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神頼みを成功したためしがない

能力を使い走り続け1月がたった。

この50メートル9秒の壁が越えられそうで超えられずにいた。

そこで、父親からのアドバイスがきた


「そうだ、邪心様にお祈りにいこう!」


父親は邪心教徒らしい。

そして神頼みかよ…。


どうも母親も邪神教徒らしくそれどころか、

この国のほとんど人間が邪神教徒である。

つまり、この国の国教である。


邪神とは、元々は人間にとって災いをなす神や

信仰や神話の上で信仰されている神々に敵対をしている神

もしくは異教で祀られる神のことを指している。


日本では、絶対悪という神がいない為、

邪神と聞いても物語やゲームの世界のものとしか、

イメージがないため俺自身そこまで抵抗はない。


ここからは、母親から聞いた邪神様の話であるが、

この国の初代国王様が世界初めての能力者であり

その能力を授けたのが邪神様らしい。


その力のおかげで初代様は国を立ち上げられることが出来たそうだ。

なんで邪神様かというとお名前を聞いて崇めようとしても


「私の与えた力が原因で争いが起きてしまった。

私は災いをもたらす邪神で十分です。」


と、めっちゃ謙虚な神様であったそうだ。

それでも感謝の念を忘れない初代様は邪神の考えを邪教と呼び、

この国の国教に認定したそうだ。

なお、本来の邪教に近い宗教は堕教と呼んでいる。


邪教の教えは割とシンプルで『裏切りは許さない』ぐらいである。

ほかの宗教と一緒に崇めても怒られないし、食べ物の制限などもない、

非常に緩い宗教だった。


その為、この国では約束事には邪神様を使う。

指切りげんまん程度であったり、

結婚式で誓いの言葉で「邪神様に誓いますか?」などが例であり、

商売人は邪神教徒であることは信用されるための必須宗教である。


なお、破ると昔は邪神様自ら報復してたそうで、

現在はよくないことが起こる程度であるが、

熱心な邪神教徒に襲われるらしい。


邪神様は能力と誠実を司る神様として崇められている。

邪教には、『裏切りを許さない』ぐらいしか規律がないため

協会の形に制限がない。

一般的にイメージするものもあれば、神社みたいなもの、

一軒家にしかみえないもの、禍々しいもの、独創的のものなど

種類は多岐にわたる。

そこの地域、文化、個性、建築力、金銭面などで

協会の形が決まる。


今回俺が連れて来られたのは、

スペインにあるサグラダファミリアを連想させらる

立派なところだった。


宗教に疎い俺でも何かを感じさせる迫力をもっていた。

参拝方法は普通で邪神様の像の前でお祈りするだけであり、

後はお布施をして終了。


邪神様は常に鎖に巻き付かれ拘束具を付けられていたらしく

全身拘束具男の像であった。

めっちゃ悪人ぽく邪神のイメージぴったりな感じだった。

話聞いてる限りでは、いい神様なのに…。

ほら、泣いてる子どもいるじゃん。


観ているだけで何かにのみこまされそうなオーラ、

圧倒的存在感、鎖や拘束具の禍々しさ、

観ているのは自分のはずなのに観られている感じ、

この建築物の迫力もあいまって

観ている自分が自分ではなくなり、

内なる自分が出てきて暴れようとしているのを感じる。


なるほど、このイメージが能力に関係するのか。

とても興味深い体験だった。

しかし、やはり元日本人である俺は、

熱心にお祈りする両親には悪いが飽きてしまった。

宗教よりも建物や像に対する建築力の高さなど考えてしまう。

早く帰って走りたい…。


その日の夕方、50メートル9秒台の壁を越えられたので、

今日の夕方から俺は邪神教徒になった。


協会の写真みてたけどスゲーな(語彙力足らず)

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