第11話:不覚
唖然としている。
直弥:「これはほんの
気持ちだ。
ありがとな、未頼。
じゃあな」
直弥は何故か教室を
あとにした。
未頼:「……
2万円もらっちゃった‥」
理人:「あ、はじめに
渡したの回収するの
忘れちゃってるよ‥」
雅紀:「もらっときゃ
いいんじゃねえのか?
どうせ気づいてねえ
だろうし」
理人:「それもそうだね」
キーンコーンカーン
コーン、
キーンコーンカーン
コーン‥
未頼:「あ、じゃあ
また後でね〜」
理人:「う、うん」
放課後
未頼:「理人君〜」
理人:「どうしたの、
故時さん?」
未頼:「未頼でいいよ〜」
理人:「えーと、
じゃあ、未頼さん」
未頼:「直弥さん、
どこにいるか
知ってますか〜?」
理人:「そういえば
まだ戻って来てないな」
未頼:「そしたら、
あのさっき一緒にいた‥」
理人:「雅紀のこと?」
未頼:「どこにいるか
知ってますか〜?」
雅紀:「おう!
呼んだか?」
未頼:「みんな仲が
良いんですね〜」
雅紀:「そりゃそうさ!
なんてったって理人が
いるからな!」
雅紀が僕の首に手を回す。
理人:「痛いよ、雅紀」
雅紀:「おっとすまねえ」
未頼:「私も仲間に
入れてくれませんか〜?」
理人:「え!本当に?」
未頼:「理人君たちを
見てたら我慢できなくて〜」
雅紀:「よっしゃー!
…故時だったか?
もう俺たち、
ウィアスターズの
仲間だぜ!」
未頼:「ウィアスターズ?」
理人:「直弥が
作ったんだよ。
大学のサークルみたいな
ものでさ」
未頼:「楽しそうです
ね〜!
ウィアスターズには
他に誰がいるん
ですか〜?」
雅紀:「俺に理人に
直弥に要ってやつに、
炎っつう直弥の妹だ」
未頼:「妹さんが
いるんですか〜?」
理人:「1年生にね」
未頼:「会いに行って
きます〜!」
未頼さんはものすごい
速さで教室から
出て行った。
理人:「あっ…
どうしょうか、雅紀」
雅紀:「ほうっておいて
大丈夫じゃねえか?
あれなら」
理人:「そうだね」
ひとまずほうっておく
ことにした。
男子寮の入り口付近
理人:「…あのコントは
少しきつかったと思うよ」
雅紀:「やっぱりそうか。
周りから冷たい視線しか
感じなかったからな‥」
理人:「直弥にしては
失敗だね」
雅紀:「そうだな…って、
何か降ってきたぞ」
理人:「降ってきた?
…ほ、本当だ!
真っ直ぐこっちに
向かってきてる‥」
何だろう、あれは。
…ひとまず、
何か嫌な予感がする。
雅紀:「ぼう〜‥」
理人:「雅紀、
危ない!」
?:「どけ〜!」
雅紀:「……あ?
…ぐわっ!!!」
落下してきたものは
見事に雅紀の上に
降ってきた。
理人:「ま、雅紀!
大丈夫?」
雅紀:「ふ、不覚
だった、ぜ‥」