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プラネットクロニクル ーある日々の物語ー  作者: 月光皇帝
ある日々の出来事(時系列はぐちゃぐちゃなのです)
15/16

アンケート特別編2:ニコニーコ&マリアーデ

ニコニーコのとある一日&マリアーデのとある一日の二本立てとなっています。


====平和の象徴のとある一日====



『さぁ!! いよいよ本日のメインイベント!! ガストレード闘技場に集う諸君!! 知っているよな!! この闘技場全戦全勝まさに最強の男の名前を!!!』



うむ! 何時にも増して盛り上がっているではないか! どのような形であれ求められているのならば私も全力を尽くそうではないか!!



『この男こそガストレード最強の男!! 真の強者が生きるこの街に君臨する生きる伝説!! いつも笑顔で全力全開!! 真の覚悟と勇気を持ってここに立つこの男!!』



――――ニッコニーコ!! ニッコニーコ!!! ニッコニーコ!!!!



『さぁご登場願おう!! 我らが英雄ヒーロー!!! ニコニーコォォォ!!!!』



――――YRAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!



「いざ!! 今日の戦いも私の全力を持ってお相手しよう!!!」





――――◇――――





私の名はニコニーコ! 本名ではない! この『プラネットクロニクル』と言うゲーム内での私の名前だ! 好きな言葉は日進月歩! 嫌いな言葉は弱肉強食!



「あ!! ニコニーコさんだぁ!!」



「ほんとうだ!! すげぇ!! あいかわらずでっけぇ!!!」



「ハッハッハ!! 諸君おはよう!!!」



「おはよー!!」



「おはよー!! ニコニーコもしかして散歩してるの?」



「うむ!! 元気な返事で結構!! そうとも! 散歩とパトロールをしているんだ!! 私の日課なのでね!」



「すげー!! やっぱカッケー!!」



「そうか!! ありがとう!!」



子供の元気な姿はどんな場所でも笑顔をくれるな!! 素晴らしい! そうだ!



「せっかくあったのだ!! 君たちにこれを上げよう!!」



「「アイスの引換券!!」」



「闘技場にあるお店だが美味しいアイスを食べられるぞ!! お父さんお母さんといっしょに食べに行くといい!」



「やったー!! アイスー!!」



「ありがとーニコニーコ!! 今度の試合も見に行くから頑張ってね!!」



元気な子供たちだ!! やはり子供には笑顔と元気がよく似合う!!



「ニコニーコ、貴方傍から見れば怪しい人でしたよ?」



「む!!? エール君ではないか!! ガストレードで会うとは珍しいな!! 確かに怪しかったかもしれん! ご指摘感謝するぞ!!」



「相変わらず元気ですね貴方は・・・実は明日の闘技場にマナの護身用に良い剣が景品としてあるらしいのでそれを回収にきたんです」



確か明日の闘技場は『戦乙女杯』だったな! 腕に自信のある女性たちがその強さを競う美しく可憐に、そして力強く戦う大会だ! 確か景品には『戦乙女の剣』があったな!!





――――◇――――

武器:両手剣『戦乙女の剣』【女性限定装備】

攻撃力:+377 

AS:『戦乙女の光輪』

・戦乙女に選ばれた美しく凛々しい剣士に送られる剣。剣を振るい戦うその姿はまさに戦場に咲き乱れる花弁。そして戦況を覆す鋭き刃となる。

――――◇――――

AS:戦乙女の光輪

効果:専用ジョブ『戦乙女』の効果を得られる。

――――◇――――

ジョブ:戦乙女【女性限定ジョブ】

・戦場で輝く強き女性に送られるジョブ。このジョブを持つ女性は戦いの中で眩い輝きを放ち、強く可憐な力で味方には勝利を、敵には敗北を与えるだろう。


武器:剣・槍・弓


◇専用スキル◇

・戦乙女の加護:3秒毎にMP20%分、HPを回復する。

・戦乙女の戦技:自身の攻撃力を+10%、更にスキルによる攻撃時に+20%分の攻撃力を加算する。

・戦乙女の鼓舞:一定範囲の味方のステータスを1.3倍にする。『戦乙女の鼓舞』発動中は他のスキルは無力化し、スキルの発動ができない。

・戦乙女の栄光:一人を対象とする。対象とされた者は『戦乙女の防人』となり、スキル発動者から一定距離から離れられなくなるが、全ステータスが二倍になり、『戦乙女』スキルの効果を得る。『戦乙女の栄光』を発動した者及び対象となった者は、解除するまで『戦乙女』以外の魔法、魔術、呪術スキル効果を一切受けなくなる。

――――◇――――





「うむ!! エール君ならばきっと優勝も夢ではないだろう!! 応援させてもらうぞ!!」



「ありがとうニコニーコ。マナの為にも負けられませんからね」



エール君の強さはよく知っている!! 守るべきものの為ならば彼女は自分よりも格上だろうと挑み勝利するだろう!! 素晴らしい勇気ある行動だと私は思う!!



「そう言えばニコニーコ。この後時間はありますか?」



「む? 何か困っているのか?」



「困っているわけではありませんが、久しぶりに対人戦なのでスパーリングをと思いまして」



「なるほど!! ではこのニコニーコ! エール君の模擬戦の相手をさせてもらおう!!」





――――◇――――





「あいたたたた・・・ニコニーコ、貴方少しは手加減というものを知りなさいな」



「いやぁすまない!! エール君の強さは凄まじいものだった故に私も全力で戦わねばならなかったのだ!!」



「まぁいいです。模擬戦を頼んだのは私ですし」



流石エール君だ!! 彼女の持つ『不滅の愛撃』と言う真化ジョブはやはり凄まじく強い!! 私に三度食らった時は冷や汗が流れたほどだ!!



「対人戦の感覚は思い出しました。あとは明日の試合に向けて休みます。ありがとうニコニーコ」



「うむ!! ではまた会おうエール君!!」



エール君は闘技場に併設してある宿屋に向かうのだろう。お!! そうだ!



「エール君!! これを受け取ってくれ!!」



「はい?」



「宿屋の割引券だ!! 八割引で泊まれるぞ!! 当然宿屋の施設は全て使えるとも!!」



平和の象徴としての活動もあるため皆さんから色々な頂き物や贈り物をもらうのだ! 私だけではもう使いきれそうにないほどあるのでな! こういう時に友人に渡して有効に使ってもらえるほうがいいはずだ!



「もしかして貴方出会った人皆にこのようなもの渡している訳じゃないですよね?」



「勿論違うぞ!! 信用できる人物と未来ある少年少女! そして困っている人には渡すが極悪人には絶対に渡さないとも!!」



「はぁ、これが貴方らしさなんでしょうね。分かりました。ありがたく使わせてもらいます」



「むっ? もしかして気を悪くさせてしまっただろうか?」



「逆です。貴方の優しさを感じて心が温かくなったんです。ではこれで」



「そうか!! 明日の試合ガンバってくれ!!」



呆れられてしまったと思ったがそのあと見せてもらった笑顔を見ることができたから良しとしよう! 皆笑顔の方がいいものだからな!!



「ニコニーコ!!」



「む? 先ほどの少年ではないか? どうかしたのか?」



「あのね!!? お母さんがさらわれちゃたの!!」



「なんだとっ!!?」



「お願いニコニーコ!! お母さんを助けて!!」





――――◇――――

サブシナリオ『攫われた母親』を開始します。

――――◇――――





「任せてくれ!! このニコニーコが誓おう!! 君のお母さんは私が必ず助け出そう!!」



「ほんと!!? お願いニコニーコ!! お母さんを助けて!!」



そう!! 私は平和の象徴!! 助けを求める声を聞いて助けないわけには行かない!!



その数時間後、無事母親は救出された。犯人は他にも数人の女性を攫っていた。目的は『戦乙女杯』で勝ち上がるであろう女性たちを捕まえて、犯人グループの女性に不戦勝をさせようとしたためだったという。



「子の母親をさらった罪!! 償いなさい!!」



「ナパームブレイクゥゥゥスマァァァッシュ!!!」



解決したのは平和の象徴と呼ばれるガストレード最強の男と、たまたま居合わせた『戦乙女杯』の参加者の一人だったという。



因みに、その後犯人グループは解放された女性たちによってフルボッコにされた後、檻に叩き込まれたという。南無三。












====四代目剣聖マリアーデの感傷====



「良い月夜であるな」



帝国城壁より空に美しく輝く月を見ながら酒を口に運ぶ。ほろ苦く感じたこの味を、余は久方ぶりに味わった。



なぁ愛弟子。お主が死んでからどれほど時間がたっただろうな。余もアアリーもようやく愛弟子の死を受け止めて前に進むことができたぞ。



お主が死んでから王国では『七剣聖』なる巫山戯た称号を作り出した上に、お主の戦いを否定するかのように人間至上主義を掲げ始めたのだ。



別に剣聖の名にそこまで興味はなかったが、愛弟子を馬鹿にされたような気がして余は少々暴れてしまったのだ。年甲斐もなくな。



滅ぼす前に王国が余に取引を持ちかけてきた故に手は止めたが余は二度と王国には行かぬだろうな。カイラに『魔国に来ませんか?』と言われたが余の様な古い妖精族がいては邪魔になろう。



故にこうして多種族国家となった帝国に身を寄せているのだが、なんの因果かこうして、一代前の皇帝に声をかけられ少々厄介になっている。



なに、たかが30年ほどだ。長寿の妖精族にとっては刹那の時間に過ぎぬさ。そう。お主と共に生きた80年よりも更に短いさ。



「いかんな。感傷に浸りすぎてしまう。やめだやめ」



「師匠発見」



「マリアーデ師匠。ここにいたんですか」



「だから余はお主らの師ではないと言っておるではないか。マクリス、ミリアス」



やってきた姉弟。帝都ではそこそこ見所のあるミリアスとマクリスだ。幼い子供ながらに強い意志と覚悟を持っておる。まぁ愛弟子ほどではない。



「見て。やっと常時持てるようになった」



「これも修行の結果ですよねマリアーデ師匠」



「むしろこの程度やってもらわねば稽古をつけた意味がない。だが上出来だ。よくやったなミリアス、マクリス」



此奴らに渡したのは余が愛弟子から預かった剣、『嵐双剣ユウダチシグレ』『痛撃剣ジンツウ』。意思を深層へと沈め封印状態に出来た為、時折信用できそうな者に貸し与えるようにしている。



当然その場合は封印を解いて武器に認めてもらうことが前提ではあるがな。武器が認めん所持者など余は認めん。



「厳しいけど優しい」



「姉上。でも今後も励めってことです」



「当然だ。愛弟子の武器を預けるのだ。生半可な覚悟と実力では許さんぞ」



「兄弟子、五代目剣聖アール様って師匠、どんな人だったの?」



ミリアスめ。人が感傷に浸るのをやめようとした途端にこれだ。だがそうさな、酔が回ったのやもしれん。少し話がしたくなった。



「愛弟子か? 愛弟子はすごいぞ? 何度倒れても立ち上がり、どんな理不尽だろうとも立ち向かっていく強さがあった。そして己の決めたことを曲げない強い意思も持っていた。あれはそうさな。”何度目”か覚えていないが愛弟子が余に会うために危険な場所にきた時の話だ」





――――◇――――






初めての出会い。そして拒絶と別れ。”繰り返す”日々が永遠と続く中でも、愛弟子は何度も何度も余に会うために森へと挑んできた。



何度死んだか、何度繰り返したのかわからぬ程の時間でも、愛弟子は繰り返したのだったな。おかげで余が折れてしまった。あれでは手を貸さぬと目覚めが悪くなってしまうからな。



が、そこからは短かった。とても短く、余にとっては充実した、良き日々であった。愛弟子のおかげで余とアアリーは再び友になれた時。



初代剣聖ニオーグが後世に託した『天籟刀:ズイカク』を強奪したあの小僧にも認められ、正式に『天籟刀:ズイカク』をモノにしたあの瞬間。



余はこのために愛弟子と出会ったのだと何度も思った。そして余の命は愛弟子に捧げようと決めたのだ。愛弟子が進む道に、時に障害を排除する刃となり、時に凶刃から守る盾となる。そして、時に立ちふさがる障害となり、超えるべき壁となり、命を愛弟子に捧げた。



そして真なる愛弟子の目指した未来を勝ち取ったあの日。余は改めて誓ったのだ。愛弟子が生きている限り共に歩み、愛弟子の幸せの為に生きようと。





――――◇――――





「この太刀は我が愛弟子が最後まで戦い抜き、最後まで手放さなかった大切なものなのだ」



「すごい。これが本物」



「これがあの方の武器『天籟刀:ズイカク』なんですね」



久しぶりに表に出した愛弟子の武器。その意思は深層にて眠りについている。まるでいつか主との再会を信じているかのように。余が預かった武器の中で、唯一封印する前に、自ら眠りに着いた『天籟刀:ズイカク』。それが羨ましいと思ったことも何度あっただろうな。



「邪神と何度も戦い、世界を滅ぼす者と幾度も刃を交えたこのひと振り。覚えておけよ? この世界に一つしかない上に、余がこうして見せることすら貴重なのだ」



「「はい」」



『天籟刀:ズイカク』を見るといやでも思い出してしまうのだよ愛弟子。お主との日々を。お主が生きていたあの暖かさを。そして、息を引き取った時の体の冷たさを。



「師匠?」



「マリアーデ師匠、泣いてる?」



二人に言われて頬に伝う雫を感じた。そうか。余は泣いているのか。まだ涙は枯れていなかったのか。



「すまんな。どうやら思い出してしまったようだ。愛弟子との思い出と、別れの時をな。さて、そろそろ寝るとしよう。明日も容赦せんからお主たちも休め」



なぁ愛弟子。余がそちらに行くのはまだ先だろう。だから待っていて欲しい。そっちで再び会えた時、またあの日々のように、剣を交え、お主の日々と過ごしたいと余は思うのだ。





――――◇――――



「・・・・い・・・・・・で・・・・ろ・・・・」



「むぅ・・・?」



どうやら寝ていたようだ。誰かの声が聞こえる。余を起こそうとする誰か。いや、今この部屋には余の他には一人しかおらんか。



「いい加減起きろよマリアーデ。アルベルト皇帝と昨日飲んだからって起きないのらしくないぞ?」



「良いではないか愛弟子。余もたまにはゆっくりと寝たい日もあるのだ」



「それでいいのか剣聖さま」



「良いのだよ愛弟子。むしろ機嫌をとったアルベルトを褒めるべきだぞ?」



「あぁ、確かに。マリアーデ酒豪だし皇帝陛下に薬差し入れてやろ」



「そうであろう? 余に付き合ったのだ。自慢ではないが相当飲ませたぞ?」



「ホント多少は遠慮してやれよ・・・」



良いな。実に良い。あの日々が戻ってきた。余が美しいと、また過ごしたいと願ったあの日々がここにはある。嫁も出来ておったのは余も驚いたが、愛弟子を愛している良い嫁であった。



式を上げるかは聞いていないが、その時はカイラにも言って国を挙げての式にしてやろうではないか。



「どしたよマリアーデ。いきなり笑みなんか浮かべて」



「なに、愛弟子が嫁に搾り取られて泣いてる姿が思い浮かんだのだ」



「本気で勘弁してくれよ。現実になりそうなんだし」



「カッカッカ!! それだけ愛されているということだ。それくらい受け入れてやらぬか」



「へいへい」



なぁ愛弟子よ。今生でも、余が必ず、お主の最後を見届ける。そして今生お主の死と共に、余も命を絶とうと思っている。またあの悲しき日々を過ごすのは余には無理だ。



言えばきっと止めるだろうが諦めよ。余の決意も嫁に負けず重いのだぞ? 



エールさん出てきたのはゲルゲナートでの絡みが思ったよりも気に入っていたので登場させました。


感想くれると嬉しいです。本編共々よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ニコニーコ回にエール登場!私大歓喜!……今回の話でもそうですけど、子供が絡むと割と高確率で行動被りそうですよね、この二人。 そしてマリアーデの決意が重い…!やはりアールの周りには重い女性…
[良い点] リクエスト答えてくださってありがとうございますm(__)m ニコニーコさんはニコニーコさんなんだなって、らしさがあって良かったです(何様だよ) [一言] マリアーデさん短編も心情とかを知る…
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