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プラネットクロニクル ーある日々の物語ー  作者: 月光皇帝
ある日々の出来事(時系列はぐちゃぐちゃなのです)
1/16

ある日々その1:ルークのとある一日

短編完成。まずはルーク編



VRゲームといえばもはや世界で知らない人はいないもの。



VRゲームの発達が僕たちの生活や考え方を大きく変えていった。病院での治療もそうだし学校での勉強や会社の話し合いとかにも影響を与えたみたいで、僕たちの生活は少し前よりも便利になってる。



たまたま応募した子役オーディションで合格して、気が付けば有名子役と言われるようになっていて、普通の小学生じゃ考えられない日々を送っていた。



けど最近ワガママを言ってお仕事はお休み。今はこうして普通の小学生をやっている。



「ねぇねぇリューくん!!聞いてるの?」



「あ・・・ごめんね田所さん。聞いてなかった」



「もー!!怒るよ!!それと田所さんって言わないでよ!みーちゃんって呼んで!!」



「いやいや・・・だって恥ずかしいし」



「リューくんの反抗期だぁ・・・・」



下校中。僕は幼馴染の田所京子さんと帰り道を歩いてる。



あ、自己紹介が遅れました。僕の名前は新藤竜也って言います。ついこの前まで子役でいろんなドラマとかCMとかに出てました。最近ちょっと色々あってしばらく子役は休業中です。



「まぁいっか!リューくんが昔みたいに戻ってくれたし!」



「そう・・・かもね。色々あったし」



「後はみーちゃんって呼んでくれたら昔と同じだね!だね!!」



「いや、それは絶対に呼ばないから」



僕より元気があるんじゃないかな田所さん。近所で友達だからほぼ毎日こうして帰っているけど本当に飽きないよね。



「それで何の話だっけ?」



「むう・・話そらされた気がする・・・まぁいっか!それでね!!私もついにお母さんからゲームしていいよって言ってもらえたの!!」



前からずっと『お母さんにゲーム禁止令』出されてたみたいで毎日のように僕に文句を言っていたのだ。



ゲームのしすぎでテストの結果が20点だったらそれはそうなるよね。僕?勿論92点だよ。毎回100点とかないない。



「へぇーよかったね」



というかゲーム禁止になんてされたくないからちゃんと勉強だけはする。バカ師匠もやることだけはちゃんとやれって言ってたし。



「それでね!お母さんがね!『テスト頑張ったからゲーム買ってあげる』って言ってくれたの!!それで今日帰ったら直ぐにやるんだ!!」



「ふーん。何買ってもらったの?」



「聞いて驚きなさい!!なんとね!!『プラネットクロニクル』なんだよ!!クラスの皆が面白いって言ってる大人気ゲームなんだよ!!!」



「っ!!そ・・・そうなんだー・・・ヨカッタネー」



「いいでしょー!!もう朝からずっと楽しみだったんだよ!!明日からお休みだからずっとやっちゃうんだもんね!!」



「ガンバッテネー」



「おやや?羨ましいんだ?リューくんならお願いしたら買ってもらえるんじゃない?そうだ!買ってもらって一緒にやろうよ!!」



「き・・・気が向いたらね」



「むふふ!!毎日面白いところをお話してリューくんも欲しくなるようにしちゃうんもんね!!」



いや、面白いのは知ってるし。僕だってほぼ毎日やってるくらいには好きだし。









「ただいま」



「竜也おかえりー」



玄関からリビングにいくと男物の服を着たバカ姉貴がソファーでポテチ食べながらテレビを見ていた。



「・・・・バカ姉貴なんでそんな格好してるのさ・・・・」



「あぁこれ?たまにはいいでしょ?この前テレビで着た時結構良かったのよね」



「だからってうちの中でそんな格好しないでよ!!?」



「いいじゃない別に。オフなんだから」



僕の姉、新藤ゆかり。こんなダラダラしてるけど世界的に有名な女優です。こんなダラダラしてるけどね!!



「世界中にこの姿を見せてやりたい」



「人気すぎて世界中の女の子が男装し始めるわね。男の子は屈んじゃうかしら?」



「最悪だよこのバカ姉貴」



「小学生のくせにマセちゃってもう!!」



「誰のせいだよ誰の!!」



「だってあんた色々すぐ覚えるんだもの」



このバカ姉のせいで知らなくていいこともどうでもいいことも覚える羽目になった。最近は特にそう。少し前まで距離感置いてたくせに今じゃこれだもん。



いや、別にそれが嫌なわけじゃないけどさ。前に比べたら楽しいし、僕も楽でいいし。



「ところで竜也、あんたいい加減にアカウント名教えなさいよ。すぐ迎えに行ってあげるから」



「い・や・だ!!」



「なによ照れちゃって・・恥ずかしいのかなぁ?」



「うっさいばーか!!聞いた話じゃバカ姉貴猫の皮じゃなくて虎の皮被ってるらしいじゃん!!」



「ゲームならではでしょ?あの”新藤ゆかり”が暴言キャラよ?誰も気づかないでしょうね」



「僕としては最大の汚点だよ・・・絶対に関わりたくない」



あのトッププレイヤーが実は女優ですとか絶対に信じたくない。というか一部信者は発狂してもいいと思う。見てよ。こんなズボラな人なんだよ?



「うるさいわね。結構面白いのよ暴言キャラ。それが許される地位を築いたお姉さんを自慢に思いなさい?」



「絶対やだ」



もらったプリントをテーブルの上に出して部屋にいく。今日は宿題もないから直ぐにゲームができる。



「いつか必ず突き止めてあげるからそのときは覚悟しなさいよ?」



「何があっても絶対に隠れきってみせる!」



「ちぇ・・・まぁ最終手段として剣聖くんの力も借りて探し出してあげるから覚悟しなさい?」



この姉最低だ。バカ師匠の名前出すなんて最悪だ!?リーク姉ちゃん達ならすぐ特定しちゃいそうで怖いんだからやめてよマジで!!?



「ふ・・・・ふんだ!!そ・・・そんな手でバレるかばーか!!」



「ふーん・・・あんたも剣聖くんのファンなんだ?アカウント教えてくれれば会わせてあげよっか?」



「いらないやい!!」



逃げるように僕は自分の部屋に駆け込んだ。後ろで『また後でねー』と手を振ってるバカ姉貴。僕の実力じゃ多分まだ絶対に勝てないけどいつか目にもの見せてやる・・・!!



部屋に戻った僕は着替えと明日の学校の準備だけはすぐに済ませる。時間的には多分向こうで学校の時間くらいは遊んでいられるはず。晩ご飯に遅れたら怒られるし。



テキパキとやることを済ませてゲームをする準備。ヘッドギアのスイッチを入れてアラームもセット。これで遅れることはないはず。他にやらないといけないことはないはずだし準備完了。



ヘッドギアを被ってベットにダイブ。目を閉じて僕は別の世界へと旅立っていく。



















――――プラネットクロニクル―――



VRゲームに革命を起こしたゲーム会社が作った二作目のゲーム。クロニクルシステムっていう最先端システムが可能にしたすごい技術によって、まるでアニメでよくある異世界転生って奴を実際にしているように感じることができるすごいゲーム。



最初から最強さんになれるゲームじゃないけど、極めるとすごいことができるらしい。実際僕の近くにはそんな人が多くいる。



例えば、すごい情報屋のお姉ちゃん。気配も消せるしとんでもない速度から連続攻撃できる。あと危険なお姉ちゃん。



例えば、無詠唱でドカドカとんでもない魔法をたくさん使うお姉ちゃん。使う魔法の危険性も高いけど、本人が一番危険なお姉ちゃん。



例えば。人の姿をしたゴリラさん。武器を振り回すしとんでもない攻撃力で物言わせてるゴリラさん。でも本人はゴリラさんって言われるのがいやらしい。でも最近諦めたとか言ってる。



それから・・・・



「来たかルーク、今日はカニ狩りにでも行こうか」



「なんでさらっとレイドモンスター倒させようとしてんのさ!!?バカなの!?」



「ソロじゃないぞ?俺も援護するから」



「ほぼソロじゃん!!」



とんでもなくお節介で優しいくせに、むちゃぶりばっかりするバカ師匠。なんか剣聖様とか色々呼ばれ方してるけどそんなの気にしないで自分の道を突き進む系のバカ師匠。



恨んでもおかしくない事した僕に対しても優しくて弟子にまでしてくれて色々教えてくれるクセに、危なくなったら絶対助けてくれるし、優しくしてくれるし、褒めてくれるし、頭撫でてくれるし本当に強いしバカ師匠だ。



「それじゃァ行くぞ?」



「このバカ師匠!!少しは遠慮してよ!!?」



バカ師匠の名前はアール。僕は弟子のルークとしてこのゲームを遊んでます。









――――ルーク編:初めての共闘






「アールさん是非共闘してください!!」



「い・・・いきなりですね・・・」



忍者ゴブリン戦を終えて数日立ちました。僕の名前もそれなりに広がっていろんな人と話すようになりました。たまに変な人と出くわすんだけど今日もこうして無事です。



と言うかこの前やっぱりほぼソロで戦わされました。倒したけどさ!!?と言うか師匠の星読み人だっけ?そのスキル強すぎない?使ってもらったら体が別の何かに変わったみたいに強くなったんだけど・・・・



今日はたまたまギルドで依頼を受けに来たんだけど、入った途端に共闘のお誘いを受けました。



「申し遅れました!魔術師のNoteと言います!実はクエストのモンスターで躓いてて増援をお願いしに来ました!こっちはレイさん、魔法剣士です」



「どうも『電磁抜刀使いのレイ』と覚えてください。お会いできて光栄です剣聖アール」



なんというかファンタジー世界の筈なのにSFみたいなこと言ってる人がいるんだけど。まぁそれはいいとしてもこっちのNoteって人も変わってる。昔の軍服みたいだけど妙にファンタジーっぽい服装で近接戦闘しそうなのに後方職。



レイって人は完全にファンタジーガン無視でロボットが持ってそうな刀を持ってる。と言うか電磁抜刀ってなに?



「それでこちらが『胡瓜』さん。道化師ジョブのすごい人です」



「どもどもー!これ挨拶がわりのハトです」



「え?ちょっとまって!!?今どこから出したの!!?」



握っていた手を開いたとたんハトが出てきたんだけど!?すごい!!本当のマジシャンみたい!!



「君はマジックに興味ありげみたいですね?」



「覚えたらバカ師匠驚かせられるかな!?」



「勿論ですとも!マジックはいろんな人を笑顔にしますからね!!」



今度教えてもらおう。勝てなくともびっくりさせたら師匠がどんな反応するかは見てみたい。



「おいこら。それを俺の前で言ってどうするよ。」



「・・・・あ」



「いやいや、子供がやる気出すことはいいことですよ。そういう時は優しく見守るのも親としての優しさですよ?」



「いや・・・俺別にこいつの親じゃない「バカ言わないで!!?べべべ別に師匠はバカじゃないもん!!ただの兄ちゃんみたいな人だもん!!」お前も何言ってるんだ?」



違うもん!!師匠は親じゃないもん!!ただの兄替わりだもん!!と言うか実際こんな兄がいても嫌だし!!居たら甘えて駄目になりそうだから絶対にいらないもん!!



「うっ・・・これが変人達が言うルークくん萌えなんですね・・・結構しんどい・・・」



「その変人に関しては今度詳しく教えてくれ。教育に悪いなら処すから」



「うっさいばーか!!」


















くそぉ・・・恥かいたぁ・・・・!!!



「まぁ共闘に関しては問題ない。むしろ俺らでいいのか?」



「勿論!あの有名な剣聖にその弟子ですよ?これ以上望んだらバチが当たりますから」



なんか知らないうちに話進んでるし・・・やいバカ師匠。僕にも教えろってんだよ。



そんな勝手に話が進んでる中、バカ師匠はアイテムを買いに席を立った。待ってたら戻ってくるでしょ多分。



「いきますよ・・・はい!!」



「すごーい!!なんで!?」



マジックすごい!!トランプずっと僕が持ってたはずなのにいつの間にか胡瓜さんが持ってる!?



「これくらいならルークくんも練習すればできますよ」



「今度教えてください!!」



それにしてもマジックすごい。いっぱい見せてもらったけど本当にどうやってるか全然わかんないや。



「ったく・・ルークお前マジックに気を取られすぎだっての」



バカ師匠がそう言いながらはなしかけてき・・・・誰?



「誰ですか?」



「何言ってんだ?俺は俺だろ?」



「バカ師匠の真似してる人が何言ってるんですか?」



見た目も声も完全にバカ師匠だけど、雰囲気が違う。バカ師匠ならもう少し声が優しい感じだし。



「・・・なぜバレた」



そう言いながらどこかの怪盗みたいに早着替えをして、これまた怪盗みたいな格好の人が立っていた。



「アーノレさんどこ言ってたんですか?アールさんへの紹介できなかったじゃないですか」



「失敬失敬。ちょっと野暮用で。しかしなぜバレた?」



「むしろ僕をよく騙せると思いましたね」



少しお芝居みたいな感じがしたからすぐに違和感は感じた。それに。



「バカ師匠を見間違えたら弟子失格じゃないですか」



「「「「・・・・・」」」」



な・・・なんだよ、みんな揃って黙っちゃってさ。僕変なこと言ってないじゃん。ただ当たり前なこと言っただけだし。



「ほうほう?嬉しいこと言ってくれるじゃないかルーク?」



「っっっ!?!?!??!?!?!?!!!!??」



き・・・・きききききききききっ聞かれたっ!!?いや!?僕何言ってるのさ!!?これだと僕が師匠大好き見たいじゃにゃいか!!?



「忘れろバカ師匠!!」



「いやはや、最近はよくデレてくれるから可愛くなってきたなぁおい」



「うりゃぁぁあ!!?!??!!わしゅれりょぉぉぉおおおお!!!!!?!?!?!?」









「これは・・・変人たちが大歓喜でしょうね」



「あぁ・・・俺の弟もこれくらい可愛らしかったら良かったのに・・・」



「うんうん。これは美しき師弟愛?いや兄弟愛ですな」



「これは騙せないわけだ」



















「ふん!!」



ヤドカリを刺し倒して終わさせる。後ろから迫ってくる二匹目のヤドカリ、柔らかい肉を刺した刀をヤドカリごと振り切って二匹を叩きつける。



「『神斬雲雀』!!」



そのまま一歩前に踏み込み二匹まとめて斬り飛ばす。バカ師匠の援護もあって今の僕でも硬い殻ごと切り飛ばせる。



二匹が光になって消えていくとこれで戦闘は終了。雑魚戦はこれで終わりみたい。



「やっぱり強いですね。さすが忍者ゴブリン倒した実力者だ」



「別に・・・バカ師匠の援護があったから倒せただけだし・・・僕だけじゃそんなに強くはないです」



「謙遜しなくていいんじゃないか?俺の電磁抜刀ほどじゃないが十分強いさ!」



正直師匠の鏡雀の方が早いと思う。確かに見た目とかはカッコ良し強そうだけど速さだけなら絶対に師匠の方が速い。



そんな師匠は戦闘開始から一度も武器を抜いてない。完全に支援に回るみたい。



前に出て戦うのが僕と胡瓜さんとレイさん。後ろはバカ師匠とアーノレさんとNoteさん。Noteさんはたまに前に出てきてえげつない程魔術でモンスターの動きを止めてる。



あと状態異常の重ね掛けはちょっと思う所があるから苦手だ。



「そう言えば何倒しに行くんでしたっけ?」



バカ師匠にそのへん任せっきりだったからすっかり聞きそびれてた。これも全部バカ師匠が変なこと言うからだ。僕は別にデレてない。



バカ師匠含めた三人が僕たちに合流したので改めて聞いておく。



「鳥型のサブシナリオ限定モンスター『カイオウガラス』だね。かなり手ごわいから注意して」



Noteさんありがとうございます。それから何度も説明させてごめんなさい。鳥型の大型モンスターか、そう言えば鳥型モンスターと戦うのは初めてかも。ちょっと不安。



「そう言えばルークは初めてか?鳥型と戦うの」



「バカ師匠だってないじゃん」



「俺はまぁ・・・こっちでは初めてだけど『剣聖物語』では何度もあるぞ?」



剣聖物語。



バカ師匠がみんなから剣聖って呼ばれてる所以となったゲーム。このゲームの前に作られたゲームで僕はプレイしてないけど、名前だけは知ってる感じ。



そのとんでもなく難しい難易度をクリアしたただ一人の人がバカ師匠らしい。教えてくれる技も、使ってるとんでも奥義もそこで覚えてきたみたい。



みんなすごいすごいって言ってるのが僕のちょっとした自慢だ。僕のバカ師匠はすごいんだぞって感じ。絶対に表にじゃ出さないけど。



「足引っ張ったらごめんなさい」



「大丈夫さ!!俺の電磁抜刀術があればどんな奴も敵じゃない!!」



それフラグなんじゃないですかね?


















海岸線の端の方。少し広い感じのその場所にそいつはいた。



白黒の模様をしたでっかい鳥。大きな目と鋭い嘴。足元にはサメみたいなモンスターが捕まっていて、啄まれている。ちょっとグロイ。



「アレです。カイオウガラス。鳥ですけどそんなに飛びません。けど嘴で捕まえてからの海中に引きずり込む瀕死コンボが危険です。絶対に捕まらないように注意して行きましょう」



リーダーのNoteさんの言葉に頷いて気合いを入れ直す。と言うか瀕死技が生々しくて怖い。



「胡瓜さんが敵の注意を引いてください。レイさんとルーク君はその隙に攻撃を。私たちは三人の援護を」



「「「「「了解」」」」」



「では先陣を切らせていただきます。『ファイトサーカス』!」



胡瓜さんが飛び出して多分スキルによる攻撃を繰り出した。一人サーカスって感じでど派手な演出。宙に浮かぶ火の玉がカイオウガラスに次々とぶつかっていく。



カイオウガラスは捕まえていたサメを放置してスキップのように軽やかに胡瓜さんに向かっていく。そのタイミングで僕たちも飛び出す。ちょうど後ろが取れた僕たちはそれぞれ攻撃を開始する。



「『星読み』開始『彗星』よ、彼の元へ」



バカ師匠の支援魔法が僕にかかる。体が軽い。それに目が良くなった気がする。周囲も昼間だったはずなのにきれいな星空に変わっている。



これがバカ師匠のジョブ『星読み人』の力。なんでもエクストラモードだけでしか手に入らないジョブみたい。取るのが死ぬほど大変だけど、取れればすごく強い。しかも師匠のスキルは連続使用が出来るから他の支援よりも素早くかけられる。ただランダムらしいから狙った効果は上げられないみたい。



「『帯電(ボルト)』『流熱(ブラスト)』『加速(スピード)』『凍結(アイスエイジ)』『超身体強化(メガビルドアップ)』!行くぞ電磁抜刀術!!『電磁刀(プラズマブレード)』!!」



レイさん曰く刀と鞘に特別な鉱石を使っていて、電気の動きが凄いことになっても耐えられる作りをしていて、磁界だか何だかを魔法によって発生、そのままぶった切るらしい。



ただし連発不可能で一回使うごとに冷やさないとダメみたい。でも本人はこれができて満足みたい。



振り抜かれた刃は後ろを晒したカイオウガラスの表面を焼き切り、肉を切り裂いた。完全に不意を突かれたカイオウガラスは悲鳴を上げて首だけで後ろを振り返る。



「『神斬雲雀』!!」



『クエェェェ!!!!!!』



僕から注意が離れていたので正面に回り込んで胸めがけて刀を振るう。思っていた以上に柔らかかったのでそのまま肉を斬ることができた。真っ白い液体を正面から浴びる僕。



二発の攻撃を食らって再び悲鳴を上げるカイオウガラス・・・・ながいからカラスでいいや。



でもそこはカラスらしくカーカー言って欲しかった。なんだよクエーって。



怒ったカラスはその嘴を使い僕らを襲い始める。つつき攻撃だけどよけられない程じゃない。思っていた以上に単純な動き出し見てから回避でも僕としては十分間に合う。でも油断したりすると師匠に怒られるから全力でやる。



猛獣はウサギをかる時も手を抜かないって言ってた気がする。ライオンだっけ虎だっけ?忘れたけど。

翼を広げて大きくなぎ払う攻撃はジャンプしたりしゃがんだりして回避、嘴の攻撃は体を捻ったりして回避しながら顔に攻撃を入れていく。



時折胡瓜さんの元に行ってカラスの隙を付いたり嘴をへし折るために神斬雲雀を繰り出したりしてダメージを与えていく。



「アナタが見るべきは私ですよ!はい『サーカスマーチ』!!」



胡瓜さんの攻撃?スキル?はとにかく目立つ。使うとすぐにカラスの注意がそっちに向くからすごく戦いやすい。レイレイさんや師匠がする注意の引き方とはまた違うのがまた面白い。



攻撃で僕やレイさんに向いた注意が瞬く間に胡瓜さんに戻る。おかげでやりたい放題である。



「こら!!レイさん!!いきなり飛ばすからそうなるんですよ!!?」



「ごめんって!!でもあんな状態なら狙いたいじゃん!!」



レイさんはスキあらば電磁抜刀術を繰り返していたのでそろそろ武器が悲鳴を上げているらしい。



「気持ちは分かりますけどもう少し貯めてから決めて欲しかったです!!」



その影響でメイン武器がこれ以上使えないみたい。しかもちょっとダメージを受けたみたいでNoteさんに回復してもらってる。確かにものすごく速かったけど使い勝手は悪いみたい。かっこよかったけど。



それでもサブ武器として持ってきている刀に属性付与みたいなことをして戦っているので戦力外ってわけじゃない。むしろ僕よりも攻撃頻度は多い。



「皆さんこっちにモンスター用のトラップを設置してます!!そちらに誘導してください!!」



アーノレさんいつの間に・・・?



「私が惹きつけますので皆さんお先にどうぞ!!」


気づかない内にトラップを仕掛けていたアーノレの下に向かって僕らは走る。その間胡瓜さんは僕らが向かうまでの時間を稼いでくれた。



「『ウィップバインド』『ヒートテイルロック』『ニードルヴァイン』!胡瓜さん今のうちに!」



「流石です鬼畜攻めのNoteさん!!」



「褒められても何も出しませんからね!!」



えげつない・・・・あれ全部動き止められる上にじわじわダメージ受ける魔法だよね。しかも抜けようとすればするほどダメージ増える系のやつ。



「アールさん!!カイオウガラスをトラップまで蹴り飛ばせますか!」



「あいよ!『風瓶エリシオン』!」



出た。師匠の高速移動奥義。衝撃を足元に集中させて一気に放出しながら地面を蹴り飛ばして進む奥義って言ってた『風瓶エリシオン』。



UtS:月光流を覚えれば使えるようになるって言われたけど、師匠はスキルなしでそれを使っているからとんでもない。



即座にトラップと自分の直線上にカラスを捉える位置へと移動した師匠は体育でやるスタートの構えを取る。



「十二宮接続奥義『魔進瓶ドラゴニックエリシオン』!!」



一瞬姿が消えて次の瞬間カラスの頬を蹴り飛ばしていた。カラスがいた場所には師匠が着地して、蹴り飛ばされたカラスは地面に体を擦りつけながらトラップのある場所まで転がってくる。



相変わらずとんでもない人だ。自分の倍以上ある巨体を蹴り飛ばすとかゲームでもそうそう見れないと思う。Noteさんもお願いした身だけど、実際にそれを見て驚いてる。どうだ僕のバカ師匠はすごいだろ。



『クゲェェェ!!!!』



カラスがトラップを体で踏むと、即座に起動。同時に現れた魔法で生み出された拘束具がカラスの全身を包み込み、地面に縫い付ける。



「皆さんここで一気に決めます!!せっかく掴んだチャンスを逃さにように全力で!!」



最後の号令とともに僕らが出来る全力をカラスに叩き込む。



Noteさんはえげつないほどの魔法で締め上げ、ダメージを与え



レイさんは最後の一撃と吠えながら武器を酷使して電磁抜刀術を



胡瓜さんはパンチ連続攻撃を・・・・まさかのメイン武器篭手装備だったとは思わなかった。



アーノレさんは腕につけた弓矢みたいなやつ・・・クロスボウ・・・だっけ?そのスキルで。



僕は鏡雀と神斬雲雀を交互に繰り出してダメージを与えていく。



師匠はどこいったんだろう?



「超越月光流十二宮奥義『非情風脚アリシーゼピシス』!!」



上空から流星のごとく落ちてきた師匠の蹴りがカラスのど真ん中に深々と突き刺さる。拘束されているにも関わらずカラスは大きく”く”の字に曲がり、口から大きく空気を吐き出す。



体からミチミチと聞こえちゃいけない音が聞こえるからこれは勝った。



と言うか師匠がいたら飛ばれても叩き落とせると思う。と言うか多分飛ばせない。下手すると瞬殺してたと思う。



あぁ、だから今まで後方支援だったんだ。決めに行くまで大人しくしてたのね。納得。














「では!!カイオウガラス討伐を記念してかんぱーい!!」



「「「「「カンパーイ!!!」」」」」



無事に討伐出来た僕たちは、報告の後にギルドで乾杯してる。僕はジュースだけど。



「おかげで助かりました!私たちだけだとどうしても最後のひと押しが足りなかったんですよね」



そういうNoteさんだけど多分アナタなら拘束でハメ倒せたと思うんですけど?



とか無粋なこと言わない。僕も師匠たち以外とこうして一緒に戦えたのは面白かったし。それに師匠がすごいって言ってくれる人が増えるのは嬉しいし。



「いやいや、Noteさん達だけでも勝てると思いますよ。俺なんて最後の美味しい所だけ持っていっただけですから」



「なに言ってんだい!あんなスゲェ攻撃手段持ってるんだ!最初から前に出てたら俺らいらなくなっちまってたさ!まぁ!!俺の電磁抜刀術のスゴさが伝わっているなら俺としては大満足だぜ!」



「後先考えずに使うから途中ガス欠気味でしたけどね?」



「ひでぇや胡瓜の旦那、もっと優しい言葉をかけてくれよぉ!!?」



「レイ、そっちは俺に化けたアーノレさんだから」



こうして一時間程度盛り上がった僕たちはその後、フレンド登録をして解散した。いい人たちだった。また一緒に闘おうとも言ってくれたし、胡瓜さんにはマジックを教えてもらう約束もした。



アーノレさんからは次こそ騙してみせるって宣戦布告みたいなこと言われたから受けて立ちますっていうと笑ってくれた。



「楽しかったかルーク?」



「うん。また一緒にモンスター倒しに行きたいな」



「そっか、ならそん時までにはもう一個くらい技覚えておきたいところだな」



「あ!!だったらあれがいい!!血眼雀!あの連続攻撃がいい!!」



「そう言えば前に見よう見まねで使って失敗してたな・・・・・いいだろう。二度と失敗しないようにきっちり教え込んでやる」



あ、これ藪蛇ってやつだったかな?師匠の目が変わった・・・・・・





数時間後、罵倒が飛び交いながらひたすらモンスターを倒す少年と、恐ろしい程の笑みを浮かべた男が海岸で見かけられたとかられないとか・・・



企画に名前をくれた

黒龍一刻 様

Note@syosetu.com 様

久太郎 様

pai 様


キャラクター案ありがとうございました。

他にも多くの参加希望された方がまたいますので、随時登場していただきます。詳しくは私の活動報告をご覧頂けると嬉しいです。

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