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南の森へ

 ハーラルトの言葉で、今までことがないばあさんの家に行くことになった。

 ばあさんは南の森に住んでいるらしい。

 クラウスとティアナの前を先導するハーラルト。

 二人は死者の後をついていく。


「オレのばあさんってことは、ハーラルトの奥さん?」


『ま、そういうことだな。ちょっと変わっているから、気をつけろよ』


 ハーラルトが変わっていると言うことは、かなり変わっているのだろう。

 クラウスは不安になった。


「恋愛結婚だったんですか!?告白はどっちからですか?」


 ティアナはハーラルトに直球で質問していた。


『一緒に旅をした仲間だった……告白はあいつからだ』


 照れながらも、ハーラルトが答えていく。

 のろけだ。

 のろけ話を始める死者がいる。


 のどかな会話をしながら、森を進んでいった。

 少し奥に差し掛かったところで、魔獣が現れた。

 ダチョウのような二足歩行の大型の鳥だが、足の爪が巨大な凶器となっている。

 そんな魔獣が集団で現れた。


「これも私の呪いのせいかな……」


 大きな街道からそんなに離れていない。

 確かに、魔獣が現れるにはおかしな場所だった。


『ま、そうだろう。だが安心しろ、俺が一掃してやるぞ』


「まて、お前が暴れたら……」


 クラウスの顔に痣が浮かび上がった。


『地の精霊よ、俺の声に応え、我が剣に力を』


 肩から剣を抜き、地の精霊の力を纏わせた。

 剣が黄色く光始めた。


『そぉりゃぁあ!!』


 剣を地面に突き立てた。

 大きな揺れが起こり、魔獣の足元の地表が崩れた。

 突然の攻撃に魔獣たちは悲鳴を上げるが、次々と地面に引きづりこまれていった。



「人の体を勝手に乗っ取るな!」


『今に始まったことじゃないから、いいだろ?近くに人もいないし、痣も気にすることがない』


 二人が言い争いをしている間、ティアナが呆然としていた。

 森に巨大なクレーターができている。

 勇者ハーラルトとしての力は、圧倒的だった。


「すごい……」


 南の森へ歩き出したのは、言い争いとティアナが現実に戻ってからとなった。



 日が沈み始めたころ、やっと南の森に辿り着いた。

 クラウスたちは森の中を進んだ。

 珍しいことに、森の中にも関わらず、魔獣に襲われなかった。

 南の森に辿り着くまでは、一時間に一回は襲われていた。

 しばらく歩くと、少し開けた場所に出た。

 そこには一軒の古びた家が建っていた。


『アレがばあさんの家だ』


 ハーラルトの言葉に、目的地に着いたことを知った。

 クラウスたちは家に近づいた。


 次の瞬間、家のドアが突然開いた。


「炎の精霊よ、この家に近づく愚か者に炎の鉄槌を!」


 炎が襲ってきた。


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