第6話:炎の戯れ
直弥:「しばらくの間は
夜まで帰ってこれない
から誰かの部屋に遊びに行ってていいぞ」
理人:「え、でも‥」
直弥:「わかったな?」
理人:「…わかったよ」
夜
理人:「暇だな〜‥」
いつもは雅紀や直弥が
どんちゃん騒ぎだった
から気づかなかったけど
、ここまでなんてな〜
理人:「…直弥の
言うとおり、
誰かの部屋に行こうかな」
誰の部屋に行こう‥
理人:「要の部屋に
行ってみよう‥」
‖
理人:「要いるかな?
コンコンコン‥」
これでいなかったら
部屋に戻ろう‥
?:「おい要!
お客さんが来たぞ」
微かに声が中から
漏れている
?:「はい!
今開けます!
…ガチャ」
理人:「や、やあ要」
要:「理人!
直弥から話は
聞いてるぞ。
入ってこい」
理人:「え、直弥から
話は聞いてるって?」
要:「直弥のやつ、
今食堂にいるんだろ。
直弥が理人はきっと
ここに来るって
聞いてたんだ」
理人:「直弥が‥」
要:「ほら、
入ってこい!
お茶を出すからな」
理人:「いいよ、
そんな気を遣わなくて!」
要:「もののついでだよ。
先客がいてな‥」
理人:「先客?」
炎:「……ずず‥」
直弥の妹の炎が
先にお茶を飲んでいた。
要:「理人ももう
会ったろ?」
理人:「う、うん‥」
炎は一向にお茶を
飲み続けていた。
理人:「よ、よろしく!」
炎:「……」
理人:「あ‥‥」
要:「やっぱりな…
…おい、炎」
炎:「何だ、要」
要:「もうちょっと
相手してやれよ」
炎:「………価値ない」
理人:「か、価値ない‥」
要:「理人、すまんな。
こういうやつなんだよ」
炎:「……ずず」
要:「しょうがないな…
するしかないか」
理人:「え、何を?」
要:「直弥から手紙を
預かってるんだ。
これには、
もし炎が理人に
興味の欠片も
見せないとき、
のことが書かれている」
炎:「!
要!もしかしてそれは‥」
要:「正解だ。
直弥のみぞ知っていた、
炎の好きな動物園への
チケット(3人分)だ。
せっかく直弥が用意
してくれたんだ。
行くだろ?」
理人:「僕はいいけど‥」
炎:「……卑怯だ」
要:「決定だな。
じゃあ明日行くぞ!」
休日、バスの中
要:「…理人に炎。
少しは喋ってみろよ」
炎:「……」
理人:「えーと…
まず何て呼べばいいかな?」
《宮島 要》
[みじま かなめ]
ウィアスターズの
一員。
文武両道で成績優秀。
喧嘩に関しては
雅紀と肩を並べるほど
強い。
《崋崎 炎》
[かざき えん]
ウィアスターズの一員で
直弥の妹。
学年は1つ下で、
口調がいつも強気。