マッサンGT-R R369とツバキ・サオトメ
無事納品し、後日報酬をもらったツバキ。
セツナ・テレシアに魔動車が揃った事を連絡した。
セツナ・テレシアからは、
"了解した。レースにエントリーするから、サーキットを走り込んでおいてくれ"
と返事が来た。
"分かった、今日から練習を開始する。"
と返事を返すと早速サーキットに行くツバキ。
(ツバキ・サオトメ)
名だたる名コースばっかりだな。
という事で、まずはレース指定されていないコースを走る事にした。
エントリーして出場確定した者だけ、レースコースが走れる規定だったからだ。
(ツバキ・サオトメ)
えーっと、走行可能サーキットはと……"シルバーストーン"か。
という事で、まずは"シルバーストーン"に行った。
今回は、"モナコ""ニュルブルクリンク""モンツァ"がレース指定になっていた。
(ツバキ・サオトメ)
これでいこう、マッサンGT-R R369。
という事で、4WDのマッサンGT-R R369で走行を開始した。
(ツバキ・サオトメ)
わぉ!また迫力があるなぁ……
最初は流石におっかなびっくりだったが、段々ペースが上がり、3回目のコースインでは周りに引けを取らないペースで走った。
魔石もタイヤもサーキットで売っている親切設計。
これだとマシンを持ち込めば、まず走れる。
技師も連れてくれば、ある程度の範囲なら修理も可能。
ちゃんとピットがあるからだ。
メンテナンスは工房も引き受けるから、持って来いと言われたしな。
(ツバキ・サオトメ)
流石GT-R、立ち上がりが楽!
毎日違うサーキットを走り込んで慣れていくツバキ。
そして連絡が来た。
"レースに出場が決まった、新生サタルニア魔女王国に来てくれ"
と。
早速、新生サタルニア魔女王国に向かったツバキ。
(ツバキ・サオトメ)
おひ……久しぶり、皆んな。
(セツナ・テレシア)
おお、来た来た。
今回は"鈴鹿"だ。
(ツバキ・サオトメ)
"鈴鹿"!
最初のレースが"鈴鹿"って、なんか良い!
(ナギサ・エトワール)
今回はボクとツバキだから。
(ツバキ・サオトメ)
分かった、お手柔らかに。
という事で、"鈴鹿"を走る。
(ナギサ・エトワール)
なんか反則気味に思うのはボクだけ?
(セツナ・テレシア)
GT-Rだもんな(笑)
(セツナ)
本気で勝ちに行くパターンだな。
ガンボリマーコンでの対決が楽しみだ。
新生サタルニア魔女王国のコースの方が少しスリッピーだ。
しかし、そこはGT-R!
そんなの関係ねぇ〜と言わんばかりに快走する。
そしてレース決勝。
予選5位のナギサ・エトワールのミク プッシー レーシングワークス69。
ツバキは予選7位、ナギサ・エトワールの真後ろだ。
スタートランプが1つ、2つと点灯していき、4つ目が点灯してブラックアウト、一斉にスタートをする。
ナギサ・エトワールは8位に落ちた、いつもながらのFFの弱点だ。
いつも7位なんだが、真後ろがツバキのGT-R、簡単に抜かれる。
1コーナーで外からスルスルスルっと3位に上がるんだが……
同じ外側から突っ込んだツバキのGT-Rが出口の加速で威力を発揮、いきなりトップに踊り出る。
今までGT-Rは何度か出場していたが、その車体の重さと慣れない4WDに手こずり、なかなか成績が出てなかった。
理由は簡単、コーナーでアクセルが踏めなかったのだ。
重さでブレーキングが手前になり、普通に立ち上がるまでアクセルを踏む度胸がなかなか無かったのだ。
しかし、そこは車好きのツバキ。
GT-Rの特性を理解し、他車と同じ位置でブレーキング、外に膨らみ出すタイミングでアクセルオン!
アテーサ4WDを最大限活用したのだ。
そうなるとGT-Rは真価を発揮する。
コーナーの度に後ろを引き離していく。
(ナギサ・エトワール)
やっぱり反則だ、コーナーリングが速すぎる。
アテーサ4WDを完全に使いこなしている。
ストレートは速い、コーナーは異次元に速い、どうやったら追いつけるんだ?
早くも独走態勢のツバキのマッサンGT-R R369。
2周目の1コーナーに突っ込む頃、2位に上がったナギサ・エトワールのミク プッシー レーシングワークス69が最終コーナーを立ち上がってきた。
あまりの速さにどん引きしている観客。
お祭り騒ぎのマッサン工房の人達。
今まで悔しい思いをしてきたが、諦めずに進化させてきた。
ようやく真価を発揮してくれるドライバーが現れたと狂喜乱舞している。
(ナギサ・エトワール)
は、速い!なんだあれ!反則だ……
アテーサ4WDを甘く見ていた……
そして悪夢は終わらない。
レースも残り10周、そこでナギサ・エトワールはゾッとする。
ミラーにツバキのGT-Rが映ったのだ。
(ナギサ・エトワール)
嘘だろ、ボクが抜かれたら、全車周回遅れ!
ミラーの中でどんどん大きくなるツバキのマッサンGT-R R369。
ミクの軽さをもってしても太刀打ちできない。
残り9周、1コーナーのブレーキングで並ばれ、出口で置いていかれた。
(ナギサ・エトワール)
化け物だ、使いこなせばあんなに速いのか……
そのまま独走したツバキのマッサンGT-R R369が優勝。
2位以下を周回遅れにする完全勝利だった。
しかもコースレコードでだ。
泣いて喜ぶマッサン工房の人達。
長年の苦労が報われた瞬間だった。
となると一気に話題になり、マッサン工房に問い合わせが殺到した。
流石にこれには血の気が引いたセツナ・テレシア達。
(セツナ・テレシア)
おいおい、あれは勝てないぞ。
(セツナ)
加速が速い、だからコーナーも速い。
いや、4WDだけにコーナーで前が引っ張るんだ。
加速は僕ら並み、コーナーリングはナギサ並み、しかもコーナーリング中から加速している。
これには勝てる気がしない……
(セツナ・テレシア)
"モナコ"なら太刀打ちできるか?
(セツナ)
分からない。
重さがハンデになってくれたら、あれだけのテクニカルコースならなんとかなる?のか?
(セツナ・テレシア)
"モナコマイスター"が全滅って事はないよな?
(セツナ)
怖い事、言わないでよ。
(セツナ・テレシア)
しかし、"モナコ"が楽しみだな。
4人揃って出場なら、なお面白い。
それはイベント会社イベントなぎさで既に話題になってるぞ。
異世界人4人が全員、別々の駆動方式のマシンを選んでいる。
しかも抜けない"モナコ"。
どんなレースをするか楽しみで仕方ないと。
で、まず犠牲になったのがナギサ・エトワール。
"モナコ"でツバキと当たった。
予選は定番の5位のナギサ・エトワール。
しかし、ここでほぼ勝負がついていた。
ポールポジションがなんとツバキのマッサンGT-R R369。
2位とは僅差だったが、ポールポジションを取ってしまったのだ。
(ナギサ・エトワール)
えぇぇぇっ!!!ポールポジション!それはない(涙目)
(セツナ・テレシア)
マジか……まさかポールポジションが取れるとは……
(セツナ)
でも、僅差だけに可能性は残ってると思う……ような。
(セツナ・テレシア)
自爆しなきゃ、ナギサに勝ち目は無いな。
(セツナ)
いい線までは行くと思うけどなぁ……
前に車が居ないのがねぇ〜。
前が空くと邪魔する車が居ないから、自分のペースで走れちゃうもんね。
という話をしているとスタート時間がやってくる。
(子供 狐獣人 男)
ねぇ〜、またナギサ様は負けちゃうの?
(ミケレ)
あらあら、最後まで分からないですよ?
(子供 猫獣人 女)
だって、あのGT-Rって異常に速いんだもん。
(子供 熊獣人 男)
あれ、誰が運転してんだ?負ければいいのに。
(ミケレ)
そんな事、言わないの。
今度紹介するわね。
セツナ・テレシア様達と同じ、異世界から来た方よ。
今はハイリヒ王国に居てもらっているの。
(子供 狐獣人 女)
そうなの?
なら応援しないと!
(ミケレ)
ツバキ・サオトメっていう方よ。
皆んな仲良くしましょうね。
(子供一同)
はーい!
子供を敵に回すと怖いからな。
ハイリヒ王国で活動しているだけに、子供達はまだ会った事が無かったのだ。
そんなこんなでスタート時間がやってきた。
スタートランプがブラックアウトする。
いきなり飛び出したツバキのマッサンGT-R R369。
いつも通りのスタートを切り、上り坂手前のコーナーで2位を狙うナギサ・エトワール。
しかし、ここでハプニングが起こった。
ツバキとブレーキング競争をしたガンボリマーコン ウラカンGT-Rが止まりきれずにコーナーを真っ直ぐ突き抜け、エスケープゾーンでクラッシュした。
これで2位に上がったナギサ・エトワール。
エスケープゾーンだった為、ペース魔動車は出なかった。
まぁ、"イエローフラッグ"は出たが。
ナギサ・エトワールは2位に上がったんだが……
(ナギサ・エトワール)
やっぱり速い。
でもコース後半のテクニカルセクションで追いつけないかな。
(ツバキ・サオトメ)
うーん、重い。
コーナーが厳しいなぁ……
流石にここまでコーナーがキツいとアテーサ4WDも威力が発揮しにくい。
苦戦するツバキ。
追いかけるナギサ・エトワール。
特にツバキが苦しいのが、トンネル先のシケイン。
ここはモロに重さが出る。
一気に追いついてくるナギサ・エトワール。
しかし、立ち上がりで負ける。
(セツナ・テレシア)
凄い事になってるな。
(セツナ)
重さ、ですかね?
(セツナ・テレシア)
しかし、加速でナギサは負けてるからな。
(セツナ)
ライン取りも絶妙ですね。
あそこを走られると並べない。
レース終盤、上り坂手前のコーナーで襲いかかったナギサ・エトワール。
(ナギサ・エトワール)
イン取った!
(ツバキ・サオトメ)
ヤバい!
ナギサ・エトワールのミク プッシー レーシングワークス69が少し押し出し気味にコーナーを曲がった。
ツバキのマッサンGT-R R369はタイヤ1本分、コースから出たんだが……
(ナギサ・エトワール)
嘘でしょ!加速した!!
ボクは滑って加速出来なかったラインなのに……
並んで上り坂を駆け上がるナギサ・エトワールのミク プッシー レーシングワークス69とツバキのマッサンGT-R R369。
これはどっちか引かないと共倒れするぞ。
ローズ・ヘアピンまでもつれ込んだトップ争いは、ポルティエで勝負がついた。
イン側のナギサ・エトワールは、アウト側にツバキが居る為、アクセルが踏めなかった。
アウト側のツバキはアクセルを踏み、トンネルに突っ込む。
ここで加速に差が付き、ナギサ・エトワールは前に出れなかった。
シケインでも差が付き、勝負ありと思われたが……
(ツバキ・サオトメ)
嘘でしょ!ペース魔動車!
ミラボーでクラッシュがあり、2台の魔動車がコースを塞いだ。
"レッドフラッグ"が振られた。
隊列を余儀なくされたが、そのままピットに誘導される。
(ナギサ・エトワール)
このままレース終了かな?
そんな空気が支配したが、撤去後、残り5周で再開と告げられた。
(ツバキ・サオトメ)
レース再開か、良かった……のか?
後ろ、ナギサ・エトワールだよな……
再度スターティンググリッドに並ぶ魔動車達。
(セツナ・テレシア)
勝負だな。
(セツナ)
ですね。
スタートランプがブラックアウトし、レースが再開する。
やはりスタートに強いツバキのマッサンGT-R R369。
出遅れるナギサ・エトワールのミク プッシー レーシングワークス69。
なんとか2位は死守したが、完全に置いて行かれた。
(ツバキ・サオトメ)
集中、集中!
残り5周だ、ここでミスはできない。
そして走り切った。
(ツバキ・サオトメ)
やったぁ〜!!
ツバキは"モナコマイスター"の仲間入りをした。
(セツナ・テレシア)
これは"モナコ"では良い勝負ができるな。
(セツナ)
ですね。
でも、異世界人、4人とも"モナコマイスター"ですよ。
(セツナ・テレシア)
これは負けられないな。
(セツナ)
で、他のレースはどうします?魔動車。
(セツナ・テレシア)
それなぁ……GT-R、投入するか?
あれだけ暴れられたら、手がつけられないぞ?
(セツナ)
ですよねぇ〜。
でも、今までの事もあるだけに、そう簡単に"はい、そうですか"とはいきたくないな。
(セツナ・テレシア)
ダメ元で挑んでみるか?
(セツナ)
一回ぐらい、やってからですよね。
早く当たらないかな、ツバキと。
そんな話をしてる一方で……
(ツバキ・サオトメ)
えっ?
(マッサン工房主:男)
ツバキ様に是非、専属契約を結んで欲しいのですが。
(ツバキ・サオトメ)
いや、必ず出れるとは限らないし……
(マッサン工房主)
それでも構いません。
"鈴鹿"での悲願の初優勝。
そして"モナコ"での初優勝。
我々の開発は間違いでは無かったと実感しています。
そして、GT-Rの特性を理解し最大限活用してもらえるドライバーに巡り会えたんです。
是非、ウチの専属になってください!
(ツバキ・サオトメ)
あの、その……
(マッサン工房主)
ツバキ様が異世界から来られた事は存じております。
そちらの仕事を優先しなければいけない事も。
それは充分考慮いたします。
だから、よろしくお願いします。
ラリーではセツナ・ミケレ組というのがエントリーされています。
そのセツナ様も異世界から来られた方です。
セツナ様もお仕事優先を条件に、ラチア工房と専属契約を結んでおられます。
なので、問題は無いかと。
(ツバキ・サオトメ)
は、はぁ……
という事で、ツバキはマッサン工房と専属契約を結ぶ事になった。
その事をセツナ・テレシア達に伝えると……
"えっ?マジ?いやそれはマズい事になった。
こっちのレース魔動車も考えないとヤバい。"
と返事が来た。
そして"子供達に紹介するので、新生サタルニア魔女王国に来て欲しい"
と追記されていた。




