第16話:偽りの現実
途中から夢の話に
なります。
直弥は倒れた。
END!
直弥:「……」
理人:「な、直弥?」
男子生徒:「おい、
直弥が負けたぞ!」
舞風:「…これで
よかったのか?」
女子生徒:「すごいです、舞風さん!」
雅紀:「お山の大将が
負けちまったな‥」
要:「我が眼を
疑うようだ‥」
直弥:「……ハハハ」
炎:「何か壊れだしたぞ!」
直弥:「ハハハハハハハハハ」
理人:「直弥、
しっかり!」
直弥:「俺は正常だぞ。
ただ‥」
理人:「ただ?」
直弥:「率直な話、
俺に並ぶ仲間が増えて
嬉しいのさ!
さあ、みんなも笑え!」
雅紀&要&炎:「…」
理人:「……ハハ」
炎:「お前まで壊れたか!」
理人:「ううん、
壊れてないよ。
直弥の言うとおり、
仲間が増えて
嬉しいんだよ」
要:「…ハハハ」
雅紀:「理人の言うとおりだぜ!
ハハハハハ!」
炎:「ククッ!
ハハハハハ!」
舞風:「ハッハッハッ
ハッハ!」
多分舞風さんなりの
笑い方なんだろうな。
直弥:「よし、
今日は無礼講だぜ!
乾杯だぁぁぁ!」
舞風:「付き合うぞ、
直弥とやら!
ハッハッハ」
2人は肩を組み合い、
そのままどこかに行ってしまった。
理人:「もう……
お酒は駄目だよー」
?:「お酒ですって?」
理人:「ん?…あ」
覚えているだろうか。
直弥と雅紀のコントの
ときに、
《つまらない》、と
一喝した白石という
生徒会執行部を。
白石:「あなたたちは
下校時間になっている
ことに気づいていない
わけじゃないでしょ?」
雅紀:「あ、お前は
この前の……
…会ったっけ?」
白石:「会いました。
つまらない2号」
雅紀:「俺は関係ねえよ!
あれは直弥のやつが‥」
白石:「知りません。
…今ある事実は、
下校時間になっても
あなたたちがまだ帰ってないということ
だけです」
雅紀:「おかてえ頭だな。
何だ?俺とやるのか?」
白石:「…馬鹿ね」
雅紀:「何だと?」
白石:「何度言わせる
つもり?
馬鹿ね」
炎:「馬鹿だな」
白石:「馬鹿ね」
炎:「馬鹿だな」
白石:「というよりも」
炎:「馬鹿ばっかだな」
雅紀:「うおおおおお!
なんか炎にまで
言われたぁぁぁ!」
白石:「あなた、
彼らの仲間にしては
なかなか気が
合いそうね」
炎:「まったくだ」
理人:「えーと…
じゃあ僕たち帰りますね」
白石:「この馬鹿も
よろしくね」
雅紀:「ば、え?
馬鹿…え?
ば、ばぁぁぁ〜!」
直弥以上に壊れて
きちゃったよ‥
寮
理人:「直弥戻って
きてるかな〜?
…ガチャ、ただいま〜」
直弥:「お、おう理人…」
理人:「…顔赤いよ」
直弥:「…ちょっと
ひっかけすぎたな」
理人:「本当に
飲んできたの?」
直弥:「酒はやっぱ駄目
だからな。
ジュース飲んですぐに
回転してたんだ。
酔うために…うぇ!」
理人:「しなくても
よかったんじゃないの?」
直弥:「今考えるとそうだ」
理人:「今日はもう寝よ?
雅紀はもう寝ちゃったよ
、壁に頭打ちつけながら」
直弥:「ああ、そうだな。
また明日だ」
理人:「おやすみ、
直弥」
僕たちは眠りについた。
そこで僕は思った。
こんな平和な日々が続くことが普通
なんだと…
火事だ。
家が燃えている。
見覚えはない。
…声が聞こえる。
声:「くそっ!
こっちも駄目か!
…理人、炎、
しっかりしろ!」
横に炎がいるのが
わかる。
でも体が動かない。
声もでない‥
…また他の声が
聞こえる。
声:「くっ!
直弥!!
理人と…連れて、
…に逃げろ!」
声:「できるわけね…ろ!
俺たちがいなくなったら…
…いつらはまだ
強くない!
俺たちが強く…と
駄目なんだよ!」
声:「直弥。
生きてくれ。
俺たちの分まで、
こいつらと一緒によ‥」
炎の中に影が
2つ見える。
もう来れそうに
なかった。
声:「…畜生!
……おい、未頼!
舞……、在夢!
いたら返事しろ!」
目の前が…白く…
消えていく…
色鮮やかだった…
記憶と共に‥
?:「…い、理人!
朝だぞ!起きろよ」
理人:「…雅紀?」
雅紀:「大丈夫か?
うなされてたぜ」
理人:「……夢か」
夢にしては鮮明すぎる。
まるで、すでに起こったように‥
《舞風 紫苑》
[まいかぜ しえん]
対人が多少苦手だが、
理人のおかげで
治りつつある。
足の速さに自信があり、
口調はどこか上から
感じる。
3年生ではなく、
2年生である。
まだ隠された趣味が
あったりなかったり‥




