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グリモワールの欠片  作者: IDEI
36/51

36 知識の悪魔

 竜人族の里の近くにあるダンジョンに、俺が探すように依頼を受けた魔道書の欠片がある事が判った。


 俺、ハイエルフのマレス、魔道書使いリッカ、剣士エルマ、竜人族のリーガとリーガの部下であるラグの六人でダンジョンに潜ることにした。そして妙な魔獣モドキやゴーレムと戦い進んだ先で、まるで水の中のように身体が浮く空間へと誘い込まれた。


 まぁ、何かがあるのは判ってて入ったんだけど。


 その場所で俺たちは、高飛車にほーっほっほっほと笑う女の声を聞いた。なんか俺に魔道書回収を依頼した爺さんの事を知っているらしい。


 マレスには、この声と俺との接点は完全に無いとしっかりと言っておいた。知り合いじゃ無いよ! 声を大にして言うよ! 知り合いじゃ無いよ! 大事な事だから二回言ったよ。


 「えっと、大事な事だからしっかりと聞くぞ。俺とお前は面識は無いよな?」


 『ないだわさ! なんでそれが大事あわっ! あんたが使っている魔法はゲーノス様の魔法だわ?!』


 「ほら。マレス? 俺とは全く関係無かったよな?」


 「そのようですが、本当に関係無かったのかは、完全払拭されていない様な気がしますが?」


 「ぐぬぬ! おい! お前のせいであらぬ誤解を受けてるぞ!」


 『どうでもいいだわさっ! だわっ! 積年の恨み辛みをじわじわと与えて苦しめるつもりだっただわ、だわここで終いにしてくれるだわさ!』


 あ、ヤバい? じゃあ念のためにたっぷり魔力を注いで。


 「第五の事象に亀裂と混乱を生み出せ! マジック ジャミング!」


 その次の瞬間、俺たちの周りの空間が圧を失ったのが感じられた。周りは真っ暗。なので灯りの呪文のページを開いて、周囲の離れた場所にいくつもの魔法の灯りを灯す。そして麒麟が降下を始めると、他の従魔たちも降り始める。


 あ、巨大な縦穴っぽい空間の空中に浮かんでいたようだ。麒麟たち、空を飛ぶ従魔に乗っていなかったら落下で死んでたかも。


 そのおかげで下が見えた。


 やはり人工的な空間のようで、広い円形の縦穴で床は綺麗な平らになっている。サッカーのグラウンドならギリギリ一つは入るぐらいかな。


 「ありがと。念のため、暫くは近くに待機しててくれ」


 麒麟から降りて地面に降り立つ。他の皆も降りてきた。そして向かうは地面に蹲る一つの塊の場所。なんだろう? 人型はしてないけど丸くて黒い。


 さらに念のために全員に強化魔法をかけ直し、その丸い塊に近づく。


 モソ。


 五メートルぐらいに近づいた時にその塊が動いた。生物っぽい。そして、起き上がろうとする。


 な、な、なんと、その姿は!


 「イワトビペンギン?」


 ズングリムックリした体型。今まで背中しか見えなかったが、腹側は白く、目の上には黄色い飾り羽が長く何本も伸びている。足で二足直立姿勢になっても俺の膝ぐらいまでしか無さそうだ。

 うん。まごう事なきイワトビペンギンだ。あ、もしかしたらマカロニペンギンかも知れない? シュレーターペンギンだったどうしよう? スネアーズペンギンと間違えると怒るかな?


 まぁ俺には細かい区別はつかないけど。


 そのペンギンがよっこらしょという感じで立ち上がった。そして、何故自分が倒れていたか疑問に感じているらしい。そして俺たちが直ぐ近くに居る事に気がついた。


 吃驚して慌てて、何かを叫んでる。クェー! クェー! って、あれ? 爺さんの自動翻訳に翻訳されないって事は、言葉じゃ無いのかな?


 そして何故かペンギンが自分の姿を見て驚いている。自分の手、と言うか羽をパタパタさせて、口を開けたままだ。俺たちのことは眼中に無くなったようだ。


 そして力なく崩れ落ち、床に手(羽)をついた。ガックリきているようだ。時々片羽で床をペシペシしているのは悔しさだろうか?


 「なんか見ていていたたまれないから、ここから出ようか?」


 俺がマレスたちにそう声を掛けた瞬間、ペンギンがクワッと俺を睨んだ。そして立ち上がり何やら踊っている。いや、踊りじゃ無く、魔方陣を描く魔力が見える。


 なんてこった。


 このペンギンは魔法使いか? 魔法使い業界が恐ろしくなってきた。


 俺は二冊の魔道書を取りだし、構える。いったいどんな魔法を使う心算だ?


 俺が警戒の姿勢を取ったので他の皆もそれぞれの得物を取り出して構える。


 そして魔法が完成。あれ? 俺たちじゃ無く、ペンギンの方に掛かる魔法だ。


 『待つだわさ!』


 ペンギンが羽を俺たちに突き出し、そう叫んだ。それはさっきまで響いていた女の声だ。


 「さっきまで、恥ずかしげも無くほーっほっほっほ、とか言ってたのはお前か!」


 『何が恥ずかしいだわさ! コレだから下等な生き物は』


 「うん、価値観が違うんだな。どうやら話し合いは無理なようだ」


 『同感だわさ。ならば、大人しく…』


 「マジック ジャミング!」


 ペンギンの台詞が終わらないうちに俺が再び魔法を阻害する魔法を撃ちだした。そして、さらに竜の魔道書に魔力を込める。


 「ドラゴン クロウ!」


 竜の爪は正確に、ペンギンの横三十センチの所を真っ直ぐ切り裂いた。


 イワトビペンギンは、その竜の爪痕をじっくり見てから、自然な流れで土下座した。それはもう、見事な流れだった。


 そして始まる事情聴取。


 イワトビペンギンは悪魔だった。あ、悪魔界が不穏になってきた。


 いや、特に決まった形は無かったそうだけど、召喚した爺さんによってイワトビペンギンの姿を『設定』されたそうだ。しかも制約をてんこ盛りで押しつけられて、満足に悪魔としての活動が出来無かったそうだ。まぁイワトビペンギンじゃなぁ。


 で、収められた魔道書がばらけた時にその管理するページと共に逃げ出し、今まで隠れ潜んでいたそうだ。そこに爺さんでは無いけど爺さんの魔法を使う存在を見つけて、ちょっかいを掛けてやろうと誘い込んだらしい。


 「悪魔ってのはアレだろ? 人が後悔し、絶望と怨嗟の声を上げて泣き叫び、壊れていく様を楽しみながらその魂を喰らう存在」


 『だわっ? だわ、その、一部の存在だけで全体を評価する視野狭窄な固定観念だわさ。木を見て森を見ずの典型だわ。バカだわさ!』


 「ドラゴンズクロウ」


 うん。ペンギンはしっかりと土下座して発言に対する反省を見せてるね。


 で、詳しく聞いたところ悪魔には色々なタイプがあるらしく、怨嗟の叫びを喰らう存在もあれば、人の欲望を喰らう存在もあり、結果として人に益をもたらす存在もかなりあるらしい。


 悪魔が居る、と言わないで、悪魔が在る、と呼ぶのは、弱い悪魔は個体の認識が甘く、弱い悪魔同士で合体して一つの存在に到る事もあるからだそうだ。逆に自分を分ける事も出来るそうだけど、よほどの事が無い限り別れる事は無いらしい。なんでも別れた途端に主導権を奪うために争ったりもするそうだ。


 「なんか、精霊の存在に似ていますね」


 と精霊使いであるマレス。


 『何を言ってるだわ? 悪魔はそもそも精霊の上位存在だわ? 元々精霊が人の恨み辛みに影響を受けて性質変化を起こした後に、似たような性質の精霊通しで合体して出来たのが悪魔。だから精霊使いに影響されやすいんだけど、知らなかっただわさ?』


 「し、し、知りませんでした。な、なんて事でしょう。こんな事、里長だって知っているかどうか」


 マレスは驚きまくっているけど、俺としては納得だった。もっとも、後悔と怨嗟を喰らう悪魔だけじゃ無い、と言うところで考え方を変えたせいで納得出来ただけだけどね。


 「たぶん、後悔や怨嗟の恨みを放って死んでいく人間がいたんだろう。この世界では結構頻繁にありそうだよな。そこにしっかりと属性を持っていない精霊とか精霊の元になる様な存在が、その人間の想いに触れて変化したのが『後悔と怨嗟を喰らう悪魔』ってワケだ。

 そしてたぶん、人間の金銭欲、食欲、色欲とかに影響されて変化する精霊も居るんだろうな。そういう精霊達を悪魔と呼んでいるってんだな」


 『ふふん。ほぼ正解だわさ。まぁ魔法使いには常識的な話だわさ』


 「で? お前はなんの悪魔なんだ?」


 『ふふ。知りたいわさ?』


 「ドラゴン ク…」


 『待って! 待って! 言う! 言うだわさ! なんで一々暴力で解決しようするさわさ! 暴力反対! 力による強制力の執行には断固として抗議しるだわさ!』


 「うん。何事も暴力で解決しようとする姿勢は問題だよな。で? お前はなんの悪魔なんだ?」


 『うわっ! しれっと、自分がしてきた事を否定しただわさ! ゲーノス様でもそこまでじゃなかっただわ、なんでこの弟子はここまで横暴なのださわ!』


 「どらご…」


 『わー! わー! 待って! 言う! 言うだわさ! 私は欲望の悪魔だわさ! 金銭欲とか、色欲とか! 食欲! 睡眠欲とかに影響を受けた精霊たちの集合体だわさ!』


 あ、さっき俺が言ったヤツだ。とすると、実は違う系統の悪魔って事も考えられるな。


 「うん。悪魔の言う事を素直に信じるとか、無いよなぁ。で? 本当は何なの?」


 『うえ! し、信じらんないだわさ! 人の言う事を信じないなんて…』


 「竜の牙は、まぁ牙で切り裂く魔法なんだけど、竜の顎って魔法はかみ砕く魔法なんだよね」


 『はい! 嘘なのさわ! ウチは、金銭欲とかの欲望じゃ無く、『知識の欲望』の悪魔なのださわ』


 ほう、なるほど。


 「爺さんにはどんな制約で縛られてるんだ?」


 『そ、そんな事、言えるわけが無いだわさ!』


 「どら…」


 『うわーん! 暴力反対! 言う! 言うだわさぁ! ゲーノス様に課せられた制約は、ページの管理と保存なのだわさ!』


 「管理と保存?」


 『そうだわさ! ゲーノス様以外の者がページを使う時に、資格があるか判断してサポートするか妨害するだわさ』


 「え? 俺、けっこうその魔道書の呪文を使ってたけど?」


 『本全体なんて知らないだわさ! ウチの管理しているページのみの事だわさ!』


 「ほう。つまり、その悪魔に管理をさせないとならない程危ないページって事かぁ。で、なんの呪文なんだ?」


 『うっ!』


 「どらご…」


 『うわーん! ゲーノス様ぁ! 虐められてるだわさぁ!』


 で、無駄な話を続けた結果『無駄なんで酷いだわさ!』この悪魔が管理していたのは『悪魔を殺す呪文』と言うのが判明した。


 別に態々使う者を選ぶ程でも無いとも思ったけど、悪魔を殺せる、という呪文を行使出来る存在を悪魔が許すわけも無く、呪文の中身を知っている事を条件に色々と悪魔から呪いや実害が降り注ぐことになるそうだ。

 そう言う呪文があると知っているだけなら問題無いが、具体的に呪文を『知っている』と言う条件で発動するらしく、普段の生活からでも防御できるほどの魔法使いでも無ければ危険以外の何物でも無いと言う事だった。


 ちなみに、弱い悪魔や力を削がれた状態になった悪魔などは普通の攻撃でも倒せるようになるらしい。まぁ、その状態に持っていくこと自体がかなりの困難だけど、その呪文はそう言ったコンディション関係無く殺せるという、いわゆる悪魔用即死呪文と言う事だった。


 「なるほど。おはようからおやすみを越えて次のおはようまで、生活を見つめ続けて隙をうかがう悪魔に対応しなきゃならないなんてかなり面倒だな。まぁ俺はそんな呪文を使うつもりも無いから知るつもりも無いけど」


 『だわさ!』


 何故かイワトビペンギンの目が怪しく光った気がした。


 「お、お前、今何か良からぬ事を考えただろう?」


 『し、心外だわさ! だわ、さっさと魔道書に回収するだわさ!』


 「あー! てめぇ! 回収させて、俺を悪魔に襲わせようとか考えたな!」


 『だ、だわ?』


 イワトビペンギンが斜め上に視線を移しながらピーピーと音階を変えた鳴き声でさりげなさを醸し出そうと努力している。ムカッ!


 「アイビーバインド!」


 魔道書を使わない俺の呪文でイワトビペンギンが草の蔓で縛り上げられる。


 「あー、全く! 話が進まない!」


 「あのヤマト? その原因はヤマトにもあるような気がするのですが?」


 マレスが控えめに言ってくる、が。


 「気のせいだ」


 「はい?」


 「気のせいだ」


 「…はい」


 納得してくれたようだ。うん、誠意ある言葉には魂が宿ると言うしな。


 「それで、この悪魔をどうするのですか?」


 俺が避けてきた問題を聞いてくる。マレス、恐ろしい子!


 回収しないと色々迷惑。回収すると俺に迷惑。前者で良いんじゃ無い? と言うのが俺の本音だけど、そういうわけにもいかない様だ。


 悩みに悩み抜いて、結局回収することに。


 「本当に不本意なんだが、その感情を無理矢理抑えて、絶対にやりたくない気持ちを何とか表面的に誤魔化し、いやいやながらも仕方無く回収することにした。と、言うわけで魔道書の欠片はどこにある?」


 『そ、そこまでならやらなくても良いだわさ?』


 「本気で回収したくない。でも…、魔導書よ、その身の一部の在処を示せ!」


 手に持った魔道書から光が伸びる。その先はイワトビペンギンの胸の辺りだ。さっきイワトビペンギンが言っていた魔道書の一頁だけの管理と、イワトビペンギンの姿に爺さんが設定したという事から、このイワトビペンギンの身体そのものが魔道書の変化した物で、悪魔の意思が身体を動かして制御しているという所か。


 魔道書の目次に呪文の名前が光り浮かぶ。イワトビペンギンが管理している呪文は悪魔に対する即死魔法と周囲にいる悪魔の気配を感知する魔法、それに悪魔からの呪いを弾き返す障壁を張る魔法の三点だった。


 まぁ頁の管理をしていた悪魔が悪魔用即死魔法のみを言ってきたのは、別に隠す程でも無いという事なんだろう。本に戻す前に確認すれば直ぐに判る事だしねぇ。とにかく回収してしまおう。


 「悪魔に死を告げる言の葉。悪魔の息づかいを知る言辞。悪魔の呪い言を調伏せし言。汝のあるべき場所に帰れ」


 『だわ? 全部だわさ?』


 あ、こいつ、他の二つは隠しておくつもりだった様だ。所詮は悪魔ってワケか?


 魔道書を介した俺の魔法で三枚の頁が魔道書に戻った。


 残ったのは地面に倒れ伏しているイワトビペンギンのみ。


 「え? 頁の管理をしているんだから、頁と一緒に魔道書に戻るんじゃ無かったのか?」


 魔道書をめくってみると、確かに頁は戻っていた。じゃあ、なんでイワトビペンギンがいるんだ?


 頁を確認してからイワトビペンギンを見て見ると、モゾモゾと動き出して起き上がり、俺や周りをキョロキョロと見回したあげくに自分の手羽先を見つめていた。


 ギョワー! キェー! キェー! ギャワ! ギャワ!


 いきなり大騒ぎでパニックになってる。言葉の魔法までキャンセルされてるようだ。


 「煩いから落ち着け。さっきの言葉の魔法をもう一度かけ直せ!」


 そしてイワトビペンギンが落ち着き、再び魔法を掛けるのを待った。


 「で? 頁が戻ったら、お前も魔道書に収まるんじゃ無かったのか?」


 『その筈だわさ。なんでウチはここにいるだわさ』


 「俺が頁を戻したから頁の管理から外されたか?」


 『ちょっと待つだわさ』


 待てと言ってからイワトビペンギンは小さな魔法を使ったり自分の身体を確認したりしている。


 『へ、変だわさ! 頁の管理から解放されてないだわさ』


 「えーっと、そのイワトビペンギンの姿ってのは爺さんが設定したんだったよな?」


 『だわさ』


 「その姿で、本の外に出ることはあったのか?」


 『だわ。誰かがウチの管理頁にアクセスしようとしたら出る事になってるだわさ。それはゲーノス様も例外じゃないだわさ』


 「じゃあ、今回も俺が頁にアクセスしたから出て来ているって事か?」


 『だわ! だわ! 本を閉じて収納するだわさ!』


 俺は言われたように魔道書を閉じる。そして魔道書を今は使わない、という気持ちを込めると魔道書は俺の胸ポケットに入るぐらいに小さくなった。


 それからゆっくりと胸のポケットに入れる。


 イワトビペンギンはそれをじっくりと見ていた。


 「…………」


 『…………』


 「戻らないな」


 『……だわ』


 「自分の意思でも出来無いのか?」


 『……だわ』


 イワトビペンギンが四つん這いになり頭を垂れる。


 俺が悪魔の頁にアクセスする事を待っていると言うわけでも無く、イワトビペンギンは本気で戻れない様だった。しかも魔道書の頁の管理は外れていないので、魔道書から離れる事も出来無いらしい。

 つまり俺はこのイワトビペンギンを連れて歩かなければならないと言うわけか?


 「もしお前を別の洞窟に閉じ込めて、俺が遠くへ移動した場合はどうなるんだ?」


 『わ、判らないだわ』


 「後で試すか…」


 一応は目的の魔道書の回収は出来たから、一旦戻ることにした。


 「で、ここはどこなんだ?」


 俺たちは竜人族のリーガの里の近くにあるダンジョンに入ったが、入り口から別の空間に繋がっていた筈だ。それを聞いたら、そのダンジョンは途中で道が途切れていて、更に深層が隠されていたらしい。そこでこのイワトビペンギンがダンジョンコアを直接弄ってダンジョンそのものを改造したと言う事だった。


 「このダンジョンは元に戻せるのか?」


 『出会い頭にあんたのマジックキャンセルを喰らって、ウチの改造はかき消されたのだわさ!』


 「塞がっているという途中も開通したのか?」


 『それは知らないだわさ』


 「そっか。まぁそれはリーガ達に確認して貰うとして、一度戻るか」


 麒麟たちをカードに戻し、マレス達とリーガ達を集めてダンジョン入り口に打ち込んだマーカーに向かって転移した。


 「あっ、イワトビペンギンを忘れてた」


 転移は触れているか、しっかりと一緒に転移するという意識をしっかり持っていないと置いてけぼりにされてしまう。なんか疲れてたし、マレス達とリーガたちが触れてたことを確認してさっさと転移してしまった。


 『ここにいるだわさ』


 「ちっ」


 『今舌打ちしただわさ!』


 意識しなくても転移すると一緒に転移するようだ。



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