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第7話 新魔法は役立たずでした

「それで、新魔法はどうやって使うのかな」

「えっと、いままでのアイテムボックスの奥にあるというか」

「奥? つまり、アイテムボックスの奥の間みたいな物なのか」

「そうみたい。それ以上は分からないけど」


使い方のヒントみたいな物はなぜか分かるんだけど、詳しい使い方は実際に使わないと分からない。

時空収納も何度も試行錯誤の末、使い方が分かったんだ。


今度のは、もっと深い所に収納するのかな?


「よし、では一度収納している小麦袋をすべてこっちに出して欲しい」

「はーい」


《スピダ》


どどどーっと感じで42袋の小麦袋が積みあがった。

うん、一気にやる方が簡単だね。


「これでアイテムボックスは空だな」

「あ、後から升で入れた小麦が残っているよ」

「そうだった。それはこの袋に入れて欲しい」

「はーい」


バラの小麦を元々あった小麦袋に戻す。

これで時空収納は空っぽだ。


「今度は空になったな」

「うん。空っぽ」

「じゃあ、この状態で新しい魔法を使ってみてくれ」

「???」


よくわからんないけど、コマンドを唱える。


《ソルア》


何も起きない。

時空収納も変化無し。


「何も起きないよ」

「そうだろうな。想定通りだ」

「えっと」

「じゃあ、次だ。この小麦袋を一袋だけアイテムボックスに入れる」

「はーい」


《スピア》


「よし、入ったな、次はそれを奥の間に入れるんだ」

「はーい」


《ソルア》


「どうなった?」

「アイテムボックスからはなくなったよ」

「そうだろう。奥の間はどうなった?」

「わかんない」

「えっ、どういうことだ?」

「アイテムボックスだと入ってするかどうか、分かるんだけど。奥の間はわかんない」

「そうなのか。じゃあ、取り出してみると分かるだろう。やってみて」

「はーい」


《ソルダ》


「あれ?」

「どうした」

「えっと、小麦が減っちゃった」

「なんだって。ここに出してみて」

「うん」


《ソルダ》


「確かに減っているみたいだね。計測してみるか」

「うん」


袋の中の小麦を升で計測している。


「八升と半分弱か」

「どういうこと?」

「だいたい元の3割がどこかに行ったようだ」

「えー」

「新魔法は無駄が多いな。なにかメリットがあるのかもしれないな。たとえば時間経過が遅いとか」

「そんなことあるの?」

「高級なアイテムボックスには付いている機能だ。食べ物を入れておくといつまでも腐らないのだ」

「へぇーー」

「まぁ、その逆かもしれないし、他の機能かもしれない。今は不明だ」

「うん」

「ただ、3割もロスするんじゃ、そう簡単には使えないな。もっと、資金に余裕ができるまで封印だ」

「えー」

「今は240サイズのアイテムボックスで十分だ。そのうち、時空魔法に詳しい人を見つけて聞いてみるとしよう」

「うん」


あー、なんか残念だな。

でも、僕が検証するくらいはいいかな。

何か前にもらった大銅貨で買って、新コマンドを試してみる。

時空収納の時の試行錯誤も楽しかったから、今回も楽しいはず。

もしかしたら、すごい機能があるかもしれないしね。


「よし、明後日は旅に出るぞ。早馬を使う」

「早馬?」

「そうだ。普通の荷馬車の3倍のスピードで街から街へ移動できるんだぞ」

「すごい」

「1日で96㎞を移動できるんだ」

「すごい」


一応、メジャーに合わせて驚いたふりはしたけど。

96㎞ってどのくらいか分からないからなー。

遠くだってことはロジャーの口ぶりで分かるんだけどね。


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