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ジオの夢 第五十九話 再び

オレは、ギル兄とゴドロノフにいる。ギル兄がロンバニアから兵ー千をを呼んだ。それを待っている。

『俺は、一応、ロンバニアの当主だからな。兵がいないと舐められる。まして、宗家に兵を借りたなんて言われてみろ。ガイが殲滅しに飛んで来るぞ。それでは大事になるからな。』と、ギル兄が、分かったような、分からんような理由を言われて待っている。


『レイはどうする?』と兄が訊く。

『私の供は、夏に詳しい、レーベン殿とユリア殿他十名程で考えておりますよ。』

『そうか・・・今回は俺が主役だから、それでいいぞ。目立つなよ。』と、兄はにやりとする。

『はい。勿論です。』と、オレも笑う。


ロンバニアの兵が到着した。ワーレン殿が率いて来た輝く黒に金の縁取りの鎧。戦いの鎧とは違っているが、異様な迫力がある。

『レイ様、ご健勝で何よりですな。』と、馬より降りたワーレン殿が挨拶を下さる。

『ええ、まだまだ皆様との腐れ縁が続けられて、何よりです。』と、笑う。

『レイ様。そのような申されよう、相変わらずの無双振りですな。』と、ワーレン殿が後を見ている。

そして、礼をされ去っていかれる。


オレもワーレン殿が見ているのを見ようと後を見た。

シンシア様が居られる。

シンシア様が笑って言われる。

『レイ様、皆に、私が助けたと感謝されておりますが、その言い様は、私への感謝が非難に変わるのが、目に見えるようでございますが・・・』と、顔を横に向けられる。


オレは急いでシンシア様の傍らに寄り、

『シンシア様、私の言い様、美しくはありませんでした

。気を付けるように致します。』と、抱いて差し上げる。

シンシア様は笑って、抱き返して下さり、

『私も、言い様が母に似てしまいました。旅にお気を付け下さいね。しかし、気の充実が、初にお会いした時に戻られたのを感じられます。誠に良うございました。』と仰られる。

『シンシア様にも、その様に感じて頂けるのであれば、私の思いも勘違いでは無いのですね。』と、微笑まれるシンシア様に言う。


『その御婦人は強者かな。』と声が聞こえる。

『これはシュバルツバルト殿、お珍しい。左様でございますよ。』とオレは答える。


『ほう、一手お願い出来ぬか』と、シュバルツバルト殿が言われる。

・・・ほう、殺気か・・・

『今は止めておきましょう。やれば、生き死になりますよ。もし、どうしてもとお望みであれば、お戻り後にお相手致しますが・・・』と、シンシア様が言われる。

・・・久々の本気の殺気だ、懐かしくもあり、恐ろしくもあるな・・・


『お逃げになられるか?』と、シュバルツバルト殿が言われる。

うん?おかしな事を言われる。どうされたのかな?

・・・うん?オレの感情も飛ぶか・・・


オレの気が上がり始める。分かる者はオレを見る。そして、畏れが湧き上がるのがわかる。

『レイ様、お止め下さい。これは私闘でございます。お願いでございます。お静まり下さいませ。それ以上気を上げてはなりませぬ。』


・・・オレよ・・・

『レイ、どうした。落ち付け!』

・・・ギル兄の声か・・・

『レイ様!』

・・・シンシア様が抱いて下さる・・・


高かまった気が消える。

どうした・・・意識が飛んだか・・・


・・・済まん、オレよ。助けてくれ・・・


・・・ここはどこだ・・・また夢か・・・やっと終ったと思ったのにな・・・皆、すまないね、シンシア様、あなたに責は無いのです、気になさらないで下さい・・・シュバルツバルト殿、昔に捕らわれないで下さい・・・


ーーーーーーーーーーーー

『ワーレン、シュバルツバルト、帰るぞ。全て中止だ。兵を纏めて先に出ろ。』

こんな時に、まして、シュバルツバルトの所為だと思われても仕方ない。どうする?

レイの次は誰だ?ユリア殿か・・・女性は無理だ。


『ゴルトレーベン殿はおられるか?』

『此処に。』

殺気・・・抑えたか、直ぐに下を向いたな。

後ろに控えておる者も下を向いているが、殺気を寄越すわ・・・

『済まぬが、一旦戻る。何かあれば連絡をくれ、如何様にもする。』

『はっ』と、下を見ている。

顔を上げれば、殺気を殺気を抑えられんか・・・今、火種を広げる訳にはいかんからな。 


『母者、レイ様はどうされた?しっかり為され。』と、ユリア殿の声が聞こえる。

女性たちの嗚咽が聞こえる。

くっ、ユリア殿も居られるか・・・皆が、泣いておるわ・・・


こんな時に何故だ?おかしくないか?

レイ、戻れ。さもないと戦になるぞ・・・

ーーーーーーーーーーーー










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