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翼の夢  作者: 二見
10/10

決意

数日後の朝。

式は目を覚まし、テレビの電源を入れた。

ローカルニュース番組にチャンネルを変えると、そこには先日起きた事件について放送されていた。


「……」


式はテレビを消し、学校へ行く準備をした。




式が教室に入ると、クラスメイトの視線が式に向いた。


「……」


式は黙って自分の席についた。

あの後、屋上へ駆けつけた教師により式は保護された。

警察の調べで翼が屋上から飛び降りたことがわかると、事件時に屋上にいた式に殺人の疑いがかかり、取り調べをされた。

だが、翼の部屋から自筆の遺書が発見されると、警察は自殺として捜査を終了し、式にかかっていた殺人容疑も晴れた。

そのことは当然学校に知れ渡った。だが、生徒の中には式が殺したのではないかと考える人も少なくなかった。

式は前にも殺人事件に巻き込まれている。その式を煙たがる人が出てくるのも無理はない。


「式くん。おはようございます…」


榊が式に挨拶をするが、式の心中を察してか、控えめだ。


「おはよう、榊さん」

「…なぜ、谷口くんは…」


榊の言葉に式は何も返すことができなかった。


「…わからない。でも」


式は決心したように語った。


「もう二度と、こんなことを起こしてはいけない。俺、もっと人の気持ちがわかるように努力するよ。もう友達を、目の前で死なせたりしない」

「…そうですね」


それきり、二人は一言も話さなかった。

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