第33話 なんとバトル無しにレベルアップだと?
うわっ、なんだぁーーー。
高級火炎酒をソルアして、すぐに売れたらいきなり身体が光出した。
ダンジョンでレベルアップした時と一緒だ。
《時空師レベル3になりました……ソルエ&ソルイを覚えました……時空収納が2倍になりました》
アナウンスが聞こえてきた。
「わーい。時空収納が2倍か」
増える前が240サイズで512リットルだったから、240と240を足して480サイズだね。
サイズが2倍になると容量は8つ分になるってロジャーが言ってたからえっとーーー。
「4000リットルちょっとだ!」
細かい計算が面倒だから、だいたいでいいか。
4千リットル。
水だと4000㎏、4トンか。
オーマの巨大マグロだって8匹入ってしまうぞ。
すごい。
☆ ☆ ☆
「本当か!」
最近はずっと女の家に上がり込んでいるロジャー。
領主様との交渉の時くらいしか仕事をしていないんじゃないかと思う。
「では、もっと多くの取引ができるってことだな」
「うん、まだ調べていないけど、アイテムボックスは4トン分くらい入るはず」
「なるほど。大型荷馬車1台分だな。それだけ持って早馬で隣町にいくとすると」
「どうなるの?」
「すごく儲かるぞ。だけど・・・」
「だけど?」
「そんなに儲けてどうするの?」
「は?」
商人って、儲けることは貪欲だって聞いていたんだけどなー。
ロジャーは違うのかな。
「そうだ! いいことを考えた。助手を雇うぞ」
「助手?」
「そうだ、真面目でやり手の商人の助手だ」
「うん」
「そいつに仕事をさせよう。一緒に早馬に乗って隣街に行かせて」
「ロジャーは行かないの?」
「私は。私には、私にしかできないことがあってな」
あー、女の家に転がり込んで、だらだらすること、だね。
まぁ、いけないとは言わないけど。
「早速、探すとしよう」
自分ががんばらないでいいようにすることには、積極的なんだね。
☆ ☆ ☆
あっという間にみつけてきた。(笑)
「ほら、自己紹介しなさい」
「はい。商人歴は丁稚を含めて8年になるメイです」
へぇ、女なんだ。
別に女じゃいけないって訳じゃないけど、そうか~、女なんだ。
「どうだ? 美人だろう。その上、仕事もできるのは商人ギルマスの保証付きだぞ」
「はい、エイヒメ商人ギルト20歳未満のトップ3に入りました」
「すごいだろう。いいだろう、俺もいい仕事するだろう」
なんだろう。
ロジャー、ずいぶんと推してくるな。
なんか、あるのかな。
「その上、スレンダーで髪が長い美人となれば、採用するしかないだろう」
あー、あったのは下心だったらしい。
そういえば、ロジャーがころがり込んでいるとこの女性も似た感じかも。
僕としてはもう少しおっぱい大きい方がいいんだけどなぁー。
小さくはないんたけど、「おっきい」とも言えないくらいなの。
「まぁ、いいんじゃない」
おっぱいで、反対するのもなんかなーと思って、賛成してみた。
「なんだよー。こんなに理想的な従業員だぞ。不満か?」
「別に不満なんてないよー。よろしくね」
もっと喜んで欲しかったのかな。
だいたい、ロジャーがちゃんと働くなら従業員いらなくない?
「わっ、採用なんですね。やったー。領主御用達の商会ですよね」
「えっ?」
「えっ、違うんですか。領主御用達ですよね」
スレンダー美人さん、勘違いしてない?
うちは商会じゃないはずだけど。
「ねぇ、ロジャー、僕らって商会なの?」
「いや、ギルドに商会登録していないから、商会ではないな」
「えっ、領主御用達というのは?」
「それは本当だ。うちの大半の売上は領主様が買い取ってくれる商品だからな」
「だけど、ロジャーと僕だけだよ、まだ」
「そうだ。メイちゃんが入ってくれたら3人だ」
あ、メイちゃん悩んでる。
こんなに小さいとこだと思わなかった?
「えっと。たった2人だと売上は大したことないですよね。メイの給料大丈夫でしょうか」
「おー、それは心配するな。うちは少数精鋭だし。非常識に売り上げているぞ」
うー。今のロジャーは精鋭じゃない気がする。(笑)
「直近1カ月の売上が金貨200枚は超えている。半分は粗利だしな」
「えーー。すごい。ちょっとした商会並みじゃないですか」
キラキラした目でロジャーを見ている。
「ああ。なんと言っても領主御用達だからな」
「分かりました! メイも仲間にしてください」
うん。美人でやり手の商人が仲間になったぞ。
これからが楽しみだね。
仲間が増えました。
時空収納も大きくなったし。
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