<とりっく小説> しぼう
「しぼう」は「脂肪」という漢字でお読みください。
部下の口から出たその数字に、彼は愕然とした。
「なんなんだ、そのしぼう数は……」
いくら何でもひどすぎる。
確かに我が国は国民の数も多い。
それに、この世で最も豊かであると自負している。
何より、我が国が抱える軍は世界最強を誇る。
ここ数年で攻め込んだ国は数知れない。
しかし、このしぼう数は有り得ない。
これは大国の威信に関わる問題だ。
どうにかせねばなるまい。
いくら国民が増えてもこのしぼう数では、示しがつかないではないか。
しかしながら、国民のしぼうを増やさないための法を整備するとなると、これは難しい問題だ。
さて、どうしたものか。
彼はしばらく頭を抱え、ひとつの結論を導いた。
「いっそのこと、しぼうの元凶を無くしてしまえばいいではないか」
ここまでお読みくださって誠にありがとうございます!
脂肪だと、某国の大統領がケチャップとマヨネーズと砂糖に規制をかけます。
死亡にかえると、ローマ帝国の暴君ネロが虐殺に走ります。
そんな雰囲気に書いてみた(つもり)です。