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家族とは、恥ずかしいことをばらす元凶

俺ことテツは最年少能力開花者として異世界にて一躍時の人となった。


メディアからの取材、バラエティに出たり、

実際に走って能力者であることを証明したりした。


「可愛い、賢い、将来有望、能力者の先導者、

3歳児にしては、大人っぽいから年齢偽証疑惑…

いろいろあるな」


そして、エゴサーチも忘れない…。


まあ、こうやってちやほやされるのなんて

今のうちであり、思ったより早く終わる。

数年後には、そんなニュースあったな程度になる。


最年少能力開花者ブームは予想通り数週間で終わった。

やはり、派手さのない能力が原因だろう。

ネットにも書かれたし…。


もちろん、能力の修行も怠っていないが、

なかなか50メートル9秒台の壁が越えられないし

獣化できる気配もない。


どんな修行がいいか調べたが限界まで能力を使い、

能力の底上げするのが一般的である。

俺の能力的に走るしか思いつかず、

とりあえず走っってる。


しかし、記録が短くなっても能力によるものなのか

身体的成長によるものなのか区別がつきにくい。

また限界まで使おうとしても、疲れが身体的なものなのか

それとも能力的なものかこれもまた区別がつきにくい。


3歳児の身体機能を調べようとしたが、

能力者になって身体能力があがっている為他の三歳児と比べて

記録をとろうにも比較にならず、そもそも50メートル走れないのである。

実験には、サクラちゃんにおままごとに付き合うことを条件に

協力してもらった。


3歳児の能力者は俺だけであり、他の記録もない。

仮に俺以外に3歳児の能力者がいても50メートルを

真剣に走ることができないだろう。

実際にサクラちゃんも途中で飽きたし、

真っすぐ走らないし、転んだり、道草食ったり

記録どころでは、なかった。

転んで泣いた時は、本当にたいへんだった…。


そんなある日父親が


「よし、パパが特訓してやるぞ!」


父親が特訓してやると称して、

ボールを投げて取らせるボール遊びをした。

最初は、もしかしたら黒犬家の伝統的な特訓かと

思って真剣にやってたが、違うらしい。

だって、父親めっちゃ笑顔やもん!

隣で母親も微笑ましく見てるし!


まあ、テレビに出たり、取材とかでたくさんの人の相手をしてもらったり、

送り迎えとかいろいろと迷惑かけたし、家族サービスとして付き合うか。

でも、ボール取らせるって犬の扱いじゃないか父親よ…。

母親も獣化の練習って犬耳のグッズつけても変身しないからな。


せっかく、ここまで期待してくれるのなら、

その期待を裏切らないよう頑張るか。


次回は父親視点の話を書くつもりです

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