第18話:特殊変換アドレス
ツッコミどころが
激しい朝でした‥
教室の近くに来ると、
舞風さんがいた。
舞風:「おはよう、
少年少女よ」
理人:「おはよう、
舞風さん」
在夢:「おはよう
ございま〜す!
姉貴!」
理人:「姉貴って‥」
在夢:「もちろん本物
ではないですよ」
舞風:「すっかり
慣れてしまったよ。
…直弥とやらが
いないことは
知ってるな?」
理人:「あ、うん。
でも何で舞風さんが
それを?」
在夢:「誰ですか?
直弥っていうのは」
理人:「まあ、
ちょっとしたね‥」
舞風:「伝言を
預かっていてな…
…今日と明日の指揮を
やってくれと
言われたんだが‥」
理人:「だが?」
舞風:「直弥とやらは
いつも何を
しているんだ?」
理人:「ん〜…
なんていうか…
いつも自由奔放に
遊んでるだけのような〜」
舞風:「誰か他に詳しく
知っている者は
いないのか?」
未頼:「……あ〜!
理人君だ〜
おはよ〜」
未頼さんがちょうど階段を上り終えてきた。
理人:「あ、未頼さん。
おはよう」
未頼:「あれ?
この人は?」
舞風:「名を舞風という。
私はすでに君の仲間だ、
故時未頼君?」
未頼:「おお!
新しい仲間ですか〜!
よろしくお願いします〜
私を呼ぶときは
未頼でいいよ〜」
舞風:「ならそうさせて
もらおう、未頼君」
未頼:「君って呼ばれたの初めてだよ‥」
在夢:「あの〜…
お話中申し訳ないん
だけどさ〜。
話が読めないんだけど」
未頼:「ほえ?
こっちのあなたは
まだ入ってないの?」
在夢:「だから一体
何の話なのかな〜?」
未頼:「《ウィア
スターズ》のこと〜」
在夢:「《ウィリアム
スターっす》?」
未頼:「そうそう、
それそれ〜!」
理人:「いや、
違うからね!
少し似てるけど。
…いや、似てないかも」
在夢:「《非営利団体
〈宇田修羅頭〉
in スクール》?」
理人:「ツッコミどころはたくさんあるけど、1つ言うね。
…実は聞こえてるよね?」
在夢:「あちゃー!
バレたか!」
未頼:「ほう…
ウィアスターズは
宇田修羅頭
だったんですか‥」
舞風:「ボケにボケを
さらに掛けるとは、
やるな未頼君」
理人:「そんなところに感心しないでよ…
というか、君なの?」
舞風:「私に設定
されている口調だと、
これが自然だと思ってな」
在夢:「姉貴〜
それは暗黙の了解って
やつですよ〜
NGっす」
舞風:「私はそんな
作者や読者の事情なんて知らないな。
私は人が苦手だからな」
理人:「逃げた!
こんなときに限って
苦手を出してきた!」
要:「理人。
朝から騒ぎすぎだぞ」
要もまた、
階段を上ってきた
ところみたいだ。
舞風:「やあ、おはよう。
今日直弥とやらは
いないぞ」
要:「ああ、それなら
俺も聞いてるぞ。
伝言つきでな」
理人:「要にも伝言?」
要:「ああ。
……今日と明日の指揮は舞風にやってもらう
から、お前はこの特殊
アドレスに理人たちの
写真を個別に、
10分以上の間を空けて
送信してくれ……
だそうだ」
理人:「写真?
僕たちの?」
要:「お楽しみが
待っているらしい」
在夢:「はーいはーい!
写真ならあたしの
送ってよ!」
理人:「私からあたしに変わってるよ?」
在夢:「別に何でも
いいんだよ。
気にしない、
気にしない!」
要:「誰だ、この
ハイテンションしか
生み出さないやつ
なんかを呼んだのは?」
理人:「あ、それは‥」
雅紀:「…けどけどけ
どけぇぇぇ!」
雅紀は雄叫びを
言いながらこっちに
走ってきた。
要:「何だ?
また騒々しいのが
来たな」
在夢:「その〈また〉
、っていうことは
あたしが1人目って
ことですか〜?」
雅紀:「待てぇぇぇ、
黒輝ぃぃぃ!」
在夢:「ってええ!
あたし!?」
雅紀:「もう逃がさねえぜ」
在夢:「いや〜
はは…、別に逃げてる
つもりないんだけどね」
舞風:「落ちつかないか、
雅紀とやら。
今から写真を撮るんだ。
少し静かにしてて
くれるか?」
雅紀:「写真‥?」
要:「試しにお前を
先に撮ってみるか」
雅紀:「写真なんて
俺の性に合わねえよ。
黒輝のを送ってみろよ」
要:「まあ試しだからな。
…なら、黒輝。
先にお前から撮るぞ」
在夢:「ポーズは
こんなんで…って!
合図もなしで撮らない
でよ〜!」
要:「送信っと」
在夢:「無視された〜」
‖
10分後
ちょうど朝礼が
終わったころ、
炎以外のみんなが
クラスに集まっていた。
要:「……確かにな」
理人:「確かって?」
要:「特殊アドレスからの返信メールだ。
送った写真に文字が
加えられていてな」
その写真に付け加え
られていた言葉は‥
雅紀:
「《0カ国語の使い手》
って……
ハハハハハァァ!
すげえ当たってるぞ」
未頼:「う〜ん?」
在夢:「雅紀く〜ん。
当たってるってどういう
意味かな〜(笑)」
理人:「いや、
顔が笑ってないよ‥」