いきなり
それからまたパンを食べながら、くだらない話で和気あいあい過ごした。
まっつんがとても話しやすい人だとわかって、これからバイトも楽しくなりそうだ。
まさかのあのツン対応が人見知りだったとは…
思わず、まっつんを凝視している自分…
それからしばらくしてまっつんは、オレと無事友達になれたから、帰るね〜と帰ってしまった。
…
あれ?
オレは今日…なにをしに友梨奈の家におじゃましたんだっけ?
親睦会か?
まぁ、まっつんと仲良くなれたしいっか!
てことで、帰ろうと思います。
「じゃあ、オレもそろそろ帰るかな」
「あ、待って。クッキーたくさん焼いたから…持っていって欲しい」
と、渡されたクッキーの中に特大ハートクッキーが入っていた。
「え、これまっつんにあげるやつだよね?まだ、走ればまっつんに渡せるかも!オレ届けてくるよ」
「ううん、これは水弥斗のために焼いたの…その…ハートは」
「え、オレに?」
「うん…それで、ずっと言いたかったことがあってね、わたし…水弥斗に彼氏ができたって思われてることが不安だったっていうか、その…好き」
⁉︎
えっ⁉︎
いきなりの告白に驚いた。
「あの、オレ…」
「わかってる‼︎でも、まっつんとは友達なの‼︎水弥斗がまさか、まっつんを好きになるなんて…想定外だったけど、でもおもいは伝えたくて…」
?
オレがまっつんを好き⁇って言わなかったか?
「ん?オレがまっつんを?」
「そうなんでしょ?ずっと、まっつんみてたし…そりゃ、まっつんは男の子だけど女子力がわたしより上だし、わたしなんか負けてるけど…でもね、伝えなきゃ伝わらないって思った…だけなの。クッキー…捨ててもいいから。ただの自己満だから…。今日は、来てくれてありがとうね」
「捨てないよ。捨てるわけないじゃん。それにオレも友梨奈がまっつんの彼氏だって思ったときは、正直ショックだったんだ。でも、彼氏じゃないってわかって、安心したんだ。まっつんをみてたのは、おしゃれだなぁって感心してただけだし。友梨奈、オレも友梨奈が好きだ。だから、オレと付き合ってください!」
「え、嬉しい…うん、わたしも好き。」
「よかったー…。あ、オレと付き合ってもまっつんとの関係は、そのままでいいからね。まっつんなら、信用できるし」
「ありがとう。そういうところも好き」
好きって…
いきなり、帰ろうとしたタイミングでの両思いって、びっくりだよ!
もうさ、びっくりしたから帰るのをやめることにした。
「もう少し、友梨奈といてもいい?」
「うん!わたしもそうして欲しい‼︎」
あんまり嬉しそうに友梨奈が笑うから、思わず
「可愛すぎるんだけど」
って言って抱きしめちゃったよね。
まさか、友梨奈の家の台所で友梨奈と両思いになって、ここで抱きしめる日がくるなんて、誰がいつ想像したよ⁉︎
で、このまま台所でキスをするって誰が想像するんだよ?
オレだよ‼︎
てことで、ここでこのままキスをいたしました♡
結局、松木くんっていうのは二人いて、いとこの松木くんとまっつんは、他人だということが判明した。
ただのそっくりさんらしい。
でも、あれから数ヶ月後まっつんはだいぶ髪型や色をかえて、あまり似てると騒がれることもなくなったらしい。
今でも、友梨奈はまっつんと仲良しだ。
でも、オレもだいぶバイトで仲良くなって、今じゃ大の仲良しだ。
オレと友梨奈は、いつでも出来たてクッキーみたいに、熱々で安定の甘々です♡
おしまい♡




