あぅ!
凪の笑顔を見て
心の中で、私じゃ無い私が笑う
そして悲しむ
(・・・なぜ・・・?)
凪が好き
(そんなのありえない)
あなたが好き
(・・・だれ?)
愛しているの
(ちがう)
どうして?
(私じゃない?)
どうして、あなたが、こんなことを・・・・
(誰?誰なの?私はだれ?)
君を愛してるから
ドクン
今度は男の声だった
(知らない・・・こんなの私は知らない!!)
その瞬間、私じゃない私がこっちを見て
「ごめんなさい」
その瞳には、私が映ってた
はっ!!
「いやぁっ!!」
「ゆな!?」
「はっ・・・あ・・あ?」
「ゆな!?ゆな!!」
「わた・・・し?」
目の前がくらくらする
「え・・・・ゆ・・な?・・・・その目・・・」
え・・・なに?
「・・・凪・・・なんで・・・?・・・・あんなこと・・・・」
!?だれ?私の声!?
「ゆなっ!?ユナなのか!?」
ちがう!私じゃない!!
「ちがう・・!私はちがう!!わたし・・・は!?・・っあぁ!!」
「ユナッ!!」
ドクンッ
「・・・っは・・・は、はぁ・・はっ・・・」
ぐるぐるぐるぐる頭の中だけでなく体も、全身がおかしい、
何が起こっているのか全くわからない
頭がついていけない
助けて、助けて、助けて・・・
「・・・・・・そうか・・・!!!」
何?
「う・・・けほっ・・・・」
「あ・・・あぁ・・・やっと・・・!!・・・やっとだ!!!」
「・・・・?な・・・凪・・?」
怖い、と、初めて凪を見て思った
凪はいつもクルクル表情を変えながらも、いつも
明るい、眩しいくらいの笑顔をしていた
なのに・・・
今は・・・・
「あはっ!フフフフッ!」
どこか狂気めいた瞳で、私じゃない、私を見ていた
「ふはっ、ははっ!!とうとう!!とうとうだよ!!会いたかったよぉ!!すごく・・・すごく!!
ゆな、ゆな、ゆな、ユナ!ユナ!ユナ=アルディーン!!!」
「何言って・・?!」
ドクンッ
「ァッ!?」
瞬間、焼けるような痛みが全身を襲った
でも、それもほんの一瞬だった
次の瞬間
「え・・・・?」
ありえないと思いたかった