17話 信見剣を抜けない抜刀者と二宮さん
その学校は羽撃希高校と瓜二つだったビシードにそのまま学校を持ってきたかのように
「うわっ
建物の造りも丸々同じだぞ」
「これが天下五傑の実力って事よ」
門の前まで向かって行くと1人の男の人が立っている事に気づいた
「おっ来たな
神野さんから話は聞いている
雷神侑斗、西龍寺皐月だな
俺はこの学校を任される事になった
無剣刃だ
案内しようと思ったがこの学校は
お前達が行っていた学校を想像して
作った物だからな
案内は必要ないか」
「そうですね」
「じゃあ何をしようか?」
「あの神野さんからは
とりあえず会って来いとしか
言われてないんですけど」
「ああ
じゃあ俺の信見剣を見せてやろうか
こんな外じゃなんだから
ちょっと講堂に行くか」
「はい」
俺達は門から入り講堂に向かった
「多分神野さんから俺は変わった抜刀者
だと聞いたりしただろう
多分神野さんはこうゆう抜刀者も
いるんだと伝えるために俺に
会わせたんだろ
俺の信見剣は普段抜刀しようと
思っても出来ないんだ
俺の信見剣の力は無剣つまり
剣が無い
まあ簡単に言えば俺は攻撃する時にしか
抜刀出来ない
最初は苦労したよ
だって俺の信見剣見えねえんだもん
信見剣の実体を捕らえるのが
難しかったぜ
技使う時しか抜刀出来ねぇし」
「技を使う時しか抜刀出来ない?
じゃあ普通に信見剣を抜刀しようと
したらどうなるんですか?」
「じゃあ見せてやろうか
信見剣!抜刀!無剣!
フンッ!やっぱ抜けないか」
無剣さんの腰の横には信見剣の鞘と思われる物が出現しているが無剣さんが引っ張っても抜ける気配がない
「雷神侑斗
ちょっといいか
1度俺を攻撃してみろ
技が見たいならな」
「はいではやってみますね
信見剣!抜刀!炎!
火炎斬り!」
「無剣一閃!」
「えっ!」
俺が無剣さんに向けて火炎斬りを放つと俺の視界では
何も無い空間に俺の信見剣が弾き飛ばされたように見えた
「一応今何が起きたか説明してやるよ
俺が雷神侑斗の信見剣を俺の信見剣で
弾いんたんだ」
「私も長い事抜刀者やってますけど
そんな信見剣は知りませんでしたよ」
「まあ俺みたいな抜刀者が
珍しいだけだよ
神野さんが俺に会わせた理由はもう果たした
もう夜も暮れている
帰った方がいいんじゃないか」
狂と戦いここまで来て気づけばもう辺りは真っ暗だった
「うわっ
もうこんな時間何ですか」
「じゃあ私達は帰りますね」
「ああ
まだこの学校の設備が整ってないから少し掛かるが
次この学校に来た時にまたな」
俺達は学校を離れ家へと帰った
その日はよほど疲れていたのか家に着いて何も食べずすぐに寝てしまった
次の日
朝俺が起きるとレーダーで西龍寺にビシードに呼び出された
俺がビシードの公園に着くとそこのベンチには西龍寺と二宮さんが居た
「あっ雷神来たわね」
「お.....おはよ...うございま....す」
「西龍寺
俺を呼び出してどうしたんだ?」
「闇の抜刀者の1件も一旦一段落したし
少し話そうと思ってね」
「何を?」
「回の性格が変わることについてよ
この子は抜刀すると口調と言うか別人
みたいになるでしょ」
「あ...ちょ...
信見剣!抜刀!回復!
いや俺から説明した方がいいだろ」
俺には二宮さん自己的に信見剣を抜刀したのではなく
何か無理矢理抜刀させられたように見えた
予想通り二宮さんが男口調になった
「俺いや回はな
この少女二宮回の中にはこの俺複二がいる
まあ簡単に言うと俺が回に憑依している?
って事か?説明が難しいな
その俺の人格が回が回復の信見剣を
抜刀した時に表面に出てくるって事だな」
「元々は2人の人間だったのよ
でも何故か回がこの今表面に出ている
複二をボリティーブから助けた時に
本人も言ってたけど気づいたら
一体化したらしいのよ
何かその時に戦ったボリティーブ
の影響らしいんだけど」
「えっそんな事あるのか?」
「現に起きてるじゃねぇか
だから俺は戦う時だけ表に出る事が出来て
普段は回の中にいるって感じだな」
「信見剣も無剣さんみたいに
色々あるのと同じでボリティーブも
使う能力は色々あるって事よ」
「どうやったら元に戻れる
のかも分からねぇだから
現状はこの状態だな」
「複二さんが表面に出てる時って
二宮さんはどこに」
「回が抜刀している時は逆だな
お前には聞こえねぇが
回と俺なら脳内で会話が出来る
おっと俺の中の回がそろそろ
いいんじゃないって言ってるから
回に変わるわ」
二宮さんの中に居る複二さんが出現している信見剣の鞘に信見剣を入れると急に気迫がなくなったかのように元の二宮さんに戻った
二宮さんは恥ずかしそうにしている
「はっ....恥ずかしいとっところを....お見せしました...でっでは....私はこれで...!」
二宮さん走り去って行ってしまった
「あーあ
行っちゃった
あんなに早く逃げなくてもいいのにね」
「風のように去っていったな」
「あっそうだちょっとこの人知ってる?」
西龍寺がおもむろにポケットからスマホを出すと何かを検索して動画を再生した
そこに映っていたのはサイリウムが輝くライブ映像で歌っていたのはこの羽撃希市のトップアイドル髪の色がピンクでロングヘアーでウェーブが掛かっている
以下にもアイドルという格好の恋塚愛理だった
「知ってるけどと言うか
この羽撃希市の中で知らない人なんて居ないだろ
なんで有名なアイドルの動画なんて
俺に見せてるんだ?」
「この映像はね今大竜ドームでの
ライブ映像を有料配信してる物なの
そしてこの恋塚愛理は抜刀者なの
ほらよく見てこのマイクよく見ると
信見剣でしょ?」
大竜ドームそれはこの羽撃希市で1番大きなライブが出来るドームでよく有料なアイドルや歌手がライブを行っているドームだ
大竜ドームの由来はかつて羽撃希市は2つの市だった
双方に市を潰すという噂が流れ双方の市の人々は疑心暗鬼になり2つの市は仲が悪かったその時それを宥めたのが竜だったという伝説が元で双方の市と市の間だった所にドームが建てられた
その時の竜を模している銅像がその大竜ドームの前には建てられている
その大竜ドームで今コンサートをしている恋塚愛理の持っているマイクをよく目を凝らして見てみると鞘に入ったままの信見剣を逆さまに持っていることが分かる
鞘の先の部分にマイクが付いていてそれで歌を歌っている
「えっあんなトップアイドルが抜刀者なのか!?」