第2話 ちみっこ
「なんだ!?」
叫び声が聞こえてきたほうを向く。
「女の子の声……か?」
さっきのはあきらかに尋常ではない感じだった。
「――――行ってみるか」
俺は声のしたほうへと駆け出した。
しばらくするとまた声が聞こえてきた。
「だれかぁ~~、たすけてなの~~」
「だれもいないなの~~~?…グスっ」
さっきより弱々しいが確かに聞こえてくる。その声を頼りにどんどん歩みを進めるとそこには、――――怪物がいた。
緑色のぷるぷるしたゼリー状のようなものから小さい人みたいなのをはやs「ちょっとそこの人!!つったってないでたすけてなの!!」
「怪物がしゃべった!?」
ゼリー状の物体から生えてる上半身がしゃべり始めたのでびっくりした。
「怪物?……ちょっと!こんな底辺魔物と一緒にしないでの!!あたしは凄い妖精さんなの!」
「あーやっぱりそのぷるぷるしてるやつって魔物なのか、なんか絵面がシュールすぎてどうも気が抜けるな……、てか見覚えの無い場所に魔物……これってやっぱりそういうことなのかなぁ…」
「う〜〜なにぶつぶつ言ってるの!無視しないでなの!こっちは現在進行形でこいつがあたしの下半身を溶かそうとしてるの!!」
「わかったわかった、それでちみっこ…俺はどうすればいいんだ?」
「あたしはちみっこじゃないの!!………まあいいの、とりあえずこいつは今あたしに夢中だから今のうちにひっこぬいてほしいの!」
「え~、近づいても大丈夫なのか?襲われないかな?」
「大丈夫なの!もし襲われても弱いからたいしたことないの!」
「は~、……その弱いのに溶かされようとしてるのはどこのどいつなんだか…」
と言いつつもとりあえずそばまで行く。
「ほら抜くぞ?」
生えてる上半身をひっつかむ。
「お願いするの!!」
一気に引き抜く!
―――ズボッ!
そしてすんなりと抜けたのであった。
読んで頂き有り難うございます。
妖精さんの登場です。




