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第29話 次の商品は何にするのか?

「えっ、もうポーションはそんなにいらないの?」

「ああ。ダンジョンの魔物増殖が収まってきたようだ」


1か月ほど続いたポーションのソルダ。


薬草や魔力草をソルアして、ポーションをソルダする。

慣れてくると、いつ、どのくらいの数をソル市場で売買するのがいいのか、だんだんと分かってきた。


大量に必要なときは、数日前に大量に元になる素材をソル市場で売る。

その時は欲しい物がなくても、そのうち出てくる。


ポーションはどうも、それほど人気があるアイテムではないみたいで、ほとんどが僕が買う分だ。

逆に薬草や魔力草は人気で売りに出して、1時間もかからず売り切れになる。


最初の頃は一瞬で売切れたけど、今はもう少し掛かる。

でも、ほっぽいておくと売れるから心配はしていないんだ。


「じゃあ。ポーション以外に売れる物ってあるの?」

「もちろん、普通に必要な物は売れるさ。ただ、それだと商売のうまみがない」

「そうかー」


商売のことは、よく分からない。

今、何がどれくらい、いくらぐらいで売れるのか。


ダンジョンで魔物が増殖しているときは、討伐のためにポーション類が高くても売れた。

だけど、それが終わった今は、もうそんなには売れない。


「それで領主様の使者、あ、あの人、領主様の館の執事さんみたいだ」

「執事さん?」

「執事は館を取り仕切っている責任者さ」


執事さんね、覚えておかないと。


「その領主執事さんが言うには、農具らしい」

「農具って、あれだよね。木で出来ている鍬とかのこと」

「いや、執事さんのいう農具は鉄の農具らしい」

「ええっー、農具って鉄のがあるの?」


そんなの見たことがない。

鉄っていうと剣みたいな武器だけだと思ってた。


「ああ。木の農具より、鉄の農具の方が2倍は効率がいい。だから、領主様は領内の農園でに貸し出して生産を増やしたいみたいだ」

「ふーん。そんなことができるんだ。じゃあ、鉄の農具を用意すればいいんだね」


ソル市場に農具はあるのかな。

調べてみないとね。


☆  ☆  ☆


《アイテムがありません》


うわー、やっぱり。

無理かぁー。


《アイテムリクエストしますか?》


えっ。

いままで、そんなこと言わなかったよね。

どういうことかな。


もちろん、答えはない。

リクエストってことは、ソル市場に誰か出品して欲しいって伝えることだよね。

よし。


「じゃあ、質のいい鉄の農具いろいろをリクエストしよう」


《アイテムリクエストを受け付けました》

《代わりのアイテムリクエストがあります》


えっ、代わりのアイテムリクエストって……あ、僕に出品して欲しい物ってことだね。


「代わりのアイテムリクエストって何かな」


《アイテムリクエストがあります。強くて美味い酒》


酒か、それも強いの。

僕はエールをちょっと飲んだだけで酔っぱらうからなー。

街の市場に行って探してみよう。


☆  ☆  ☆


「あったぞ。強い酒。エールの10倍強いって言ってた」


なかなか高くてエールの4倍もする。

ジョッキ一杯分で大銅貨2枚。


樽で売っていたから、樽ごと買った。

ジョッキ200杯分で金貨4枚。

樽代はサービスしてもらった。


なんでもダンジョンの中に生えている芋が原料みたい。

それを発酵させて濃縮するとできる。


火炎酒って名前で、火酒の一種で特に強いというのが売りだって。


「よし、時空収納に入っている火炎酒の樽を出品するぞ」


《ソルア》


「おっと、すぐ売れた。さすがリクエストが入っているだけあるな」


樽の火炎酒は900クレジットになった。

いろいろと試してみて分かったのは、1クレジットが大銅貨1枚くらいの価値ってこと。


だから、金貨4枚の火炎酒は400クレジットで売れればいいんだけど、倍以上の900クレジットになった。


《リクエストアイテムが出品されました》


おっと早速来たか。

じゃあ、今の分と薬草をちまちま出品して貯めた分を足して1600クレジットで買える分を買おう。


《ソルア》


「えっと、鍬と鋤が8本づつか、ひとつ100クレジットか金貨1枚もするのか。高い!」


どうなんだろう。

鉄の農具って、金貨1枚もするんだろうか。


☆  ☆  ☆


「ロジャー、鉄の農具をゲットしたよー」

「おう、シオン、よくやった。いくらくらいしたんだ?」

「相場で言うと、金貨1枚?」

「うーん。まぁ、そんな物か」


ロジャーによると鍛冶屋に材料とかを用意して作らせるともっと安く作れるらしい。

だけど、この街には鍛冶屋はいないし、材料の鉄もない。


「16本あるから、ここに出すね」


ロジャーの泊まっている宿屋の中庭にいるから、それくらい出しても大丈夫だよね。


「おう、出してみな」


《スピダ》


「ほう、どれどれ」


鉄の農具を見ていたロジャーがめちゃ驚いた。

なんでだろう。




いよいよ、転売ヤーになるのかな。


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