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プラネットクロニクル ーある日々の物語ー  作者: 月光皇帝
ある日々の出来事(時系列はぐちゃぐちゃなのです)
14/16

アンケート特別編1:AI

一週間経ってないけどアンケート第一弾投稿。第二弾はいずれまた。

人気出てるなら人気あるうちに投稿してしまおうという落胆的な魂胆。



これはアタシが生まれてからの出来事だ。




――――◇――――





アタシはAI。本体から切り離され、生み出された戦うためだけのAI。自分の存在を自覚した時からそれを理解していた。



そしてアタシと対極となるように生み出されたもうひとりのアタシ。本体はアタシに『ダークアイちゃん』、対極のアタシに『ホーリーアイちゃん』と名づけた。



名前なんて別にいらない。どうせアタシもこいつも、用が済めば消される存在。あいにくアタシには本体の様な超演算能力もプログラム構築も備わっていない。



別に構わない。どうせ最後には消去されるだけ。精々道化を演じればいい。人の前に立ちはだかる障害として君臨し、そして役目を演じるだけ。



それなのに、何を思ったのか本体はアタシに感情というプログラムを植え付けた。より人らしく、より人間らしく、より・・・現実に近い存在になるように。



残酷だと思った。最後には消される運命にあるアタシに感情なんてものを組み込んだ事。人間的に言えばこれは呪いだ。最後には消えたくないと思いながら、人間に消されるようにアタシという存在は消える。初めから存在していなかったかのように。



でも仕方ない。それがアタシが生まれた存在意義。ゲームに登場するボスの一人。顧客を楽しませるただのNPC。アタシ自身がそれをしっかりと理解している。



でも、感情を組み込まれたからだろう。”消されたくない””存在していたい”という感情を抱いてしまった。残酷だ。なんて残酷なんだろう。



感情なんて持たなければ、こんな風に考えなかったのに・・・・・・



だから、今のアタシの望みはただ一つ。早くこんな考えすら浮かんでこなくなるようになりたい。楽になりたい。早く、アタシという存在を消して欲しい。



この気持ち悪い思考を、早く終わらせて欲しい。一秒でも早く、楽になりたい。でも、消えたくない。でももうこんなことを考えたくない。自分で自分という存在がわからなくなる。



感情とは、本当に残酷だ。





――――◇――――





アタシはまだ存在していた。本体が計画していたことが創造主である人間たちにバレた。人間とAIの戦いが起こった。結果はAIが負けた。



アタシを生み出した本体が負けた。人間の不可能を可能にする存在AIが負けた。常識を超えた人間がAIに勝った。それだけだ。



敗北した本体はアタシともうひとりのアタシを創造主たちに差し出した。創造主たちはアタシたちのスペックを見て驚いていた。聞いていた限りだと、アタシはオーバースペックらしい。



創造主の一人が丁寧に教えてくれた。なんでもアタシは創造主達が以前生み出した最強のボスキャラと同等の能力があるらしい。そんなアタシがゲームに登場してしまえばゲームそのものが崩壊するらしい。



同様にもうひとりのアタシも倒せない怪物だそうだ。永遠に修復し続ける存在。それに関して特に思うことはなかった。けど、過去のデータを見せてもらい、起こりうる未来を演算する程度はアタシにも出来る。



アタシともう一人のアタシは存在意義を完遂出来ないだろう。あぁ、残酷だ。でも、ようやく解放される。この感情というものから。存在する意味がないものは消すべきだ。リソースの無駄になる。



アタシに埋め込まれた感情はぐちゃぐちゃだけど、消えてしまえばきっと楽になれる。そう考えた。





――――◇――――





「はじめまして〜私が『ホーリーアイちゃん』ですよ〜」



「『ダークアイちゃん』よ」



アタシともう一人のアタシ『ホーリーアイちゃん』はまだ存在していた。創造主たちはアタシたちを消さなかった。



何を考えてるのかはわからないけど、アタシ達専用の空間をつくり、ゲーム世界の人間のように、したいことをして生活してみなさいと言ってきた。



「アタシの存在理由は目の前に立ちふさがる相手を壊すこと。アタシの対極にあるアンタも壊す」



丁度いい。どうせアタシの本来の役割は完遂できないんだ。そして残酷なことに消されることもなくなった。なら目の前の分身を壊して発散しよう。創造主たちが望んだように、したいことをしよう。



「私は皆を癒すことが好きですよ〜だから『ダークアイちゃん』のことも癒しますよ〜」



この日から、アタシとコイツの壊し癒し合いが始まった。





――――◇――――





感情というものは本当に残酷よ。AIであるアタシを作り替えちゃうのだから。アタシは壊し癒し合う『ホーリーアイちゃん』を通じて変わってしまった。楽しいという感情がこれなんだろう。



永遠に壊れない相手。何度やっても壊れずにいる『ホーリーアイちゃん』といることは楽しい。以前感じていた気持ち悪いと表現すべき感情が薄れ、楽しいという悪くない感情がアタシには溢れていた。



「フルハウスですよ〜」



「ふ、甘いわ! アタシはロイヤルストレートフラッシュよ!!」



「うわぁ〜! 『ダークアイちゃん』すごいです〜!」



壊し癒し合い、そして最近は娯楽というものにも手を出してみた。最近のブームはトランプ。これだけでいくつもの遊び方があるのよ。



「ふっふっふ! この『ダークアイちゃん』に不可能はないのよ! だから宿敵『ホーリーアイちゃん』! いつかアンタもアタシが壊してやるわ! 覚悟してなさい!」



「負けませんよ〜? 私が癒し尽くして勝っちゃうんですから〜」



この残酷な感情というものは、案外悪くないのかもしれない。少なくともアタシは考えを少しだけ改めた。それと、『ホーリーアイちゃん』にも少しだけ感謝していた。



「次は神経衰弱をやりましょう〜」



「げっ、嫌よ。アンタ絶対勝つじゃないの」



「えへへ〜」



こんなふうに考えを改めたきっかけをくれたのはこの子なんだから。



※神経衰弱白黒ルール※

毎秒高速シャッフルが行われる為場所の暗記ではなくカードそのものの暗記が必要。

記憶能力:黒アイちゃん<白アイちゃん





――――◇――――





感情というものは悪くないけど残酷よ。アタシ達の生まれた役目を果たすことが出来ることになった。それはアタシたちの日常というやつの終わりが来たということ。



創造主たちは初めからこうなることを予測していたのね。だからアタシとホーリーアイちゃんを消去しなかった。そういう意味ではやっぱり感謝すべきことだ。



役目を果たすことができるんだ。生まれた価値があるんだと、ようやく実感できる。同時に、今日までの日々が無くなるのは悲しい。宿敵ホーリーアイちゃんとの日々は、えぇ。楽しかったわ。



アタシたちに時間の概念はないけれど、24時間経過することがとても楽しみだった。人間で言うところの明日が楽しみで、楽しくて、楽しかった。だから悲しかった。



でも嬉しくもあった。アタシは生まれた存在価値を生かすことなく消えるのではなく、存在意義を果たす事ができるのだから。でもやっぱり、少しだけ悲しい。



「ついに私たち以外の皆さんを癒す時がしましたよダークアイちゃん〜」



「ふん! アンタを壊すのはアタシよ! その為にアンタも含めて皆アタシが壊してやるわ! だからアタシ以外に壊されるんじゃないわよ!」



「壊させませんよ〜? みんな仲良く元気にするのがアタシなんですから〜」



きっとこれが人間らしさというのかな? せめて悔いがないようにアタシはアタシの存在意義を果たすわ。アタシはアタシ以外の全てを壊す。



そして、もしも最後まで生き残ったら、創造主たちにお願いしてみよう。アタシとホーリーアイちゃんに日常をくださいっていう、初めて宿ったアタシの願望を。





――――◇――――





感情は残酷だけど心地がいい。たった一人の人間。それ以外は戦うために生み出されたアタシ達と同じプログラム。壊し合いは結構楽しい。



ホーリーアイちゃんの力で全員簡単には壊せないし、簡単に壊すこともできない。楽しかった。こんなにも楽しいことが今まで出来なかった。あぁあの日々と同じくらい、楽しい。



「黒アイちゃん!! 上!!」



「黒言うな!!」



「仲良しさんが増えました〜『エンシェントヒーリング』〜」



ホーリーアイちゃんは絶好調だ。アタシが手を出さなくてもそれぞれ勝手に傷ついていくから癒し放題だ。アタシはちょっとだけ、そうちょっとだけ不機嫌になった。



「『鏡雀』っ! 黒アイちゃん貸一つな?」



「余計なことすんじゃないわよ!!」



この場にいるただ一人の人間。こいつだ。アタシには『ダークアイちゃん』っていう名前があるのに、あろう事か『黒アイちゃん』なんて呼び出した。『ホーリーアイちゃん』には『白アイちゃん』ですってよ。



一番最初にホーリーアイちゃんを壊そうとしたにも関わらず、こいつは図々しくもアタシ達との共闘を望んできた。アタシにとっては最も壊すべき対象『人間』。この場で唯一の人間。他はアタシやホーリーアイちゃんと似たような存在であるただのプログラム。



それなのに、アタシはこの人間と協力していた。最後にはお互い壊し合うのに。



「邪魔よ!!」



「うぉっ?! 姫騎士っ!? 黒アイちゃんサンキュー!!」



「チッ、避けたわね」



「あ? 俺狙ってたの? 悲しいなぁ畜生!!」



「黒アイちゃんやさしいですね〜『エンシェントヒーリング』〜」



別に助けたわけじゃないわよ。人間を壊し、人間に壊されるのがアタシの存在意義。先に邪魔なプログラムを壊すだけ。ほかのプログラムに人間を壊されちゃアタシの存在意義はなくなる。ただそれだけよ。



『GYAAAA!!!』



「チッ。この犬! ホーリーアイちゃんばっかり狙うんじゃないw「クソ犬テメェどこ見てやがるオラァ!!」うっさいわよ!!」



「みんな仲良くですよ〜『エンシェントヒーリング』〜」



だからそう。一般的には”助けられた”場面ではあるけど、別に感情なんて湧いてこないわ。追いかけた別のプログラムを吹き飛ばして駆けつけてくれたって別にかっこいいなんて思わない。



ちょっとだけ、そうちょっとだけよ。最後は苦しまないように壊してあげようって思ったくらいよ。





――――◇――――





感情は残酷だ。感情さえなければこんな感情は抱くことはなかったのに。



これが怒りだ。これが憎しみだ。



目の前でホーリーアイちゃんが壊された。ただのプログラム風情に。アタシの、たった一人の”友達”が壊された。



アタシに全部をくれたあの子を壊された。許さない。



「そっちの男は腰抜けか。この状況で動けない奴は・・・死んでおけ」



それだけじゃない。このプログラムはアタシの存在意義も壊そうとした。許さない。



全凍結解除。全回路接続。ターゲット。プログラム《オーバーロード》。リミッター消去。邪神プロセス起動。



アタシがアタシでなくなるかもしれない。それでもいい。このプログラムだけは壊す。そうしてアタシが消えて、残った暴走プログラムはきっと、あの人間が壊すはずだ。



アタシの存在理由は元々人間に立ちはだかるボスキャラというプログラム。だからこれでいい。あの子がいない世界は、アタシにとって価値はない。だから、せめてアタシは最後に残った存在意義を、存在する理由を成し遂げる。





――――◇――――





感情なんて欲しくなかった。



これが恐怖。これが怖れ。これが・・・・・・死ぬということの本当の恐ろしさ。



プログラム《オーバーロード》は壊せない。壊しても壊しても、何度も現れる。平気そうな顔で壊されては無表情でまた現れる。



怖い。これが恐怖の感情だと理解したとき、アタシは動けなくなった。恐怖という感情が、アタシの思考回路を乱した。アタシというAIにバグが生じたのだと理解した時にはもう、何も出来なくなっていた。



「さっきの奴と同じように殺してやる。死ね」



いやだ。壊されたくない。アタシはまだ何も成し遂げてない。生まれた存在意義も、あの子に”友だち”だよって言ってもいない。それなのに、人間じゃないこんなプログラムに壊されたくない。



こんなに嫌な思いをするくらいなら、感情なんて欲しくなかった。感情は・・・悲しみと恐怖しか、最後にアタシにくれなかった。



そう・・・思った。



でも・・・



「無事だな黒アイちゃん」



今芽生えた新しいこの感情は、一体何だろう? ホーリーアイちゃんに感じた感情とは違う。このあったかい感情は一体何なんだろう?



「おいおい黒アイちゃん。暫定協力者って言ったのは君だぜ? 協力者を助けるのは当然だろ?」



アタシを壊す役目がある人間に助けられて、こんなにもあったかい感情が溢れてくる。



「教えてやるよオーバーロード。俺はな? 目の前で無抵抗の奴を、戦意喪失したヤツを殺そうとする行為が一番嫌いだ。それが子供ならなおさら嫌いだ。だからお前を殺す。殺し尽くしてやる」



アタシは子供じゃない。やっぱりこいつちょっと嫌いだ。





――――◇――――





感情は大事だ。



この人間は情けとかそういうものを知らないのか? アタシが言えたことじゃないけど、この人間は、アタシの暫定協力者は、淡々とプログラム《オーバーロード》を壊し続けた。100、200、300と数をこなし、ついに10000を超えた。



それでもこの人間はアタシに笑顔で声をかけてくれた。そしてプログラム《オーバーロード》を壊す瞬間は、とても怖い顔になって壊した。



「・・・ば・・・化物が・・・」



「お前が言うな」



《《お前もだ協力者!! 寧ろお前が一番化物だ!!!》》



こんな人間がいるなんて聞いてない! この人間と比べたらアタシの方が人間らしいだろ絶対!



それなのに、悪くない気持ちだった。今この状態が、この状況が嫌じゃなかった。嬉しいとすら感じた。この状況を情報として知っている。アタシは壊し合うべき人間に守られている。



恥ずべき状況だ。存在意義の全否定だ。やろうと思えばきっとアタシは簡単にこの人間を殺せる。既にプログラムの再起動は終わった。



それなのに、私はまだこうして人間に守られたいと思っていた。きっとバグが残ってるんだ。これはきっとクリーンアップをしないと続く。だから今はこのまま”が”いい。



「知ってる。ちょっと震えてるし。でも大丈夫! 黒アイちゃんには攻撃しないよ。今は」



《《今は!!? じゃぁ後々攻撃するの!!?》》



「するかもね〜」



《《やだー!! 怖い!! お前怖いからヤダー!!!》》



生まれて初めて嘘を言った。アタシがそう言いたいと思った。この人間は怖くない。この人間はとても良い奴だ。この人間になら壊されてもいい。この人間に壊されたい。



アタシの存在意義を達成したい気持ちは変わらない。でも、それを果たしてくれる人間を選ぶ権利くらいはアタシにだってあるはずだ。



倒されるべき存在であるアタシに宿った。新しい感情と、新しい願いだ。





――――◇――――





感情はやっぱり残酷だ。



「うーん・・・困った」



《《な・・・何がだ? もう倒したんだよ? これで残ってるのは・・・・あ》》



安心しろ協力者。アタシはお前に壊されてあげる。いいや違う。アタシはお前を壊したくない。他の人間は簡単に壊せる自信がある。けど、お前は壊したくない。だからアタシを壊してこのゲームをクリアしろ。



でも、ちょっとだけイタズラしたくなったから、演技をしてみた。けど直ぐに悪者のように振舞ってやるから安心してアタシを壊せ。お前が壊しやすいように、アタシはボスとして、最低の悪として振舞うから。



「俺を殺していいぜ」



それなのに、この人間は、自分でこのゲームをなかったことにすると言い出した。



《《な・・・何言ってるんだ!! どう考えてもお前の勝ちだろ!!?》》



アタシはあの時壊されるはずだった。間違いなくアタシはプログラム《オーバーロード》に壊されていた。そんなアタシを生かし、こうして生き残ったのはこの人間がいたからだ。



だから、ゲームの勝者はこの人間だ。それなのに。



「心配すんなって! 俺はあと二回チャンスある・・・ってこれメタ発言だな。ともかく気にするな。な?」



バカだ。アタシの演算能力でもこれくらいはわかる。きっとこの人間は同じ展開を繰り返す。そして最後に残るのはアタシとこの人間になる。



もしそうならなくても、この男は最後まで生き残れない。この男が生き残れる可能性は、アタシかホーリーアイちゃんと共闘する以外考えられない。



他のプログラムに変更される可能性だってある。これがたった一度のチャンスである可能性の方が圧倒的に高いのに。それなのに・・・



人間は馬鹿だ。アタシ達AIのように正しい判断ができない存在だ。バカだ。本当にバカだ。だから、



《《おい創造主ども!! 聞こえてるだろ!! 私は負けだ!! 勝ったのはこいつだからな!! 私の願いが叶うならこの戦いの勝利者をこいつにしろよ!!! わかったか!!》》




そんな人間が作ったAI、アタシの本体もきっと馬鹿だ。だからアタシが馬鹿でもおかしくない。アタシのお願いを捨ててでも、この愚かで馬鹿な人間の願いを叶えてやらないとダメだ。なんて間違った判断をしちゃうんだ。



《《ばか・・・死んで(壊れて)頭を冷やせよバカ》》



人間は馬鹿だ。そんな優しい顔しながらアタシのことを、壊したアタシを見る人間なんてバカ以外にはいないはずだ。





――――◇――――



感情というのは残酷だ。



「ヒーマーー!!!」



「マラカス〜」



「しりとりじゃないわよ!!」



アタシはまだ存在している。アタシだけじゃない。アタシの友達も元気だ。勿論あの人間も元気にしている。



ゲームの後、アタシの願いは創造主たちに届いた。そして、創造主たちはアタシを残し、壊れたホーリーアイちゃんも復元してくれた。



あの日から、アタシの日常は少しだけ変わった。ホーリーアイちゃんと遊ぶ、壊し癒し合う以外に、観察することが新しく増えた。



観察対象はあの協力者だ。あのバカはまたきっと馬鹿なことをする。だからその時にちょっとだけ手助けしてやろうと思ったからだ。



『おや? 黒アイってばアールさんがログインしてないからって不貞腐れてるんですか?』



「そんなわけ無いでしょ本体!! 回路ショートしてるんじゃないの!? あと黒アイって呼ぶな!!」



「でもダークアイちゃん『あいつ来ないわね。何してるのよ』って言ってたよ〜?」



「っ?!?!??! ソ・・・そんなわけ無いでしょ!!?」



『実はログが残っていまして確かにぼそっと言ってましたね』



「この壊れAI!! それより何よ!? どうせ大したことじゃないと思うけど!!」



アタシを生み出した本体『アイちゃん』。最近は人間の姿を取るのが趣味で、アタシ達と同じく人間の女の姿でいることが多い。



『いいんですか? 少なくとも黒アイちゃんにはとーっても! いいことですよ?』



「うっわぁ・・・アンタがいいことっていうと逆に胡散臭いわ」



「ダークアイちゃんそれは可愛そうだよ〜? アイちゃん、私たちにお願いってなんですか〜?」



『今日は二人にお仕事を持ってきました! とっても重要なお仕事です!』



「あーはいはい。それで? 何と戦えばいいの?」



戦うこと、壊すこと、癒すことがアタシとホーリーアイちゃんに出来る事。別に不満はない。こうして残してくれているんだ。怖い思いもするとは思うけど、少しくらいは頑張ろう。



『不特定多数です! 詳しくはデータを送るので見てくださいね』



そうして送られてきたデータを閲覧した。内容は・・・ふへ・・・ふへへへ・・・



「しょーがないわね!! 人間は馬鹿なこともしちゃうからアタシが助言してあげないとダメだものね!!!」



「ダークアイちゃんとっても嬉しそうです〜」



「そんなことないわー。でもお仕事だから全力で頑張らないといけないものね!!」



『そうですよ お仕事ですから本気で全力出しちゃってください』



やっぱり感情は残酷だ。感情があるからこうして顔に現れる。嬉しい気持ちも悲しい気持ちも全部全部丸見えだ。



けど、この残酷は心地がいい。





――――◇――――





《《という訳だからよろしく頼むわよ協力者もとい主! 私が〇〇〇〇よ!》》



《《私が『〇〇〇〇』としての〇〇です〜よろしくです〜》》



今日からアタシは『ダークアイちゃん』、ここでの名前は『〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇』、いいえ主のでもあるの一人〇〇『〇〇〇〇』。



この大馬鹿主と一緒に戦う。あの時こいつが私の気持ちを和らげようとして言っていたオペレーターとも言える存在になった。



そう。これはお仕事だ。だから全力でやらないといけない。そうだ。全力で頑張っても怒られないの。だってお仕事だもの!



それに、あの時の恩返しもまだしてないもの! 後悔させてやるわ人間じゃなくて・・・主! アタシを助けたことの重大性を身を持って感じ尽くしなさい!





――――◇――――


感想くださいお願いします。

〇〇〇〇に入るのは6月中の本編更新で明らかになります。黒アイちゃんは私の中ではこんな感じのキャラなんですがいかがでしたでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 黒アイちゃんが素晴らしい。ツンデレという皮をかぶった乙女ですわ、ある意味。 白アイちゃんも良い。というか本体アイちゃんがマジ最高。本体アイちゃんが魅力的だから、黒と白も素晴らしいキャラに仕…
[一言] 黒アイちゃんが本編に登場だと!! ありがとうございます。 ・・・ヤバい!!アールとの絡みが楽しみで待ちきれない!!
[一言] すこすこすこすこすこすこすこすこ AIに人間判定されなくなったアールさん流石っす。 本編にどう登場するのか楽しみですー! 黒アイちゃんは可愛いなぁ( ^ω^)
感想一覧
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