8 昼食はまだか
side ルシウス=アウレリウス
「おい…」
俺は若干の青スジを立てながら、側に仕えていた者に声をかけた。
なぜ怒っているのか?
それは…
「は、はい、皇帝陛下、なんでございましょうか!?」
側の者は慌ててそう尋ねた。
「なんでございましょうか、ではない!
昼食が遅いではないか!
もう、12時15分だというのに、皿の一つも来ておらぬぞ!」
俺は言った。
「は…!
誠に申し訳ございません!
厨房に文句を…!」
「よい!
俺が行く!
全く高い給金をもらっておいて、厨房メイド達め!
俺の食事を忘れるとはなんたる事か!」
俺は後宮にある厨房へ向かった。
♦︎♦︎♦︎
なにやら、厨房はざわついていた。
そして、いい匂いがする。
これは…?
「おい!」
「こ、こ、皇帝陛下!」
みなが膝を折り、ひれ伏した。
が…
手には皿を持っている…!?
「な、な、何事だ!
俺の食事を差し置いて!
お前達は何を食べているのだ!?」
「も、申し訳ございませんー…!
何卒お許しをー…!!!」
「…何だそれ?」
俺は皿に乗った見た事もない柔らかそうなチキンを指して言った。
「ズボラサラダチキンでございます。」
1人のおなごがそう答えた。
はっきりした返答、堂々とした態度。
ただ者ではない。
そう、俺の直感が告げていた。
「そなたは…?」
「新しい厨房メイドのエレナ=ポット、と申します。」
一礼して言う彼女は確かに俺のイメージとは180度違っていたが、かなり可愛いかった。
「その料理…」
「はい?」
「余っているのか!?と聞いている。」
「はい、こちらにございます。
お召し上がりになりますか?」
「よこせ!」
エレナはサッとサラダチキン、違うズボラサラダチキンを取り分けると、俺に持ってきた。
垂れた丸まるの目が俺を見上げる。
ゔっ…、可愛い…
「こんなもの…」
そして、食べると、俺は口に溢れた唾液を飲んだ。
これは…!?
なんと言う柔らかさ!
まるで、生まれたての鶏を蒸して食べているかのようだ!
それに、塩味がちょうどよく身体の中に染み渡っていく。
「旨い!
旨い!
旨いぞぉぉ!」
「気に入っていただけて何よりでございます。」
彼女はにっこりと笑った。
うっ!?
可愛い…
「そなた!
気に入った!
今宵夜伽を申し渡す!!!」
「え…!?」
呆然とする彼女。
そして、厨房に響き渡るメイド達の悲鳴がかなりの温度差で沸き起こっていた。
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