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第52話 帰還

9000pv!!!°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

ありがとうございます!

そして新章開幕です!!

プレイヤーが現実世界に帰還していき、デスゲームと化した仮想世界は役目を終えた世界は崩壊していく。



「ん!?」



現実世界に帰還していったプレイヤーを最後まで見送ると、観音菩薩が消えた位置から七つの発光した球体が上空へと上がり四方八方に散っていく。エルは刀に手をかけるが何もせずに発光した球体を見送った。



「…………帰るか」



エルはこの世界に来た時と同じように、魔力を高めて空間を割って元居た世界に戻る。そして元の世界に戻った瞬間にエルは気を失い倒れた。



「エル様!!」

「ハァ…やっぱりこうなったか」

「どういうこと?」

「女神の魔力の使い過ぎだよ

アーシが二十秒使っただけであぁなったんだぜ?

長時間使い続けたエルがこうなることはある程度予測はしていた」

「そんなにきついのか…女神の魔力は」

「きついなんてもんじゃねぇよ

お前も[和名持ち《ネームド》]ならこうなることを頭に入れておいたほうがいいぞ」



ヤマトはうつぶせに倒れたエルを仰向けにすれと、左目、右腕、右脇腹、左脚を順番に触る。



(やっぱり…こいつ)

『ヤマト?どうしたのですか?』

(何でもない)



ヤマトがエルの治療を終えると、シウラたちは野宿の準備を始める。エル達がこの世界に帰って来た時には、日が沈みあたりは真っ暗となっていた。エルが倒れどこかの宿に連れて行こうにも、森の中心部にエルが出口を開けてしまったせいか、町と呼べるようなところは近くにはなく、シウラたちは仮想世界へ入っていった場所とは別の森の中でエルの回復を待つことにした。そして野宿のために焚き火を起こし、エルをテントの中で寝かせた。エルが回復するまで、シウラたちは小さな焚火を囲むようにして会話を交わした。するとミカルがある疑問をシウラとセンに投げかける。



「そういえば、もう終わったことだからどうでもよくなっていたけど…

何で百階層の階層主が二十七階層にいたの?」

「ん?あぁ……多分管理室が破壊されたからじゃないか?

それで世界の不具合が起きて、各階層の階層主がシャッフルされたとかな…

あくまで予想だが」

「なるほどなぁ…だからあちこちでプレイヤーが騒いでいたのか」

「え?それじゃあ二十七階層に百階層の階層主がいたのは……」

「原因を作った奴は考えなくてもわかる」

「エル様が原因ですね」

「………そうなるな」

「「「「…………」」」」

「ちょっと起こしてひっぱたいてくるわね」

「いけませんよ!ミカル!!

エル様は治療を終えたばかりですから!!」

「何笑顔でバカなこと言ってんだ!!

お前の性格とセリフが合ってないんだよ!!」

「大丈夫だ、どんなにひっぱたいてもアーシが治す」


「大丈夫じゃないですよ!!」

「大丈夫なわけあるか!!」



ミカルは言わば世間でいうツンデレであり、決してキャピキャピした性格ではない。そのことをセンは誰よりもわかっていた。しかしヤマトと行動することになった日からミカルの性格はブレブレになっているのだ。ミカルは女子力がゼロである、そんなことは百も承知。

しかし王女であるがゆえに所作はしっかりとしていたが、王族として最低限の所作ができるだけであり、その他の家事などは全くできなかった。女らしく振る舞うよりも、強くなりたいと願うミカルだったが、最近女子力が上がってきていたのだ。エルの回復を待ち、シウラとセンが野宿の準備をしている横で間に食事の支度をしているミカルを見て、天から槍が降ってくるのではないかと思ってしまうくらいの衝撃だった。…とセンが思っていると、何かを察したミカルから平手打ちが飛んでくる。話を戻すが、ミカルの性格は前と変わらないツンデレである、しかし決してこんなキャピキャピした性格ではない。だが今ミカルの性格のことを議論する余裕はなく、独特なオーラを右手に集めているミカルをシウラとセンは必死に止めていた。



「クシュンッ!!」

「「「ビクッ!!」」」

「ズズッ…」

「……取り敢えず落ち着きましょう」

「……うん」



テントの中で寝ているエルのクシャミでミカルは我に返るが、ミカルの怒りは収まらない。その様子を見たヤマトはシウラにこの状況とはとは関係のない事を聞き始めた。



「……なぁシウラ、エルって苦手なものはあるのか?」

「唐突ですね、エル様の苦手なものですか?

えっと……あるとすれば強引な女性ですかね」

「へぇー…」



突然エルの苦手なものをシウラに聞いたヤマトは発覚したその瞬間に口角が上がり、ヤマトが浮かべたその表情を仮想世界で何度も見ていたミカルは嫌な予感がした。



「ミカルの怒りは理解できる

だがいくらケガを治せると言っても、今のエルに酷いことはできない」

「「?」」

「?………!!

エル様に何をするつもりですか!!」

「え~?何を想像してんだ?シウラ~」

「あなたが良からぬことを想像していることはわかりますよ!!」

「そっかそっか~じゃあ大人しく寝てような」



次の瞬間、シウラの体は動かなくなった。意識はハッキリしているものの体の自由が利かず、指の一本も動かせなくなり、同時にセンとミカルも体を動かせない状態となっていた。



「心配しなくとも、ちょっと麻痺をかけただけだ

だからお前らは大人しくしていろ?」

(エル様に何をするつもりですか!!)

(体が動かねぇ…何しやがった)

(アタシたちに麻痺をかけて何をするつもり!!)

「ごめんな?必死に訴えかけられてもアーシに人を読む力はないんだ

だからそこで待ってろ、直ぐ終わるから」



ヤマトの手によって麻痺をかけられた三人は、不敵な笑みを浮かべながらテントで眠るエルのもとへ向かうヤマトを止めることはできなかった。そしてエルに魔の手が迫っていることに、本人は気づいていなかった。



(………ん?

あー……気を失っていたのか………クソッ

軟弱な体め)

『そんなことより、早く起きないと大変な事になるよ』

(あ?)

「あっ…起きちゃったか」

(………ヤマト?

……あぁ治療してくれていたのか…面倒かけたな)

「まいっか!!」

(……?)



気を失っていたエルが目を覚ますと、目がかすんでいるせいで今いる場所を確認することはできていないが、テントの中であることを悟る。そして気を失っていたことに情けない気持ちになっていると、エルの身に迫る危機を伝える。アリスの言っていることが何のことかわからないエルは、徐々に目が回復して周りが見え始めると、馬乗りの状態でヤマトがエルの上に乗っていた。エルはヤマトが気を失っている間に治療をしてくれていたというのはわかる。だがなぜヤマトが上に乗っているのか、それだけはわからなかった。そしてこの後ヤマトはエルの顔を両手で掴むと、とんでもないことを言い出した。



「お前の唇を頂くとしよう」

「ちょっっっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!

何をするつもりだ!!!」

「え?治療ダヨ?」

「噓つけぇぇえ!!

ならこの手は何だ!!」



両手でエルの顔を固定しているヤマトはゆっくりと顔を近づけていく。抵抗しようにもエルの両手は〈大地の束縛〉によって動かせなくなっていた。エルはヤマトが酒に酔っているのではないかと考えるも、所持品の中に酒はなく、ヤマトから酒の匂いがしないことから、酒に酔っておらず、ヤマトが素の状態である事がわかった。それが何よりも質が悪かった。



「シウラ!!シウラーーーー!!!」

「今シウラとセンとミカルは体が麻痺して動けないヨ?」

「何してんだ!!お前ぇぇぇぇえ!!!」



シウラに助けを求めるも、麻痺した状態で動けず外で倒れているシウラにはエルの叫び声だけがシウラの耳に届いていた。そしてヤマトが計画して行ったことであると悟った。



「うーん…なんで抵抗すんだ?

こんな美女がキスするんだぞ?普通なら喜ぶところだろ?

ベロベローーって口の中舐められたら嬉しいだろ?」

「嬉しいわけあるか!!」

「ったくしょうがねぇなぁ…

ミレス魔力!!」

『えぇ!!?』

「おまっ!ふざけっ!

チッ!アリス!!」

『はいはい』


「ちょっと舐めるだけで終わらせようと思ったが、気が変わった

隅々まで舐めつくしてやる」

「絶対死守する!!」



女神の魔力を纏った状態のエルとヤマトの攻防は麻痺が解けたシウラによって終止符が打たれ、二人の戦いは夜明け近くまで続いていた。

この話を書いているうちによくわからなくなってきた

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