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恐怖
恐怖
風船が合体し、一つの大きな風船となり、その風船の中にシューはいるものと思われたが、
風船の中には、何も存在していなかった。
闇の男は、我が目を疑った。この風船から出ることは、
どんな技を持ってしても、出ることはできないと自負していたのだから。
ただ呆然としていた闇の両足首を、地面から伸びてきた2本の手が、しっかりと掴んだ。
そして、あっという間に、闇の男の体は地面に引きずり込まれて、
頭だけが地面から出ている状態となってしまった。
闇は、すぐにここから出ようとしたが、体が動かない。
しまった。これは縛りだ。と、やっと闇は気づいて、恐怖が体の中を走った。




