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第24話 結婚なんてまだ早いよ

「それと、なんでまた、エロ館なんだ?」

「あ、それ?」


衛兵にエロ館から出てくるところを捕まったから、エロ館にいたのがバレバレだ。


「確かに大金を渡したのは私だ。だが、そんなことに使うとは思いもよらなかった」

「えっと。そのー。まぁー、ヤリタイ歳頃?」

「まぁー、わからんでもないが、早すぎるだろう。ああいうとこは、もっとおっさんになってからでいいだろう」

「まぁーね」


確かに他の客はおっさんばかりだった。

それも変態ぱかり。(笑)


「そうだ。お前。金の使い道がないなら、家を買え」

「家?」

「うん、家を買って奥さんを置いてだな」

「奥さん? 結婚するってこと?」


農園だと農奴は結婚しないから結婚って物語の中だけしか出てこなかったなぁ。

そうかぁ。自由商人の丁稚になると結婚もできるのか。


「誰か結婚したい女はいないか? エレナなんてどうだ? 同い年だしな」

「エレナ……うーん、ちょっと」

「なんだ。エレナは嫌いか?」

「えっと、そのぉーー。胸があんましないし」

「まだ13歳だから、これから大きくなるぞー」


そうかもしれないけど、今はないし。

エロ館でメロンパイに、ぱふばふしてもらっちゃったから、胸の重要性が良く分かった。


「そうか。おっぱいが好きか。じゃあ、おっぱいが大きくて、好きな娘、いないのか?」

「あ、アリア姉ちゃん」

「おー、前にも言ってたな。農園の娘で3つ年上だったかな」

「うん」

「それはいいな。スカウトに行こう。よし、来週行ってみよう」

「えっ、来週?」


☆  ☆  ☆


スカウトに行くって、すぐに行くのかなって思っていたけど違うらしい。


「いいか、スカウトっていうのは奴隷を買うのとは違うんだ」

「えっと。農園のスカウトって言うと僕もそうだったけど、農奴が相手じゃないの?」

「農園主が他の農園からスカウトするなら、奴隷を買うのと同じだな」

「うーん。僕やロジャーがスカウトするのだと違うの?」


言われてみるとそうだなー。


「シオンは、私の奴隷だという意識あるかな」

「えっ、そんなのないよぉー」

「そうだろうな。本当に自由にやっているな」


確かに。

話を聞くと商人の丁稚って、こまごまとした仕事を沢山押し付けられて、1日中動き回っているものらしい。

僕はというと、ロジャーの指示で時空収納するくらいであとは、自由にしてくれる。

マグロで儲けた後は1週間なにもしなくてよかったし。


「スカウトするとな。スカウトした相手と新しい関係が生まれるんだ。だから、相手の印象をよくするためにいろいろと準備がいるんだよ」

「へぇー」


☆  ☆  ☆


「まずは農園主にプレゼントを用意する。シオンのいた農園の主は酒好きだから、高級な酒がいいだろう」

「あ、お酒好きだって言ってた。みんな」

「うん、そうだろう。後は奥方にもプレゼントが必要だ」

「農園主の夫人はふたりいるよ。子供は娘1人だけど」

「そうだったな。女3人のプレゼントは装飾品がいいたろう」


街でいろいろな物を買った。

もちろん、僕の支払いで。


プレゼントする相手が喜びそうな物を考えながら買い物をする。

農園主の家族って、あんまり会ったことはないんだけどね。


「あとな。これはスカウトの問題ではなく、シオンの問題なんだが」


ロジャーによると、僕が農園からスカウトするとなると、「故郷に錦」って話になるらしい。

故郷を出て、こんなに立派になりましたって言うのを見せること。

そのためには、故郷の人達にプレゼントを持っていくのが一番らしい。


「じゃあ、一緒に育った子やお世話をしてくれた人にプレゼントするの?」

「そうだ。それができるのが立派になった証拠だからな。シオンは一晩で金貨10枚も遊びで使えるようになりましたってな」

「うー。あの館がそんなに掛かるって知らなかったんだよー」

「まぁ、今のシオンならそのくらい余裕だけどな」


たしかに。

帝国ポーションって普通のポーションより高く買ってくれるみたい。

薬草は簡単に手に入るし。


「だから、一晩で使うくらいの金でプレゼントを買いまくろう。きっと、シオンの元仲間たちは喜ぶぞ」

「うん。なんか、農園に行くのが楽しみになってきた」

「そうだろう」


農園スカウトの準備をしていたら、「故郷に錦」っていうのが分かってきた感じがする。

スカウトされるとこんないいことが待っているんだ。

そんなことを伝える役目もあるんだね。



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