推理2
式は図書室に着くなり、科学本コーナーに行き本をあさった。
本ならネットよりも詳しいことが載っているかもしれないと思ったが、やはり結果は変わらなかった。
それでも、式は諦めなかった。
「そうだ、SF小説を読めば何かわかるかもしれない」
今度は小説コーナーに行き、SF小説を一通り読んでみた。
科学知識に多少詳しくなったものの、やはりヒントは見つからなかった。
「…ふむふむ、この小説は面白いな」
と、式も調べものを忘れ、話に夢中になっていた。
「…式くん、まだ図書室にいたのですか」
榊に声をかけられた。
「あれ、榊さん。授業に出なくてもいいの?」
「もう放課後ですよ…」
と、榊は呆れながら言った。
小説を読んでいるうちに、いつの間にか放課後になっていたようだ。
「それで、答えは見つかったのですか?」
「いや、全然」
「そうですか。なら私の話を聞いてください」
榊はそう言いながら、数枚のプリントを鞄から取り出した。
「この学校では、毎年海外研修があります。それで、今年はどこに研修しに行くのかを一年生全員にアンケートをとっています。なので式くんも書いてください」
「そんなのもあるのか。行きたいところはいっぱいあるんだよなあ」
「どこがいいですか?」
榊は世界地図を式に渡しながら言った。
「うーん。しいて言うなら、アメリカやロシアとかがいいかな。広いし、ホワイトハウスとか見てみたいなあ」
「行けるかどうかはわかりませんよ」
「わかってるって。ただ言ってみただけだよ」
「そういえば、前にポルトガルに行ってみたいと言ってたような…」
「そりゃ行ってみたいけどさ、さすがに遠いでしょ。他の人たちも行きたいって思うところじゃないと…」
と、式は地図を見て気が付いた。
「……」
「どうかしましたか?」
「…榊さん。わかったよ、過去に行く方法が」
「…は?」
ついにおかしくなってしまったのかと思い、榊は心配しながら式を見た。
「何だよ。こんなに簡単なことだったんじゃないか。俺が難しく考えすぎてただけだったんだ」
「あの…式くん?」
「ありがとう、榊さん。おかげで気づくことができたよ。後は谷口くんに答えを言えば俺の勝ちだ」
式は携帯を取り出し、メールで翼に連絡した。
しばらくすると、場所指定の返信がきたので、了承と送った。
「よし、じゃあ行くか」
式は指定された待ち合わせ場所まで向かった。




