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最後の日

………水の音がする。これは夢なのか、

まるで溺れているような…苦しい。

息がもたない…死ぬ、、、

「うっ!」朝から声を上げてしまった、こんな夢を見たのは初めてだった。

ふと、時計を見た時、時刻は7時30分

やべぇ早く行かないと遅刻しちまう。

「母さん行ってくるわ!」「遅刻しないよーにね行ってらっしゃい」

ガレージからチャリを出し全力ペダルを全力で蹴る


「あと2分だぞ、間に合うかどうかはお前次第だぞ」

門に立っていた先生が言ってきた。

チャリ駐輪場にチャリを置き下駄箱をかっ飛ばす


「おい、けん笑また遅刻ギリギリかよ」

「今日はさすがに危なかったわ笑」

こいつは津田結人つだゆいと

俺の隣の席でいつも仲良くしてくれる。

「まぁいいわ、授業中寝んなよ笑」

「分かってるって」

いつも通り授業を終え、昼食に入る。


「おーい健人!今日は屋上で食おうぜ」

「うぃーす」

「てか、結人バイトの調子はどうよ?」

「うーん、ぼちぼちかな」


「へぇ〜そうか。」

「お前バイトはしないの?」

「俺はそんなめんどい事しないかな」


「将来が心配だぜ笑」

「はっ!このやろ!」

いつも通りの学校生活を終え。

下校時間になる。


「健人待ってくれよ!」

え、いつもバスなのに

チャリって珍しいな。

「えっ、今日チャリなんだ」

「おん、風を感じたくてさ」

いや、意味がわからんな

季節は冬近いのに。


「海の方から帰ろうぜ?笑」

「なんでだよ」

「どうせ暇人だろ?遠回りしようぜ」

こいつは気分屋すぎるな、困ったやつだ。


潮の匂いがする、久しぶりに海を感じた。

「お前も結局海に惚れてるやん」

「はぁ、俺らの市は海が取り柄だろ」


「この辺にチャリ止めて海見よーぜ」

「ゲッ、分かったよ。」

早く家に帰りたいが、景色が良いのは否定できない。


見とれてしまうほど綺麗だ、さっき面倒くさがった俺が馬鹿みたいに。



「なぁ健人、俺ら今青春してんな」

「だな、最高に気持ちがいいな」

たくさんの会話を交えながら海の奥に見えるビルや街の光を見る。


ブゥゥゥゥゥー!!

びっくりするほどのクラクションの音が後ろから聞こえる。


まるで迫ってくるような、気がする。

突風が後ろから来る、音と共に。


後ろを振り向くには、少し遅かった。

数メートル先に見えたトラックが猛スピードでくる


死を覚悟するしか無かった…

考える余裕すらなかった、


その瞬間後ろにものすごい力で引っ張られた。

綺麗な空が視界に入る…

俺は浮いていると悟った。


突風がし、天と地がひっくり返っていた。


視界には海が広がっていた…

そのまま頭から海に突っ込んだ…


なぜか驚きを感じない、まるで心が死んでいるように…


はっ、そうだ結人…

すぐに浮かび結人を探した、

辺り一面を見ても誰もいない


おいおい、何でいないんだ、

ガードレールの方を見ると炎と煙が見える…


まさか…あの時引っ張ってくれたのは……

俺はそれに気づくと同時に…体力に限界が来てしまった…


結人、何で俺を助けたんだ…死ぬのは絶対俺の方だったのに…


これで俺も…





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