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ドクの決断
ドクの決断
「そうか、それじゃ、ジェミスお前はいい、おれだけで十分だ。」
「しかし、それじゃ面白くないだろ、えっ、ドクよ。おれも見物する側として、
楽しめないし、お前のとっておきの術も見ることができない。
ジェミスも分かるだろ、おれの気持ちがよ。
そうゆうことで、縛りは解かしてもらう。」
その言葉をドクが言ったところで、ジェイとアイは、
その言葉と同時に、縛りがなくなったことを感じたのだった。
ドクは、自分ひとりで、片付けると言ってしまったこともあり、
それに、ジェイとアイなんか、闇にとっては、大したものではなく、
本物の敵である地獄のフロムを倒すためのコマぐらいの認識であったのであるから、
ドクは、一人でふたりを片付けることにした。
それに、縛りがない方が、楽しめるという気持ちになっていた。
それは、この世界に来てから、人間離れした者との戦いはなかったので、
これは、考えようによっては、いい機会だと思ったのだろう。
「じゃ、やるか。ジェミス、手を出すなよ。」




