似てる
友梨奈の彼氏…
まさかね。
きっと人違いに決まってる。
だって、一駅離れたところでバイトしてるんだもんな。
普通、学校の周辺とか地元とかで働くよね。
まぁ、オレは小っ恥ずかしいし、知人に会いたくないから一駅離れたコンビニで働いてるけどさ。
てかさ‼︎
オレは、わかってしまった。
たぶん…
友梨奈の彼氏と松木くんの繋がりを。
あー、なるほどだ。
スッキリとして、友梨奈と彼氏を見送った。
世の中は、広いようで狭いのだ。
人と人は、どこかしらで繋がっている。
だって、そもそも共通点が人は多すぎる。
だいたい皆、携帯を所持してたりお財布持って出かけるし、そもそも服も着るし…
ってさ、そういうことじゃないんだ。
一番大事なのは、そうだな…
わからんが…
なんだっけ?
あ、そうそう人類なんよねー。
深い。
井戸くらい、深いなー。
のぞいても見えないもんねー。
…
なんの話でしょうね…
脳みそ脱線中。
とにかく、友梨奈の彼氏はなんだかんだで、繋がっていることが判明したのだ。
今度、友梨奈に彼氏の苗字を聞いてみよっと。
なんだか、とってもスッキリな日だなあ。
空もこんなに青くてさ、暑くもなくどことなく冷たい風がここちよくてさ。
春から冬になったときは、どうしようかと思ったけど、今は秋です。
紅葉の秋なんです。
よかったです。
寄り道して、本屋に行きました。
あー、読書の秋なんですね。
オレは無意識に本屋に向かっておりましたとも。
秋って素晴らしい‼︎
グッジョブ‼︎
本を手に取り、いざお会計…って思いましたが、オレはハッとした。
お金…ないやんってね。
そっと本を棚に戻しましたとも。
さて、本の表紙も堪能できたので帰ります‼︎
ん?
なんか…視線を感じる…ような?
気のせいかな?
お店を出ると、
「買わないんだ?」
って、いきなり誰かに声をかけられた。
⁉︎
振り向くと、そこには友梨奈がいた。
「えっ⁉︎なにしてんの?」
「本見てたんだよ?水弥斗こそ、なんで本買うのやめたの?」
「あー、金欠」
「へー、ならバイトしたらいいじゃない」
「うん、してる」
「え、どこで?わたし邪魔しに行きたい‼︎」
「は?やだよ…」
「で、どこ?どこどこどこ?」
…
教えたら、ほんとに邪魔しにきそうだな…
「教えないー」
「えー、なら邪魔しないから教えてよ」
「コンビニ」
「えっ?」
友梨奈は、立ち止まった。
「ん?どうした?」
「あ、ううん…。そっか」
なんか、ダメだった?
友梨奈は、食いしん坊だから多分…食べ物系だと思い込んでいたのだろう。
「あ、そういえばさっき一緒にいた人ってさ、苗字松木って言わない?」
「えっ⁉︎な、なんで…それを…」
「やっぱりか。ビンゴだ」
「それって、どういった経由でそれを知ったの?」
「バイト」
「あー…そうか。」
ブーブーブーツ
オレのバッグが震えた。
「あ、電話かも。」
「そうなんだ、じゃまたね」
と、友梨奈は行ってしまった。
…
もっと聞きたいことがあったのに。
まぁ、仕方ない。
電話、電話…
…
ばあちゃん⁈
ばあちゃんからの電話なんて珍しい。
てか、登録したときに試しがけしたとき以来じゃないか。
「もしもし、ばあちゃん!どうしたの⁉︎」
「おや、だれだい?」
…
な、なんだって⁉︎
自分から電話しておいて、だれって…
「オレだよ、水弥斗。水弥斗だよ?」
「なに⁈水弥斗〜…?どうしたぁ?」
…
いや、そっちがどうしたんだよ…
「急にばあちゃんから電話なんて珍しいね。どうかしたの?」
「あー…そうかぁ。珍しいこともあるもんだわぁ。また遊びおいでね〜ぇ。ボタン押すと水弥斗と話せんだわぁ。またかけておいでぇ〜」
「あ、うん。わかった。」
「そんじゃあね、風邪ひくなよ〜」
「ありがとう。ばあちゃんもね」
「はいよ〜」
どうやら、どこかを押して偶然オレに繋がったっぽいな。
近々、遊びに行こっと。
隣町だから、すぐに行こうと思えばいける。
まぁ、バイト先と真逆の隣町だけどね…
なので、次の週に遊びに行くことにした。
ばあちゃんは、オレの母さんの姉さん夫婦と一緒に住んでいる。
そして、その家にはオレと同い年のいとこがいる。
女の子なんだけど、とっても話しやすい、いとこなのだ。
事前に連絡しておいたので、いとこもいるとのことだった。
ばあちゃんは、とても元気そうで安心した。
しばらく、みんなでワイワイした。
楽しい時間を過ごして、そろそろお暇しようかなぁって言うと、いとこも出かける用事があるから、一緒に行くとついてきた。
で…
「わたしの彼氏ー」
って、写真みせてくれた人が…松木くんそっくりだった。
バイト先の松木くんじゃなく、友梨奈の彼氏にそっくりだった。
「あれ、この人オレのちょっとした知り合いに似てるな」
「へー、まさか…その人名前って…」
「松木くん」
…
「あー、そうなんだ。てか、彼氏もう来てたー。まっつー‼︎」
「おう、 実那〜‼︎」
実那に手をふった彼氏がすかさずオレをみた。
続く。




