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第60話 嘗ての

【祝】19000pv!!!°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

ありがとうございます!

今回はセン、賢者の視点です

書いているうちにいつもより長くなりました


名乗らなくてもわかるだろうが俺は神屋かみやセン、世界の危険因子[和名持ち(ネームド)

そこで少し俺の話をしよう。俺はアイヘス王国出身だとエル達は思っているだろうが実際は違う。俺は他国から来た流れ者だ。この事はミカルも知らない、誰にも話さなかったことだ。

生まれは東にある国、そこで俺は普通の村で普通の親から生まれ普通に育った何一つ特別物は一つもない 只の村人だった。だが協会で行われる人の運命を分ける神託それから俺は大きく変わった。両親ともに村人の時点で、どうあがいても村人として生涯を終える俺はそう確信しながら教会の神託を受けた。結果は適正なしという結果であり名前が変わっていた事に驚きを隠せなかった。

適正なしという結果はその国では前例がなかった。それもその筈、俺の適正は[和名持ち(ネームド)]によって消されていた。これはエルに教えてもらうまで知ることはなかった。

この時[和名持ち(ネームド)]を知らなかった俺は自分が世界にとってどうでもいい存在であると思ってしまった。


そこから俺の人生は狂い始めた。


俺が適正なしの神託を受けた同じころに勇者が選ばれ、その仲間も選ばれた。その中には俺の幼馴染であるネティの姿があった。俺は元から戦うことに関心がなく興味もなかったが、ネティが勇者とともにいる姿を見るとネティと俺は住む世界が違うことを痛感し、選ばれた者と凡人との違いが彼女との間に線を引いた。幼馴染であるから誰も文句は言わなかったが、神によって選ばれたネティの隣には俺みたいな凡人ではない同じ神に選ばれた者がいるべきなのだ。俺の存在はネティにとって障害でしかない だから俺は邪魔にならないように誰にも悟られずに国を出た。自分勝手なのはわかっていた。周りが間違っていると言っても これが俺にとって正解だった。


国を出た後、俺はコレといった目的地もなく各地を転々としていた。すると目の前で魔物に冒険者が襲われ、何人か瀕死の状態になっているところを目撃する。それを見て俺は彼らを助けようと動こうとしたが、自分には彼らを救えるほどの強さはなかった

戦いとは無縁の暮らしをしていた俺にも多少の魔物の知識はある。だが俺には彼らを助けることができるほどの力はない。俺は彼らを見捨てるように冒険者達から隠れながら横を通り過ぎようとした時だった。俺の頭の中で誰かが話しかけてきた。



――困っているようじゃの

仕方がない 今回だけは妾がやろう

じゃがこれから先は主が戦うのじゃ 戦うことから逃げるでないぞ?



俺はその後の記憶がない

気が付いた時には魔物の肉片が俺の周りに散らばっていた。俺は何が起こったのかわからず周りを見ると、さっきまで魔物と戦っていた冒険者達は俺を見て震えていたのだ。すると遠くから馬の走る音が聞こえ、武装をした集団がこっちに向かってきていた。俺はその方向に顔を向けると自分に違和感があった。それは冒険者たちの体を覆っている何かが見えていたからだ。俺は自分の両手を見たすると俺の体にもその何かが覆っていた。今までこんなものは見えていなかった、それなのに意識を失い、元に戻ったとき突然見えるようになり明らかに俺の体に異変が起きていることに気づいた。

異変……いや、俺には見えていなかっただけで元からあったのかもしれない。だが体を覆っている何かについて誰かに言われたことはなかった。

そばにいた冒険者が仲間の治癒を行っている時に体を覆っているものが変化したときこれが魔力であることがわかった。魔法を使うたびに覆っているものは一部のところに集まり魔法を発動するところを見れば誰だってわかるだろうが、知識しかない俺は理解するのに数分かかった。魔法が使えないと思っていた俺に突然相手に魔力が見えるとなる混乱してもおかしくはない。それよりも驚いたのがその後すぐに俺に魔法が使えたことだ。

冒険者が仲間を治癒している様子を見ただけでどう知れば魔法が発動できるのか理解ができた。そしてこれがまるで体の一部のように魔力を扱えるようになった

その後俺は武装集団、アイヘス王国騎士団に事情聴取のため連行され、冒険者の証言もあり直ぐに解放されたが、騎士団長に魔物を一人で倒したという理由でスカウトされ、騎士団に所属することとなり、そこからアイヘス王国での生活が始まった。

才能を買われ、騎士団に所属した時にミカルと知り会い、王命でミカルの護衛として学園に入学した。そこで様々な才能を見た。さすが騎士、冒険者を育成する学園、在学している生徒たちが皆、国の中でも一級品の実力者達が揃っていた。その中でもミカルは別格だったがエルと出会ったあの日に俺の中の何かが崩れた。

騎士長が連行してきた人物エルの魔力を他者の魔力を見る事ができる俺は直視した瞬間に絶句した。そしてエルの背後に姿がぼやけてはっきりと見えないが、それを見たときは疲れているのかと思ったが、それから発生している今まで見たことのない魔力に思わず嘔吐しそうになるところだった。その後再びエルと出会い、その横にいるシウラを見たときには熱が出るかと思った程だ。思えばこの時からだろう、俺の日常が再び崩れだしたのは……


化物と出会い、ボコボコにされた後、ヤマトが合流して、別世界に行った。

いろんな事があったが今の俺は普通に暮らしていた時よりも充実している。好き勝手やっているこの連中をフォローするのは大変だが普通に暮らしていた前と比べればこれはこれで楽しいと思えている。しかしその日常と化した今も崩れそうになっている。

捨てたはずの過去が俺の前に再び現れ、俺は動揺していた。もう会うことはないと思っていた。俺は彼女が話していても内容が頭に入ってきていなかった。返事だけはしようとしていたら頬を打たれた。そして俺の目の前で涙を流し、彼女の殺気が俺に刺さる。そして彼女から憎しみの感情が覆っている魔力に表れていた。

俺は今日、嘗ての幼馴染と殺し合う 表現として間違っているかも知れないが俺の心臓が疼くいている。幼馴染をこの手で殺すことを望んでいるかのように、自分自身とは別の何かがそれを笑っていた。感情を制御し、俺の中に潜む何かが目を覚まさないように俺は彼女の殺意を受けとめる。


せめて彼女を殺してしまわないようにしなければいけない

誰かが死ぬようなことがあれるのなら、それは俺でいい





私はネティ、賢者として魔王を倒して世界を救うために今現在旅をしている

そして私は神屋センと幼馴染だ。いきなりで申し訳ないと思う でもハッキリ言う


私はセンが大好きだった


物心ついた時からセン一筋、他の男の子は目に入らなかった。

そしてセンには自覚がなかったが彼は女の子から人気があった。年上年下関係なく、隙があれば食ってやろうというものが多く彼の隣の座は紛争状態のようにセンの知らないところで激しく争われた。それだけセンを狙った人が多かった。


年上のお姉さん 色目を使うな!!

年下の少女   センにベタベタ触るな!!

私の妹     私に喧嘩売ってるの?受けて立つよ?

犬       ハウス!!


こうして私はセンの隣を維持してきた。 これでセンは私のものだ。

神託でどんな結果になろうと、このまま結婚するんだろうなとか思いながら掛け布団を抱きしめながらベットの上でゴロゴロして惚気ていた。その次の日に事件が起きた。

神託を終えた次の日、センがいなくなったのだ。それを聞いた時、私は呆然と立ち尽くしていた。センの母親が何を言っているのか理解できなかったからだ。


意味が分からないかった いなくなった?私を置いて?何で? 私が賢者だから?


頭がおかしくなりそうだった。そして我に返ると私はセンを探した。

探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した探した


それでも見つからない 心当たりのあるところを国中を走って探したでも見つからなかった。それでも諦めずに走って探し回った。目が潤んで前が見えなくなっても手で拭って必死に探した。 それでもセンは見つからなかった。

最後に足を運んだ場所、センとの思い出の場所、そこで私は大声で泣いた。

捨てられたとなぜかそう思ってしまった。


月日がたち、私は賢者としての役目を果たすために勇者のたびに同行しなければならなかった。 その後のことはあまり覚えていない

勇者一行として様々な国を転々としながら魔物を倒してきた。

そしてこのパーティーの仲間同士の信頼関係が強くなった時に勇者から結婚を申し込まれ私は了承した。彼はセンと違い私を必要としてくれるそう思ったら嬉しかった。例え下心があっても私が必要だとわかると嬉しかった。でもその度に私が幸せになろうとすると決まってセンの姿が頭に浮かぶ。勇者からキスを迫られても体がそれを拒む。


私は間違っていない そう自分に言い聞かせた。すると次第に頭に浮かぶセンの姿が邪魔になった。

センの存在が邪魔 私は頭を掻きむしりセンのことを忘れようと必死だった。

私はセンを憎んだ それが間違いだとしても私を捨てたセンを憎んだ。


魔王を倒しに行く前に勇者の問題で行われている種族会合の会場に足を運ぶ。行く必要がないとは思うけど勇者の決定なのでついていくと、中には各国の王に加えてドワーフ、リザードマン、鬼人、獣人、そしてエルフの王がいた。が何より驚いたのがエルフの王の後ろにセンがいたのだ。見た瞬間に分かった変な仮面を着けているけど一瞬でセンの体から発生している匂いでわかった。変態と言うなら言えばいい私は悪くない センが良い匂いなのがいけないのだ。でもその大好きな匂いは私を捨てた憎き相手。

邪魔な存在………


………………


セン大好きよ…でも今の私には貴方は邪魔なの…だから死んで


そして殺し合おう それで私の中にいる貴方センは消える

まだまだ続きますよぉ!!

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