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第25話 ソル市場を調べてみた

「えっと、薬草が10本で3クレジット、アルミナは1インゴットで50クレジットか」


今、僕はソルアをしてみて、街の市場で買ってきた物とかのクレジット価格を調べている。


ソルアするときに、クレジット価格を決めて出品することができたりする。

逆に価格を決めないで出品すると、欲しがっている存在が価格を決めてくれる。


価格を決めると売れるのに時間が掛かったり、全然売れなかったする。

値段を変えて出品すると、安い方から売れていって高い方が売れ残る。

それをするとだいたい何クレジットで売れるかが分かる。


街の市場で買った値段とソル市場のクレジットは必ずしも一致しない。

街で高い物がソル市場では安かったり、逆に薬草みたいに街の市場では売れない物がソル市場ではいい値がついている。


全体的にみると、錬金材料になる物はソル市場では高く売れるっぽい。


ロジャーが想定していたようにソル市場は帝国のある大陸、中央大陸って言うんだそうだけど、そこの近くにあるみたいだ。

中央大陸ではダンジョンが攻略されて魔物がでなくなっている。

だから、魔素濃度が下がって薬草のような魔素を吸収する植物が生えていないようだ。


「えっ、何? リクエストって何?」


いろいろとソルアしていたら、ソル市場からメッセージが来た。


《ポート09よりリクエストがあります…「魔力草の出品を望む」》


ポート09って何か分からないけど、魔力草がいるみたい。


魔力草はさすがに薬草ほど簡単には採取できないけど、ダンジョンの近くには生えている草。

ロジャーに聞いてみたら、マナポーションの主要な錬金素材みたい。

そういえば、マナポーションをソルダしようと思ったら、「アイテムがありません」ってなった。


もしかしたら、魔力草をソル市場に出したらマナポーションも出品されるかも。

ポート09さんって、きっと薬草を買ってポーションを出品している存在だね。

錬金術が使えるんだろうなー。


魔力草は護衛付きのチビ共に言えば採取できるって言うから、ジョンに仕切ってもらった採取してもらった。


1日で80本だけ採取できた。

おまけで、薬草は300本以上採取できたけどね。


それをソル市場に出したら、10本で20クレジットになった。


わくわくして待っていたら、2時間もしないうちにマナポーションが出品された。

早速、購入したらうっすらと光るピンクの液体が入った瓶だった。

もちろん、封印がされていて虎印の帝国ブランドだね。


「これ、いくらで売れるんだろう」ってロジャーに相談したら魔術長さんに連絡をとってくれて「銀貨7枚で何本でも買う」って約束をもらった。


なんでも、ダンジョンの魔物対策に絶対に必要な物なんだって。

魔法を使うにはマナポイントが必要で、そのマナポイントをチャージするのがマナポーションだからね。

魔法使いが魔法で魔物を倒すお手伝いができるらしい。


魔術長さんが「スタミナボーションも欲しい」って伝言があって、ソル市場にあるか確認したら「アイテムがありません」ってなった。

スタミナポーションの錬金素材は「速射サソリのしっぽ」だっていうから、街の市場にあるか調べたら売り切れだった。

「速射サソリのしっぽ」は粉にして水に溶くと精力剤になるみたい。

そっちで人気だから、市場には出回らないみたい。


「それなら、冒険者ギルドだな」ってロジャーが言うから冒険者ギルドに依頼を出したら一杯集まってきた。


もちろん、ソル市場に出したらスタミナポーションが出品された。


そんなことをしていたら毎日金貨20枚以上の利益になってしまった。

ロジャーとの取り決めで、ソル市場で出た利益は山分けって決まっているから僕だけで毎日金貨10枚はもらえる計算だ。


ただ、こんなに利益が出るのはダンジョン攻略のための準備にポーションが必要だからで、普段はそんなにポーションは必要ないからね。

今だけって感じだね。


そんなことをしている間にいよいよ、農園スカウトに行く日になってしまったんだ。


☆  ☆  ☆


「なぜ、まだエイヒメ・ダンジョンがスタンビートを起こさないのだ?」

「はい。街の総力を挙げてダンジョン攻略をしているようです」

「はぁ? 時空装置でダンジョンパワーが3倍になったのではないのか?」

「もちろん、時空装置の効果は出ています。街によるダンジョン戒厳令が出ているのは確認済です」


今、エイヒメ・ダンジョンは一般冒険者の立ち入り禁止地区となっている。

C級以上の冒険者や騎士団、兵士に予備役まで動員して、計画的にダンジョン討伐に入っている。


「するとダンジョンの魔物が街の戦力に押し負けているというのか」

「はい、今はまだ」

「それじゃダメだろう。早くなんとかしろ」

「いえ。ただ、待っていればよろしいかと。戦力には限界があります。しかし、ダンジョン魔物にはありません」


いつまでも湧き続ける魔物に対して、損害が積み重なる街の戦力。

時間と共に魔物が優勢になるのは明らかだ。


「あと1週間もすれば、魔物に押されてスタンビートが始まりますよ」

「そのくらいか。たしか時空装置は1か月は動作するんだよな」

「その通りです。そろそろ1週間になりますが、1か月も持つはずがありません」

「そろそろ国境兵団の増員が隠蔽しきれなくなる、スタンビートであの国の兵力が西に移動してもらわなければ計画通りにならんからな」

「もちろん承知しております」


たしかにエイヒメ・スタンビート計画は予定より遅れている。

エイヒメの兵士達は想定より戦力があったらしい。

しかし、それも時間の問題だ。

結果が楽しみだな。



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― 新着の感想 ―
[良い点] えっ? エイヒメ・ダンジョンをスタンビートさせようとしている黒幕がいる? 時空装置でダンジョンのパワーを3倍にしているのは 何者? 主人公がいなかったら危なかったですね。
[良い点] ゴールドラッシュだな!
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