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第6話

夏ですね。

みなさんお身体大丈夫ですか?

一之瀬はもう色々なことが起きてます。

熱中症にはお気をつけて……。

「あ、あなたは!」


 入ってきたその人物を見て私はまた驚いた。

 私を助けてくれた人。その人は私の憧れていた人物……、マスターだった。


「おー、気が付いたか。よく生きてたな」


「マスター!!」


「ん? マスターって俺の事か?」


 自分を指さしてそう答えるマスター。それに対して私はこう答える。


「はい! この国で唯一魔法を使える方なのでマスターです! 私、マスターに憧れてここに入社したんです!」


「そ、そうなの? いや、俺そんな風に呼ばれる人間じゃないんだけど……」


「良いじゃない、その呼ばれ方。私は似合ってると思うわよ?ねぇ、マ・ス・ター?」


 照れているのか自分を指さした人差し指で頬をぽりぽり掻くマスター。

 その様子を茶化すように社長がいたずらっぽく笑う。


「勘弁してくれ……。それよりクロエだっけ? すまなかった。もう少し早く助けに行けたら良かったんだが」


「いえ、そんな……こうして生きているわけですし。助けていただいてありがとうございます。あ、そうだ。聞いても良いですか?」


「ああ、いいぞ」


「機密事項にあたることでなければね」


 マスターと社長の了承も得たところで1番の疑問だったことを尋ねる。


「私、バーミンに刺されて瀕死の重傷だったんですよね?」


「ああ」


「なんで、その時の傷とか無いんですか?」


 あれだけの事になっていたのなら傷が無いのは考えにくい。

 跡すら残らないくらい治せるほど医療技術が高いとも思えない。


「ま、まさかサイボーグとかに……?」


 鉄の女(物理)に改造されちゃった?

 腕に隠し武器とかついてるのかな? 私は心なしかワクワクしながら社長の方を見る。


「あなた、人から意外とぶっ飛んでるって言われない? 残念ながらサイボーグになったわけでも改造人間になったわけでもないわ」


 なんだ…違うのか。私があからさまにがっかりした顔をしたのか社長が呆れながら話を続ける。


「なんでがっかりしてるのよ。……まぁ、人間でなくなった可能性はあるけどね」


「え、どういうことですか?」


 その言葉に私はすぐさま反応する。

 人間の身体のように見えて、人間じゃない異形の存在。

 まだチャンスはあるのかも!?


「なんでわくわくしてるの。普通はショック受けたりするところじゃないの?」


「人ではなくなった、っていうことは普通の人間にはない何かがあるわけでしょう? それってすごくわくわくしません?」


「……あなたがおかしい方向にポジティブな事はよくわかったわ。それと、あくまでかもしれない、という話よ。話が逸れたわね。傷の件に話を戻すわ」


 仕切り直し、とでもいうように苦笑交じりだった社長の顔が真剣味を帯び、私をしっかりと見据える。


「あなたの傷は“消えた”のよ。彼が切断したバーミンの1部と一緒にね……。いえ、消えたというよりその1部があなたと同化して傷を塞いだと言う方が正しいわね。傷が無い理由はそれよ」


 その言葉を聞いて思わずお腹を押さえる。

 今触っているこの部分がもしかしたらバーミンだったものかもしれない。


「そして、アナタが人間でなくなった可能性があるというのは、バーミンの1部が身体に同化した場合、普通の人間には無い能力を得られる可能性があるからよ」


「そ、それって本当ですか?」


「ええ、前例がここにいるわ」


 社長はひとしきり私に説明をしたあと、マスターを指差してそう言った。


「ええ!?」


「まぁ、そういうこった。俺もバーミンに傷付けられて、身体に残った欠片がこの力をくれた」


 呑気に右手を挙げて答えるマスターを見て少し笑った社長は、真顔に戻って話を続ける。


「といっても可能性はほぼゼロに近いんだけどね。というか、バーミンと同化した時点で死ぬケースが殆どだし、生きてるだけでもすごいラッキーよ」


 そっか……。たぶん奇跡っていうのはこういうことなんだろうな。


「というわけで、この子が魔法使いかどうか調べるのも含めてあんたに面倒見てもらうことにしたからよろしく!」

ゆーてこれが更新されている頃、一之瀬はおそらく真面目な話をしているわけで。

作品書く以外にも色々やりすぎてるわけですが、そんな様子はX(旧Twitter)で見られますのでよかったら@CreatorIchinoseのフォローとかお願いします!

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