第17話:0ヶ国語の使い手
サブタイトルの由来は
次話でわかります
まるで、すでに起こったように‥
雅紀:「早く食堂に
行こうぜ。
そのあとちょっと用事があるからよ」
理人:「用事って?」
雅紀:「なんかよ。
頭は痛いし、気分も
落ち着かねえんだよ。
精神的にまいってきた
かもしれねえ‥」
理人:「そしたら
早く行かないとね
(あ〜、昨日のだな)」
雅紀:「直弥はもういねえみたいだな」
理人:「え、また?」
雅紀:「ん?
こんなところに
置き手紙が‥」
理人:「きっと
直弥からだ。
何て書いてるの?」
雅紀:「え〜とだな…
《理人へ
しばらく旅に出ます。
捜さないでください
…お前らといた日々、
楽しかったぜ!
じゃあな!!
P.S.
明日頃
帰ってきます
直弥より》
って‥」
理人:「直弥のこと
だから無事に帰って
くるよ。きっと」
雅紀:「そだな。
直弥だもんな」
僕たち、はたから見たら
冷たい人って思われるのかな‥
理人:「雅紀、
持ち物持った?」
雅紀:「……あれ?」
理人:「どうかした?」
雅紀:「…ねえ」
理人:「何が?」
雅紀:「財布がねえ‥」
理人:「ええっ!
無くしちゃったの?」
雅紀:「そうみたい‥」
理人:「もう…
こうなったら
食堂のおばさんに事情を話して、
勘弁してもらう
しかないよ。
僕も一緒に謝るからさ」
雅紀:「すまねえ、理人。
恩にきるぜ」
コンコンコン…
誰かがドアを
ノックしてくる。
理人:「あ、はーい。
今出ます」
雅紀:「理人、
俺が代わりに出るぜ」
雅紀がドアノブを
ひねった
その瞬間だった。
?:「ひゃっほ〜!
グッドモーニン〜…
…ってあれ?」
雅紀はその軽快な声の
持ち主の突然の突撃に
耐えきれず、仰向けに
倒れていた。
?:「何やってんですか?
磯貝君?
こんなところで寝てると
風邪ひいちゃうぞ〜!」
雅紀:「…っ!
名字で呼ぶな!
黒輝!
ここらじゃ雅紀で
通ってるんだからよ」
黒輝:「じゃあ
磯貝君も私のこと
《在夢》って呼んでよ」
雅紀:「いいぜ、
在夢さんよ〜!」
在夢:「というわけで
↑の表記も変更〜!
元、黒輝で〜す!」
雅紀:「誰に言ってんだよ」
在夢:「雅紀君〜。
それを聞いたら
駄目だよ〜
暗黙の了解ってやつ」
雅紀:「わかりましたよ、
すみませんでしたー!」
在夢:「うんうん。
結構結構!」
理人:「…あの、
黒輝さん?」
在夢:「水無月君も
駄目だよ〜
強制的に今日から
《在夢》と呼ぶこと!
これ決定事項ね。
私も理人君って
呼ぶから。
これもまた決定事項!」
理人:「はあ……
あの、在夢さんは
何でこんな朝早く
こんなところに来たの?」
在夢:「よくぞ聞いて
くれました!
……きっかけはあの、
寒い寒い日の夜…
とまではいかないん
だけどね〜!」
雅紀:「結局何しに
来たんだよ」
在夢:「これ、
落ちてたから‥」
理人:「それ…
雅紀の財布じゃない?」
雅紀:「うおっ!
本当だぜ!
ありがとよ、黒輝」
在夢:「あ〜、
また名字で呼ぶ〜!
約束破るなんて、
…雅紀君の
ベリーベリーフール!」
雅紀:「何言ってんだよ。
意味わかんねえよ」
理人:「勉強不足
じゃなくて?」
雅紀:「痛いとこ
つくなよ…
…そうですよ!
英語なんて俺には
できませんよ!
でもよ、お前(在夢)
も俺と一緒ぐらい
できねえだろうが!」
在夢:「ぐっ!
雅紀君も痛いところ
つきますね〜!
…こうなったら!、
前話と続いて
正直つまらないと
思うかもしれないけど、
《あれ》をするしか
ないようですね〜!」
雅紀:「朝から景気づけ
にはちょうどいい
相手だぜ!」
理人:「雅紀も
在夢さんも!
時間ないよ!」
在夢:「おっと〜
忘れてました!
こんなことしてる場合
じゃなかった〜!
いっそげ〜!!」
在夢さんは全速力で
寮の階段を
降りていった。
在夢:「っと!
あ〜!!」
急ぎすぎて階段を
ころがり落ちて
しまった。
雅紀:「馬鹿めっ!
俺は黒輝と同じ道は
辿らねえぇぇ!」
雅紀は寮の階段を
あがっていった。
理人:「本当に
辿らなくて
どうするのさー!
言葉の意味
間違えてるからー!」
雅紀:「うおぉぉぉぉ!」
雅紀は全速力で
走っていった。
雅紀:「っと!
うあぁぁぁぁぁ!」
理人:「やっぱり
道辿ってん
じゃないのさー!」
ツッコミどころが
激しい朝でした‥
ハイテンションな女子
って、こんなもの
ですかね?
もしくはこれ以上?