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ジオ 二部七話 アエラ

レディティア達は商店街の店を見に、ジオ等はジョングの痕跡を探しながら商店街の店を回っている。サラもジオ達と一緒だ。

『サラ、すまないな。』とジオ。

『坊、気にしないでください。商品自体には興味はないですから。』とサラ。

サラにとっては生まれ地だ。多少の変化はあっても売っている物が変わってはいない。


『坊、此処だここ。この緑の看板だ。植物を売っていたのか?しかし、閉まっているな。』とハーバー。

この辺りの店は屋根が布を載せただけの簡易店舗だ。隣との仕切りも布だ。

閉まっているのではない。何も無い空きテントだ・・・とジオは思う。


『やっと見つけたのに、中が空だ・・・ハーバーの日頃の行いが悪いからだ・・・』とジオ。

『おい・・・』とハーバーか不満顔だ。

『どうする?出直すか?』と、ゼルト。

『少々、待ってて下さい。近所で聞いてみますから。』とサラが歩いて行く。


『しかし、この看板は不思議だな。』とジオ。 

空きテントの地面に看板が置いてある。人の上半身くらいの大きさだ。全体が緑で塗られ。繁った葉の模様に、黄色で文字が書いてある。

ジオには読めない。ど

この文字だろう・・・とジオ。


『何がだ?』とハーバーか不機嫌そうに答える。

『砂漠の民が葉っぱの絵を書くか?』とオレ。

『葉の絵ぐらい書くだろう。』とハーバー。

『いや、砂漠の民が書くのは、象形化した模様だ。』と、ゼルト。

『ゼルト、随分詳しいな。』とオレ。

『ああ、クランノーバァで販売している砂漠の壁布は象形化した模様だ。形をそのまま模した物は無い。聞いたところでは象形模様しか書かないと言っていた。』とゼルト。


サラが戻って来た。

『坊、分かりました。此処にいた方々はアエラに移ると言っていたそうです。アエラはガラス工芸が有名になり、多くの人を募集しているそうです。』とサラ。


そう云えば、サラはアエラにいた時期もあったな、とジオ。

『サラ、懐かしいか。アエラは?』

『はい。世話になった方々もおられますから。』

ジオ等は、広場のテントに戻る。レディティア達はまだ戻らない。ジオ達はテントの前に卓を広げ、椅子に座って、レディティア等の帰りを待つ。そろそろ夕食の時間だ。

『なあ、サラ。そこにいた者達は砂漠の民なのか?何か言って無かったか?』とジオがサラに聞く。

『あの人たちは、泉の人々と呼ばれていました。泉とはあの遥か北の山々の森の入口に有る泉だと言っていました。』と。

『あの、北の山々か・・・』ジオはその方角を眺める。

北の山々は微かにみえる。

・・・取り敢えずアエラに行ってからにするか・・・


レディティア達も夕食の時間前には戻って来た。皆でゼルトの食事を楽しむ。砂漠風の鳥と野菜の煮込みだが、辛くはない。

『ネティ。聞いて・・・もいい・・・か?』と、ジオが口に鶏肉を入れたまましゃべる。

『坊。行儀が悪いぞ。聞きたいのなら、飲み込んでからにすることじゃ。』とベロニカが睨む。

ジオが慌てて飲み込む。

『ああ・・・』

『ネティ、泉の人々を知っているか?』とジオ。

『泉の人々ですか・・・いえ、私の所には伝わっておりません。庶民の方々が隠されていることは色々ありますし、敢えて探るような真似はいたしません。』とネティ。

『そうか・・・』

『母者。夜にテントをアエラに移動させるつもりじゃが良いか?』とジオ。

『ええ。いいわ。』

『ネティ。すまぬが、朝方にはアエルに入るつもりだ。宜しく頼む。』

『分かりました。』


食事も終わり、深夜テントを飛ばす為に、ジオは少し眠ることにする。ジオはレデイティアと寝室に居る。

『少々お話を。』とサラが、ジオとレディティアの部屋に入って来る。ジオは寝ている。

『どうしたのサラ?』とレディティア。

『はい、姉様。実は昼間のことなのです。』と、ジオと遭った事を説明する。

『それで、懸念している事が有るのです。ネティ様は知らぬと仰っておられましたが、知らぬ筈はないのです。何故に知らぬと言われたのか?それにアエラで砂漠の民意外を使っているとしたら、それは砂漠にあっては法度なのです。』とサラが困惑している。

『それにいま、街を司っておられる方は私の恩人なのです。もしご迷惑を掛ける様な事にでもなれば・・・』

とサラが続ける。


『サラ。心配はいらないわ。ジオのする事よ。きっとその事で何かが起こっても、上手く解決するわ。』とレディティアが安心させる。レディティアはジオを見る。ジオはいつもの様に、死んでいるのではないかと思うように静かに寝ている。


ジオが起き出す。それに合わせてレディティアも目が覚める。

『母者。よく寝たぞ。最近は夢を見なくなった。どうしたのであろうな。』とジオがレディティアに言う。

『最近は、死んだように寝ているわ。それと関係があるのかしら。』

『そうか、死んだように寝ているか・・・』と考え込むジオ。


ジオはテントを静かに空に上げていく。まだ空は星が

瞬いている。程よい高さまでテントを上げるとアエラの方向に移動させる。ジオはいつも星の瞬く夜空を見ると、これ程多くの星があるのかと感嘆する。ジオの思い込んでいる夜空にこれ程の星は無い。


テントが広場に降りて来る。それほどの人は居ないようだ。テントは疎らに有るだけだ。

覚えのある広場だ、変わっていないなとジオは思う。

段々に周りが明るくなって来る。日が昇り始める。砂漠の街の朝は早い。周りがざわついている。誰かが知らせたようだ。多くの衛士が集まって来て、テントを取り囲む。取り囲むだけで何も言わない。

中年の女性と、ぎりぎり青年と呼べる男がテントの前に現れる。

『坊かい。坊なら早く顔をお見せ。』と声がする。

テントの一部が巻き上がる。ジオが出て来ると、中年の女性に抱きつく。

『ガイナ。久し振りじゃ。元気か?』とジオの嬉しそうな声。

『やはり、坊かい。変わらず派手だね。また大きなテントで来たもんだ。一人なのかい。しかし、元気そうで良かったよ。心配してたよ。』とガイナと言われた女性が捲し立てる。

『ガイナ、大勢で来た。ネティもいるぞ。母者もサラも居る。少し世話になる。』と。

話している間に、皆がテントからでている。


ジオはガイナから離れるとガイウスの前に来る。

『ガイウス、元気か?あの後、亀のお陰で元気になれた。感謝する。』ジオが殊勝に礼を言う。

『いや、こちらこそ大層世話になったな。礼が言いたくて待っていた。来てくれて嬉しいぞ。』とガイウスが微笑んでいる。

それを見ていた、ベロニカもハーバーとゼルトも驚く。

『ゼ、ゼルト見たか?坊が殊勝にも男に礼を述べたぞ。砂漠に雨が降るな。』とハーバー。

『ああ、俺も初めて見た気がする。確かに雨が降るかも知れん。』

『二人共、ジオに聞かれて居たわよ。十倍返しが来るわ。』と、ベロニカ。

そしてベロニカが溜息を吐く。

・・・この二人には余計な忠告だわ、ジオに弄ってもらいたいのだわ・・・









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