古代遺跡へ
精霊の森を出て、古代遺跡に向かった。
「ハーラルト、昔、精霊王との間で何があったんだ?」
「私も気になる!めちゃくちゃ砕けた感じで話してましたね」
森を出たところで、二人は矢継ぎ早に聞いた。
『こんなことで息合うなよ……あ~、ばあさんの前に付き合っていたんだよ』
回答は想像以上だった。
一緒に旅をした仲間や、何か手伝いをした程度だと思っていた。
まさか付き合っていたとは。
「身長差、はんばないな……」
『昔はもっと小さかったんだ。精霊王になるとでかくなるらしい』
そんな雑談をしながら、歩いているといつも通り、魔獣が現れた。
オオカミ型の群れで行動する魔獣だった。
「ハーラルト、自分の力で倒すから、乗り移るなよ!」
クラウスが地を蹴り、魔獣へ向かった。
『やばそうになったら、乗り移るからな!』
「絶対ならない!!」
一頭目の目の前まで来たところで、横ステップで横に移動し、脇から切り付ける。
飛びかかってきた二頭目を剣で防ぎ、後ろに後退する。
走ってきた三頭目をかわしながら、剣を振るう。
順調に頭数を減らしていった。
それから数分後、魔獣たちは逃げ出した。
ハーラルトは出番がなく、つまらなさそうにしていた。
『なんだ、もう終わりか』
「早く古代遺跡に行きましょう!」
ティアナが先を促した。
「そうだな、早く呪いを解く方法が知りたいよな」
二人はいつもより足早になっていた。
『俺が居たほうが、いろいろと便利だろう?呪いを解く必要あるのか?』
クラウスの回りをくるくると回るハーラルト。
「顔が広いし、何でも知っているし、強い。便利だけど、自分の力で強くならないと意味がないんだ」
『そんなもんなのか……』
「それに、じいちゃんにはゆっくり休んで欲しい……」
最後の言葉は小さすぎて、ハーラルトには聞こえなかった。
会話を楽しみながら歩くこと数刻、やっと古代遺跡に辿り着いた。
荒れた大地に古びた石でできた入り口があった。
入り口はぽっかりと空いており、地下へ続く階段があった。
「行こう……!」
クラウスたちは、階段を降りて行った。




