第27話:挑発
《黒輝・白石編》
は、書いてたら
終わらない感じです。
というわけで、
自分の小説では、
省略をよくしています
理人:「…黒輝さんは
いますか?」
男子生徒:「黒輝?
あいつは今日は何か
変だぜ」
理人:「変?」
男子生徒:「ああ。
例えば、ドアを開けた
瞬間、黒板消しをいつも
なら4個落とすはず
なのに1個しか
落とさなかったり、
執行部室のドアを
木の板を使って開かない
ように今日は
しなかったり、さ」
理人:「エスカレートの
しすぎだと思うよ」
男子生徒:「そうなのか?
俺はもう慣れちまった
から分かんねえや」
理人:「色んな意味で
危ないね、それ。
……在夢さん!
起きて!、話があるんだ」
在夢:「う〜ん?
…ああ、理人君ですか‥」
理人:「あの…大丈夫?」
在夢:「うん…
大丈夫、大丈夫‥」
心配だ、これは。
悪戯をしていないせいか
、生気が感じとられない。
理人:「な、中庭に
行こっ!
一緒にご飯でも
食べながらさ」
在夢:「…うん」
中庭
理人:「……」
在夢:「……」
理人:「(やりづらい!
ここまで元気がないと)」
在夢:「…ねぇ、理人君」
理人:「な、何!
在夢さん」
在夢:「…この前さ、
夜学校にいたでしょ?」
理人:「うん、缶蹴り
をしてたんだ」
在夢:「それでね、
やっぱり……
《聞いてた?》」
思わず息をのむ。
直球に近い。
理人:「…うん」
在夢:「私ね、
知らなかった。
ずっと私は兄弟が
いなくて、黒輝が名字
だと思い込んでた」
理人:「……」
在夢:「でも、
お父さんがついお母さん
に口を滑らせてるのを
聞いて、気づいた。
……私には本当は
お姉ちゃんがいて、
この2人は本当の
お父さんとお母さん
じゃないことをさ」
理人:「在夢さん‥」
在夢:「私は
馬鹿だから。
これが本当だとしばらく
考えれなかった。
でも、決定的証拠。
私が昔、誰かから
もらった大事な大事な
白い石をした
アクセサリーを
《あいつ》が持っていた」
始めは少し笑いながら
話していた在夢さんの
顔は、しだいに憎しみを
感じさせるように
なっていた。
理人:「その《あいつ》
っていうのは‥」
在夢:「白石天海っ!」
その顔にはいつもの笑顔
はなかった。
理人:「在夢さん!?」
在夢:「あいつなんだ!
あいつが私を切り離した!
白石という名前から、
姉妹の縁から、
すべてをっ!」
?:「…誰か
呼んだかしら?」
声の持ち主は、太陽の
せいで姿はよく
見えなかった。
しかし、声からすれば‥
在夢:「…何かよう」
白石:「今日は特に
目立った行動をしてない
のね」
在夢:「何、
してほしかった?」
白石:「いえ、そんなの
じゃないわ。
ただ、《あれぐらい》で
ここまで動揺するなんて
、って思ったり」
理人:「白石さん、
それはちょっと‥」
在夢:「くっ!!」
在夢さんは白石さんを
ぎっと睨みつけ、
そのままどこかに
走り去ってしまった。
理人:「在夢さん!
……白石さ‥」
白石:「………」
白石さんの目が虚ろに
なっていて、今にも
泣きそうだった。
理人:「白石さ‥」
白石:「水無月理人。
私はいま、どんな顔を
してる?」
理人:「…今にも
泣き出しそうだったよ」
白石:「そう……
これくらいで
泣き出しそうに
なるなんて、
私もまだまだね」
理人:「白石さん?
これくらいって‥」
白石:「あなたに話すこと
ではないわ。
さあ、もうチャイムが
鳴るから教室に
戻りなさい」
理人:「……」
放課後
未頼:「それは過去に
問題がありそうだね〜
……パクッ」
理人:「うん。
でも仲が悪かったって
だけで、名字まで変える
とは思えないし…
…パクッ」
未頼:「う〜ん…
何でも知ってそうな
直弥さんに
聞いてみたら?」
理人:「僕は直弥に
結構頼りすぎてる気が
するんだ。
だから今回は、直弥の
手を借りない
ようにしたいんだ」
未頼:「そっか〜。
じゃあ、要君や雅紀君に
一緒に考えてもらお〜」
理人:「それなん
だけどね。
要とは1度話しを
してみたけど、
多分駄目だと思う」
未頼:「雅紀君は?」
理人:「聞いたところで
駄目だと思う」
未頼:「う〜ん
じゃあ、炎ちゃんは?」
理人:「炎?
……いや、やっぱり
僕1人で頑張ってみるよ」
未頼:「ううん、私も
手伝うよ……パクッ」
理人:「じゃあ必要な
ときは連絡するね。
………ところでさ」
未頼:「ん、な〜に?」
理人:「…教室で
クッキー食べるのも
どうかと思うよ?」
未頼:「そう?
教室でご飯が食べられる
のならお菓子も
一緒一緒〜」
理人:「……マイペース
だね〜‥」