トンボ
「 形態 」
成虫の頭部は丸く、複眼が大きい。約270°もの視界がある。
胸部は箱形で、よく発達した長い2対の翅を持つ。これをそれぞれ交互にはばたかせて飛行する。空中で静止することもできる。宙返りが観察された種もある。
留まるときには、翅を上に背中合わせに立てるか、平らに左右に広げ、一般的な昆虫のように後ろに曲げて背中に並べることが出来ない。これは原始的特徴と見られる。
翅には、横方向から見て折れ曲がった構造をしていて凹凸が有り、飛行中に気流の渦ができる。その発見以前の翼の理論では、そのような状態は失速のように、性能が劣ると考えられていた。 翅は1枚だけが消失しても飛ぶことが出来る。
「 食性 」
肉食性で、カ、ハエ、チョウ、ガ、あるいは他のトンボなどの飛翔昆虫を空中で捕食する。
獲物を捕える時は6本の脚をかごのように組んで獲物をわしづかみにする。脚には太い毛が多く生えていて、捕えた獲物を逃さない役割を果たす。
口には鋭い大あごが発達しており、獲物をかじって食べる。自分の体重分の採食を30分で行うことができる。
「 日本語名称 」
日本では古くトンボを秋津(アキツ、アキヅ)と呼び、親しんできた。
古くは日本の国土を指して秋津島とする異名があり、 『日本書紀』によれば、山頂から国見をした神武天皇が感嘆をもって「あきつの臀呫の如し」(トンボの交尾のよう(な形)だ)と述べたといい、そこから「秋津洲」の名を得たとしている。
また『古事記』には、雄略天皇の腕にたかったアブを食い殺したトンボのエピソードがあり、やはり「倭の国を蜻蛉島と」呼んだとしている。
――ウィキペディアより抜粋――