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31.倦怠

「あんたばか?」


2学期早々エリカにかみつかれた。

始業式も始まらないうちから説教とは。


「何のことだ?」

「花火の後、マリちゃんを放置してるでしょうが!」

「放置?手紙は送ってるぞ。てか、何でお前が俺のあれこれに口出すんだよ」

「あたしたちも文通友達なんですよ」

「は?」

「花火の時に、住所交換してそれから色々とやりとりしてんのよ」

「Gさんの奥手さというか、律儀というか。本当に好きなんですか?」

「マキまで!彼女なんて言ってるんだ」

「「女同士の秘密でーす」」

「ふざけんな!いや、言い過ぎた。どうすれば良いか教えてくれ。彼女怒ってんのか?」

「おーおー、仲いいなお前ら。予鈴なったら体育館集合だとよ。先行っとくわ」

「ケン!助けてくれよ」

「多分お前が悪い」

「カズ!」

「ごめんね、恋愛に関しては女子の言うこと聞いた方が良いと思うよ。お先に~」

「あたしたちも行こっか?」

「そうですね」

「いや?教えてくれよ」

「放課後ね」


「なんで、お前たちにまでおごることになってんだ?」

「「俺ら友達だろう」」

ウェイトレスを前にケーキだなんだと悩んでいる二人を見ながら、さっさとアイスコーヒーを3つ頼んだ。


「で、どうすりゃいいんだよ」

「あんたさあ、現状をどう思ってんの?」

「まあ、別荘行けたり、花火見たり出来て…手紙だけって言われてたのにラッキーだった」

「うわぁ」

「思った通りですけと、思っていた以上にダメですね」

「マキが辛辣だな」

「珍しいね」

「あのね、スタートは最悪だったけど、今あんた親公認なんだよ?」

「は?親公認?」

「特に、母親と姉が応援してるっていう、考えられないくらい恵まれてんの」

「どちらかというと、本人よりも盛り上がっているきらいはありますますけど」

「面白がってたよね」

「はい」

「あとな」

「ケンまで」

「お前が演奏してた時、横で少し解説したりしてたんだよ」

「なんでお前が普通に彼女に話しかけてんだよ!」

「めんどくせーな、聞け!解説つーか、弾き語りの時の演奏の仕方とか、選曲の考え方とか話してたんだよ。でな、彼女が『手紙だと、そんな気遣いが出来る人だとは全然思えなかった』って、言ってたんだよ。…お前の手紙、多分彼女飽きてるぞ。ワンパターン化してないか ?」

「それは!?あるかもしれない。どうしよう」

「あ~あ、グッサリいったね」

「反省した方が良いですからね」


「なあ、どうしたらいい?」

「ふふーーーん」

「ね~」

「なんだよ?」

「馬鹿なあんたはあたしたちを天使と仰いで一生感謝した方が良いわよ」

「あたしたちはすでに文通してる友達なんですよ」

「だから、あたしたちと一緒に彼女の家に遊びに行けば良いのよ」

「「「おお~」」」

「ただし!彼女は体弱いらしいから、お母さんに許可もらった時だけになるけどね」

「エリカ!マキ!ありがとう!!」

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