2.情報
「カブに乗った女子高生を見た!」
店に飛び込むなり言い出す俺をジト目で見るケンとカズ。
「あんなダサいバイクに乗る女子高生いないでしょ」
「嘘もそこまであからさまだと呆れる」
「本当なんだって!」
「まあ、いいからいいから」
「座れ、座れ」
「アイスコーヒーひとつ追加でお願いします。」
勝手に俺の注文を決めて、カズの横の椅子を指差す。
「で、呼び出してなんの用?」
とびきりのネタを嘘扱いされた俺は、不機嫌さを隠すことなく尋ねる。
「例の娘の家がわかった」
ケンが小声で言ってきた。
「新聞配達中にたまたまな」
「カズのお手柄よ!」
「本当に?」
ニンマリ頷く2人。
「カズ!えらい!」
立ち上がった俺をケンが両手をヒラヒラさせながら、落ち着けと宥めてくる。
「それだけじゃない。まぁ、座れ」
「え、なに?」
「アイスコーヒー、お持ちしました。ミルクとシロップはご入用でしょうか」
「あ、はい。」
「どうぞごゆっくり」
やたら俺の顔を見ながらウェイトレスがカウンターに戻っていく。
「声が大きいんだよ。多分あのウェイトレス、こっちの話に興味津々だわ」
「いいから。他に何かわかったのか?」
「名前はマリちゃん。〇〇女子校に車で通うお嬢様だ」
「超お金持ちのご令嬢」
「終わったなぁ、始まる前に」
「勝手に終わらせるな。」
「え?いく気?」
「本気?バカじゃないの」
「とりあえず、考えてみる!」
一気にアイスコーヒーを飲み干し、腕を組んでみた。
2人は呆れてものも言えないようだが、今の俺は止まれない。




