~プロローグ~
学生のころ、成績優秀だった。
俺はなんでも出来ると思っていた。
だから社会に出ても困らないと思い込んでいた。
だが、就職した俺は……
あっさりと会社をクビになった。
仕事ができる俺を気に入らなかった上司が、自分のミスを俺に擦り付けた。
しまいには会社の金を横領したことまで俺のせいにされた。
おかげで借金を抱えまくっている。
とてもじゃないが返せる気がしない。
同僚も警察も弁護士も、誰も信じてくれない。
家族には…ダメだ、頼れない。
……もう首をくくるしか、ない。
俺はどこかわからない山奥に来ていた。
死に場所を探し、フラフラと。
やがて、丁度いい高さ、丁度いい太さの枝が生えた木、その根元には踏み台に使えそうな石のある絶好の場所を見つけた。
俺はすぐにロープの一方を木の枝にくくりつけ、もう一方を輪っかに結んだ。
そして石の上に乗り、ロープの輪に首を通した。
あ、そうだ。
死ぬ前に一言文句でも言っておこう。
誰に?
この世界に、かな。
「都合よく俺から何もかも奪いやがって、世界を恨みながら死んでやる!!」
ついでにもう一言。
どうやら俺のやり場のない怒りが、頂点に達してしまったようだ。
「もしこの世界に神様がいるなら、俺の命を救ってみろ!!」
そのままの勢いで俺は踏み石を思いっきり蹴った。
石が後ろに倒れたのを感じた。
直後――
「はいはいはーい。」
何とも間の抜けた声が聞こえたかと思ったら、
「へ?」
……死んで、いない?
そして顔を上げると、そこには――
「言われた通り、命を助けましたよー。…ていうか自殺なんて、危ないじゃないですかー。」
……………女の子みたいに可愛い声からは想像もできないような巨大な化け物が、俺の体を握っていた。
それが全ての、始まりだった……………
牧場サロです。ついに新連載です!ただし書きかけ・・・orz
それでも次回は明日掲載します。
「ヤン爆」とは全く違うジャンルですが、本作「教祖さま!」も、どうぞよろしくお願い致します。