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第9話

トモファンの皆様…トモを嫌いにならないで下さい…(汗

「…で?俺に何の用だよ?」


俺はベットに転がり楽しそうに雑誌を広げる由恵を見ながらそう言った。



「言ったでしょ?トモの気持ちを確かめに来たの!」


由恵は雑誌を読む手を止めずにそう答える。


…確かめるって何をだよ…


俺は何も答えないままベットに腰を降ろす。


「私はトモの特別になれた?」


由恵は俺の顔を下から覗き込むとそう聞いてきた…。


…俺は何も答えられない。


…由恵の質問は、俺の中の罪悪感を更に引き立たせた。



…由恵をどう思っているのか正直わからなかった。



…だけれども。



俺の視線は、ついつい由恵の腕に行ってしまう。


由恵のキャミソールから伸びている白い腕が、昨日の夜の出来事を思い出させる。



…駄目だ!我慢しろ俺!



頭に鳴り響く警告音。


しかし…



俺は由恵の腕を掴むと、グイッと引き寄せる。


途端に由恵の身体は俺の腕の中に収まった。



…駄目だ…駄目だ駄目だ!


頭の中とは裏腹に、俺は由恵に深いキスをしてしまう。



…そしてそのまま性欲に身を任せる俺…。




…最低だ…



あんなに後悔していたのに



結局、我慢出来ないんじゃないか…。



俺は隣で眠る由恵へと視線を移す。



「…由恵。そろそろ起きろ!」



もう外は薄暗くなっていた


由恵は眠たそうに目を擦ると、毛布で身体を隠して起き上がった。



…本当だったらこれも萌えポイントなんだけど…


何故か、今の俺には萌えなかった。



…男って薄情だよな…



また酷い罪悪感に駆られる


「…そろそろ送るよ。」


俺は由恵の頭をポンと叩いてそう言った。




…ボスンっ!



ベットに倒れ込む俺。



布団には由恵の甘い香水の香りが僅かに残っていた。それが俺の胸をめちゃくちゃに締め上げた。



 


…何でやっちゃうんだよ。


俺はベットに置かれていた雑誌に視線を移す。



手を伸ばし雑誌を取るとぺらぺらと巡ってみる。


由恵の好きそうなふわふわの格好をした女の子達。


丁寧に巻かれた髪が由恵を思い出させた。



…俺は由恵が嫌いな訳じゃない。


むしろ好きな方だ。


由恵と居るのは楽しいし。


…でも、そんな大事な友達を汚してしまった。


…ただの性欲で。



 


…その気持ちの方が強かった。



―由恵を送りに行った時―

俺は由恵に

「付き合おうか」

と言った。


そう言う事で自分の中の罪悪感を取り払いたかったのだ…。



しかし、由恵からの返事は

「ヤダ!」

の一言だった。


…正直、俺はホッとしていた。


由恵も俺に恋をしている訳じゃない。

それが、由恵も同じ過ちを侵した仲間のように勝手に思っていたんだ…。



俺は携帯を取り出すとメール作成の画面を開く。


送信者の所に由恵のアドレスを打ち込む。



「今日は本当にごめん」


そう入れてから、消去する


…ごめんはマズイよな…


「昨日は楽しかった」


そしてまた消去。


…俺の脳裏に浮かぶ昨日の出来事は…ベットの上の出来事しか思い浮かばなくなっていた。



結局、何て送ればいいのかわからずに


「また連絡する」それだけ打ち込むと送信した。

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