」


男も一人で武器を持ってもどうにもならないのを知っていた。

男は悪魔にでも魂を捧げる覚悟はあった。

男は叫んだ。


「俺のすべてをくれてやる!よこせ!力を!」


「俺の血を飲め…。力が手に入る…。

復讐しろ…。対価は…」


男は拘束具の男の言葉の途中で、持っていた武器で

拘束具の男を刺し血を飲んだ。


「…うっ…」


男は飲んだ直後、激しい痛みに耐えきれず倒れた。


✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖


男が目を覚ますと、

飲んだ時と同じで、

洞窟の中で拘束具の男が目の前にいる状況だった。


「飲みすぎだ…」


拘束具の男はそれしかいわなかった。


「あんたはこんな事されて怒らないのか?」


「この程度の痛み…もうなんとも感じない…」


「力というのは手に入ったのか?

聞いてる途中で悪かったが対価はなんだ?

あんたは何者なんだ?」


「一つずつ答える…」


「ああ、説明してくれ」


「まず、力はもう手に入ってる…

お前は力に適応する体になるための急激な成長痛で倒れた…」


「本当か?」


男はおもむろに武器を振ってみたが、

明らか体が軽く武器の重みも感じないほどだった。


「これは…あくまで副産物的なもの…

真の力は…こんなものではない…」


「ああ、わかった、実際に力が入ってるのを感じる。

あんたの話は信用する。で、対価はなんだ?

その拘束を外すことか?」


「対価は…裏切らないこと…」


「裏切らないってあんたをか?」


「いや…お前自身だ…」


「どういうことだ?」


「俺は…裏切り者が大っ嫌いだからだ…

復讐を諦め…力を使ったら殺す…」


「それだは対価になってない気がするが、

お前の拘束はいいのか?」


「これは…俺の罪だ…」


「…最後にあんたは何者だ?」


「そんなこと…お前の復讐に関係ない…」


その後拘束具の男は黙った。

男も武器を持ち、洞窟を去った。


のちに、男の能力はすごい能力だったらしく国を潰した。

同じ時期に男と同じように拘束具の男から力を貰った者たちが

男と同じように国を潰したり、貴族に制裁を加えていた。


最終的に男が潰れた国や能力者をまとめ上げ国となり、

男は初代国王となった。


男いや初代国王はお礼を言いに他の能力者を連れて

呻きの洞窟へといった。


「復讐…できたようだな…」


「はい、あなた様のおかげで多くの人々を貴族から救うことができました。

感謝を捧げます」


「勘違いするな…俺はお前らの復讐の手伝いをしただけだ…」


「しかし、あなた様の力があってこそです。

ありがとうございます」


近くにいた仲間の神官が


「あなた様こそ天から舞い降りられた神でございます。

よろしければ、名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


拘束具の男は複雑そうな顔?(拘束具で見えない為)しながら


「俺は…お前らに力を与えて…争いを起こした元凶だ…

神なぞ…おこがましい…結局人を救ったのはお前らだ…」


「そんなことありません!あなた様がいなければ

もっと多くの無実の人が殺され、飢え、苦しむ

混沌の世界になっていたでしょう!」


その時一緒にいた初代国王も他の仲間も

拘束具の男を崇めた。


すると、拘束具の男は渋々


「だが…俺の力で善であれ悪であれ…

多くの人が死んだ…これは事実だ…」


「しかし…それなら私たちも…」


「だから…俺は…争いをもたらす神…邪神だ…」


それから拘束具の男は邪神として崇められるようになった。

いつしか邪神様は洞窟から消えてしまったが、

今でも邪神様の考えは邪教として残っており、

国の生誕祭では拘束具された男を抱えてパレードするそうだ。




調べて思ったが、邪神様はツンデレだった。



拘束具って単語をここまで使うことはもうないと思う

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