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この恋は誰も知らない  作者: 花車
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雲の伝言

一章 雲の伝言

蝉が鳴くこの季節は私にとっていい記憶などない。それでもこの季節は生きてく中では必ず通らなければならないものなのだ。ジメジメしていて蒸し暑く、おまけに日差しまでこの季節に味方していた。私は首にへばりつく髪の毛を邪魔そうにはらう。五限目の国語。古文を読む先生の声は呪文の様だ。何を言っているかさっぱりわからない。国語の先生は結構年配のおばさんで、エアコンなんてない時代に生まれてきたため、私の時代にはこんないいものなかったのよ。貴方たちも機械に頼りすぎないように。が先生の口癖だった。うぅ、やっぱりこの季節は嫌いだ。ムシムシとする教室で先生と蝉の合唱をただ茫然と聞いていた。私がちゃんと聞いていないことに気づいたのか先生は私の名前を呼び、古文を読ませる。「汝が思ふに...」読めなと思いながらごにょごにょ読んでいたら先生が呆れ、もういい。と言った。私は明るい声で、はい。と返事をして座った。不意に窓の外を見る。入道雲だ。そう分かると同時にチャイムが鳴る。号令とともに教室を出ていく先生の姿を確認して私は教室を飛び出した。早く帰んなきゃ。そう思いながら走っていると後ろから私に話しかける声がする。「えぇ、るかぁ。今日はバイトないんじゃないの?」そう言っているのは私の幼馴染の紺だった。私は駆けながら紺に伝える。「洗濯物干しっぱなしなの!早く帰んないと雨に降られちゃう!」そう言って振りかえると、納得してるようなしてないような顔でこっちを見つめる紺が立っていた。とりあえず、また。私はそう伝えて家へ帰った。

暗い部屋。電気をつけ洗濯物を入れテレビをつけ、洗濯物を畳んでいると濡れたアスファルトの匂いがした。雨が降り始めたのだ。やっぱり雲の言う通りだった。私は揺れるスマホを手に取った。通知が一件。紺からだ。『なんでさっき雨が降るって言ってたの?マジで雨降ってびしょ濡れなんですけど!笑』私はクスッと笑いながらドンマイと返事をする。紺からの追いメールを無視し、ご飯を作る。冷蔵庫の中にある食材で出来るものを。買い足しに行くのはこの雨の中だと億劫で仕方がない。しょうがないから冷ご飯と卵とチャーハン用に買ったチャーシューでチャーハンを作ろう。そう思ってフライパンを出し作り始める。いただきます。三十分そこらで出来たチャーハンを頬張る。美味しい。チャーシューを使ったのは初めてだったけど私好みの味になってる。私って天才。なんて馬鹿げたことを考えながら、ご飯を食べる。食器を洗い。お風呂を入れ、ストレッチをする。これが私の日課だった。お風呂から上がって髪の毛を乾かす。髪が少し痛み出したかな。そんなこと思いながらヘアオイルを塗る。おやすみ。そう言ってベットに入った。

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