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花つける堤に座りて  作者: 蒲公英
花つける堤に座りて
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遠慮がいらない―1

 中間考査の結果については、考えたくない。とりあえず、平均キープってところ。運動ができる子ほど成績がいいっていうの、不思議。部活で疲れて帰ったあと、勉強してるのかしら。まさかね。


 家に帰ると和の面倒を見なくてはならないので、私はますます図書室にいる。雨の日には、やっぱりみゅうが一緒に図書室にいる。

「家に帰っても狭い部屋に妹が座ってるし、ケンカすると私ばっかり怒られるから」

 姉妹でのケンカ、私と和では絶対にないな。部活がない日は、図書室で宿題まで終わらせちゃう。司書の先生ともずいぶん仲良くなれて、中学校の時に読んでいた本を紹介してもらう。

 出窓の隣の席は、すっかり私の指定席になった。家以外に居場所があるのって、いいな。


 秋の身体計測で、入学した時よりも身長が3㎝伸びていた。制服はまだ大きいけれど、膝下だったスカートが膝丈になった。教室で話す相手は増え、休みの日に約束するのはみゅうと聡美だけではなく、他のメンバーと行動する機会も多くなる。

 文化祭の絵がきっかけになって美術部の中で空想画が流行し、部活の日に海外のファンタジーを紹介してくれと言われることも増えた。

 入学した頃よそよそしかった学校は、いつの間にか新しい思い出を作る場所になっている。

 時間だけじゃない、何か。


 和の泣き声はますます大きくなり、最近はさすがの前島サンも夜中に目が醒めるらしい。ときどき笑ったような顔をすることが増えてきて、そんなときはやっぱり可愛い。抱っこをして重さを感じるようになった。

 赤ちゃんて、日に日に大きくなってゆく感じ。前島サンが上達したのか和が慣れたのか、多分両方なんだと思うけど、前島サンの抱っこで和の機嫌が直ることも多くなった。

 そろそろ、ベビーカーで散歩をさせてもいいらしい。前島サンが張りきっている。



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