仮面をかぶった機械人形は踊り、演じて、涙を流す。
ある時、心という箱にギュウギュウと詰め込んだ感情が、パンッと音を立てて破裂した。
嬉しい、悲しい、楽しい、辛い。
人に好かれたい。嫌われたくない。
とてつもない量の感情が一気に僕の理性を押しつぶす。
理性のない僕は、その時々の感情に流された。
流され、流され、流され、時に酷いことをした。
した後に後悔して泣いた。泣いてスッキリして笑った。
笑って忘れてまた同じことをした。
そんなことを永遠繰り返した。
だが、ある時、心が…枯れた。
箱に押し込まれていた感情が端から端まで消えて無くなった。なにも感じなくなった。
ただ、1つ。たったひとつだけを残して。
…僕は、ロボットになった。
人に嫌われたくない。みんなに好かれたい、と思い続けるロボットになった。
嫌われて、好かれて、そんな心の動きは理解できるが。
だが、たぶんそれを真に感じているわけではない。
僕は同情も、共感も出来ない。
だから僕は仮面を被る。
声を作る。
目を作る。
まるで感情があるかのように。
まるで人かのように演じる。
どんな役者よりも上手に演じる。
…僕はロボット。感情のない機械人形。