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リベクター① 王立図書館へ
私は本を読みたいので、図書館へ訪れた。
「こんにちは」
「ああ」
あいかわらずどこか、ぎごちない彼。
なにか良い本があるかたずねてみる。
「リベクターさんのおすすめだと思う本はありますか?」
「無いな……」
こんなに本があって、なのに無いとはどういうことだろう。
「俺は本は等しく良いと思うし、優劣をつけたくはない。
それに本の好みは人それぞれだ」
「……なるほど」
そういう考えは珍しい。
人には好みや拘りが一つくらいはあるものだ。
だから贔屓というものがあるわけで、平等に好き、など不可能だと思う。
「それでは、人気がある本は?」
「それなら【エウグスタ】だな」
借りようとしたが『貸し出し中』だとリベクターさんは言った。
なので、なんとなく目についた【sandKINGdam】を借りて、帰宅した。