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少女と銃と国境線の向こうの相棒

作者: 近衛 大衛

 ここは、国境近くのゴーストタウン。

「相棒、持ち弾と装備は?」

 土で出来た二階建ての民家に隠れているイスルとカミナ。

「ドラグノフが三発、よそ様からかすめ取ったフラッシュが二個だ」

 同年代と比べても、少年達には似つかわしくない銃を握っていた。

「こっちは、カラシニコフが予備いれて六十発とグレネード一個だよ」

 カラシニコフ、ドラグノフは共に戦場で最も使われている。ポピュラーな銃。

「「それと……」」

 二人の目線の先には、一人の少女がうずくまっていた。

「……」

「なぁ、逃げていいか?相棒」

 ため息交じりで言う相棒に正直なところ賛成したい少年だった。

「無理言うな、白旗上げても奴ら俺等を殺しに来るぞ」

 現実は甘くはない、自分等の年代は普通、こんな戦場で銃撃戦を繰り広げているより、勉強机に向かっている奴が多いと聞く。

「やばいな、奴らがこっちに気付くのは時間の問題だな」

 戦車特有のキャタピラーの駆動音と共に兵士が民家の戸を蹴り破る音。

 どうやら、敵は一個小隊ぐらいの数

「なぁ、少し相談がある」

「なんだ?相棒」

 耳モノと近くで少年は相棒にささやいた。

(お前、あの子好きだろ?)

 そう言うと相棒の顔はまるでトマトの様に真っ赤になった。

(ば、ばか、お、おれはあの子が好きだ、なんておもって……)

 もう見ただけでわかる。少年の相棒は少女の事が好きだと言う事。

「はい、はい、そんな奴は、少女を全力で守っていろよ」

――相棒の恋愛に興味はないが成功させたい。

「お、俺はそのつもりだぞ、相棒」

 幾ら少年達が隠れていようが、子供の遊びでかくれんぼの隠れたものは必ず見つかる事と同じ。

「その前にこの状況をどうにかしないとな、相棒」

「俺にいい案があるのだが、乗るか?」

「あぁ、暴れてやろうぜ」

 少年は少女も呼び、作戦内容を話す。

内容はいたって簡単な作戦。

「要するに、どっちかが囮になれって事か、相棒」

 陽動作戦だ。

「「……」」

 少年達は黙った。

 この場合の囮役は死ぬ確率がゼロに等しい事なのだから。

「なぁ、お前に一つ貸しがあるのだが……」

「あぁ、あったな、そんなの」

「ここで返すな、俺が囮になる」

「お、おい、待てよ、相棒」

 自ら囮役となると言った少年を相棒は信じられなかった。

「いいんだ、俺は貸しをちゃんと返すしゅぎ……」

「待てって言っているんだよ、相棒!」

「何がだよ、今は殺るか殺されるかなんだよ!」

「だからって……」

「なら……」

 少年は持っているドラグノフの銃口を相棒に向けた。

「命令だ、脅迫だ、今すぐカラシニコフを置いて裏から逃げろ」

 本気だった。

「お前もだよ、女、コイツについていけ」

「……(コクッ)」

 少女は小さくうなずいた。

「生きろよ、相棒」

 少女の手を取り相棒は裏戸から逃げていった。

 そして、少年は一人となった。

「さぁ、どうするかな」

 ――死ぬしかないだろ?

「いや、生き抜くだろ?」

――無理だろ、逃げろよ。

「あぁ、死ぬ前ってこんなに面倒なのか」

 ――どうする、どうする、敵はもう目の前にいるぞ。

「うざってぇ!」

 相棒が置いていったカラシニコフを手に取り窓から撃つ。

「俺だって、死にたくはないんだよ!」

 持っていたグレネード、四つを敵部隊に投げつける。

 すぐに家を出て、銃撃ポイントを変える。

 残りの残弾数、両方の銃合わせて二十三発

 残りの敵の数、確認できる範囲で六人+戦車。

「いやになるな、まったく」

 そう言うと少年は隠れていた民家から飛び出していった。

   

「おい、大丈夫か?」

 相棒は少女をやっと国境線を越える為に通らなければならない、検問所についた。

「……だ、大丈夫」

 少女は笑った。相手に苦労させているのがわかっていたから。

「そ、そうか」

 少年が残ったゴーストタウンが見えた。銃撃音は今の所聞えない。

「……相棒」

 不意に一つの発砲音が聞こえた。

「あ、い……」

 続けてもう一発、発砲音が聞こえ、あたりは嘘のように静まり返った。

 少年の相棒は泣き始めた。涙が洪水の様に流れて来る。

「……」

 少女もその行動から状況を察した。

 少年は死んだ。

最初の一発は敵に抵抗して撃ったか、もしくは自分は死ぬと言う合図だったのか。

「相棒ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 虚しさに駆られた。

 もう相棒と呼んでいた奴はいない、ましてや復活するはずもない。

「……ないても、いいよ」

 少女は全身で少年の相棒を抱いた。

 力強く、ただ、抱いた。

 その中で少年は泣いた。泣き叫んだ。

 この広い荒野と国境線がある向こうで。



いいかがだったでしょうか?おもしろかった、おもしろくない、作者文章力無さ過ぎなど

御不満な点が多く存在したかもしれません。(;一_一)

少しずつ直していきますので、ご指導のほど宜しくお願いいたします

酷評だろうと、受けて自身の力と変えてきますので感想等をよろしくです。

長文失礼しましたm(__)m

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