第26話:隠された過去
今更ですけど、
この小説はセリフが
多いですから、
展開が突飛です。
ご了承のほどを
緊急事態に陥った
僕たちは、各々部屋に
戻っていった。
寮
理人:「んん〜
……あれ、まだ5時か。
(…気になってあんまり
眠れなかったな〜
…在夢さんたち、
昨日は何かやっぱり
あったみたい
だったけど‥)」
雅紀:「うおぉぉぉぉ!!」
雅紀が突然唸りをあげる。
直弥:「ったく。
何だようっせえな〜」
直弥がけだるそうに
体を起こす。
雅紀:「……zzz
」
理人:「ただの寝言だね」
直弥:「寝言で叫ぶなよ!
……にしても今日は
起きるのやけに早いな、
理人。お前もこいつの
せいでか?」
理人:「ううん。
ちょっと気になって
しょうがないことが
あってね」
直弥:「相談に
のってやるぜ。
あの…黒輝とかいう
やつのことだろ?」
理人:「気づいてたの?」
直弥:「兄貴の勘って
やつだ」
理人:「いや、
直弥は僕のお兄ちゃん
じゃなくて
炎のお兄ちゃんだからね」
直弥:「…お兄ちゃん?
お兄ちゃん…
お兄ちゃん……」
理人:「どうしたの、
直弥?」
直弥:「…う1回」
理人:「え?」
直弥:「お兄ちゃん、と
もう1回言ってくれ」
理人:「……直弥」
直弥:「…何だ?」
理人:「さようなら、
直弥。
そして、
ウィアスターズ‥」
ドアに向かって
歩き出そうとする。
直弥:「待て待て!
俺が何をした?
俺がお兄ちゃんと
呼んでくれと要求した
からか!?」
炎:「………」
ドアの前には炎が
立っていた。
直弥:「……」
炎:「……」
直弥:「……え」
炎:「死ね。
バンッ!!」
そう言い残すと炎は
力強くドアを閉めた。
直弥:「うおぉぉぉぉ!!」
雅紀:「うるせえぞ、
直弥」
直弥:「お前に俺の気持ち
が分かるかぁぁぁ!!」
食堂
直弥:「……」
炎:「……」
要:「ん?
どうした、2人共。
何か喋らないのか?」
理人:「要、これはね‥」
炎:「理人、醤油
取ってくれ」
理人:「え、でも
直弥が1番近いよ」
直弥:「炎、ほらよ。
醤‥」
炎:「理人、マヨネーズ
取ってくれ」
理人:「え、でも
直弥が1番近いよ」
直弥:「炎、ほらよ。
マヨ‥」
炎:「私は貴様になど
頼んでいない。
失せろ、この、ロリコン」
バカ兄 → 貴様
直弥:「うおぉぉぉぉ!!」
要:「妹に貴様、そして
ロリコン呼ばわり
されるとは、
何をしたらそうなるんだ」
直弥:「要に俺がロリコン
だと疑われる気持ちが
分かるかぁぁぁ!!」
要:「やはりそっちの
道に走ったか」
直弥:「俺はただ、
理人にお兄ちゃんと
呼んで欲しかっただけ
なんだぁぁ!」
雅紀:「俺でも分かるぜ…
……馬鹿じゃねえの」
とまあ、いつもの流れが
済んだところで、僕は
本題を切り出す。
理人:「在夢さんに
昨日何があったか
聞きに行こうよ」
雅紀:「あ?、なんか
あったっけ?」
要:「昨日の緊急事態と
何か関係があるのか?」
やっぱり話がわかる要は
相談相手に最適だった。
理人:「うん、実は‥‥」
断片的だが、話してみた。
要:「白石が黒輝の姉?」
理人:「じゃないかな
って」
要:「ん〜
だが、それは心の内に
留めるだけで
いいんじゃないのか?」
理人:「え、でも‥」
要:「確かに黒輝のことを
心配する気持ちは分かる。
だが、黒輝にだって
知られたくない秘密と
いうのがあるはずだ」
理人:「それは
そうだけど‥」
要:「黒輝が俺たちに
相談しにきたときで
いいはずだ。俺はこれが
最適だと思うぞ」
直弥:「流石は、
《直弥を兄のように
見ている青少年の友人》
だな」
要:「いい加減その
長ったらしい称号を
変えろと言ったはずだ」
直弥:「まあまあ、
そのことについては
この山を越えてから
全員に話すつもりだから
待ってろよ」
要:「?
何のことかよく
わからんが、
変わるのならいい」
キーンコーン
カーンコーン
直弥:「おっと、
ゆっくり話してる場合
じゃねえな。
行くぞ、理人」
理人:「う、うん‥」
昼休み
理人:「…要には
止められたけど、
やっぱり心配だな」
そうして、僕は在夢さん
に会いに行った。