5 後宮へ
私は、その日後宮に入った。
もちろん、厨房メイドとしてであるが、他の雑用も少しはしなければならないらしく…
まぁ、厨房シェフへの道のりは厳しそうだ。
「初めまして、エレナさん。
わたくし、この後宮の取り締まり役のシーラ=ディステですわ。
まずは、この後宮について説明しますわね?
よろしくて?」
「えぇ、お願い致します。」
「あなたは厨房メイドとして入ったのよね?
でも、平民出身である事には変わりないし、身分もメイド。
という訳で、この制服を着て、姫君に1人付いていただくわ。
リズ=スターシャ姫があなたの仕える主人ですわ。
リズ姫は好き嫌いが激しいお方よ。
色んな意味でね。
態度には十分気をつけてね?
厨房メイドの仕事は徐々にやってもらうから、まずは後宮に慣れるところから始めてみてちょうだい。」
シーラ様はスラスラと説明した。
「分かりました。」
「それから、後宮は花の名前で区切られています。
①桜の後宮
他国の王族や公爵のご令嬢などが集う場所。造りは春を模しており、小川や桟橋、池があり、桜の季節には満開になる。
②向日葵の後宮
侯爵令嬢や伯爵令嬢などが集う場所。
裏山と滝があり、涼しげな風情が楽しめる。
③秋桜の後宮
男爵令嬢や騎士階級のご令嬢が集う場所。秋桜畑が広がっており、季節により表情を変える。
④椿の後宮
商人や農家の出の平民の娘達が集う場所。畑や田んぼも完備してあり、ちょっとした作物や米が取れる。
あなたは椿の後宮をメインにして、秋桜の後宮にももちろん向かってもらいます。
リズ姫がいらっしゃるのでね。
でも、無闇に他の後宮に足を踏み入れる事は御法度ですわよ。
後はまぁ、色々決まりはあるけれど、一度に言ってもね。
少しずつ覚えてくださいな。
では、私はこれで。」
そして、シーラ様は去っていった。
私は渡された後宮の地図を頼りに自室に向かった。
1人部屋が特別に用意されているらしい。
メイド達は普通は相部屋である。
私は部屋に着くと、狭い部屋を見回した。
仕方ないわね。
平民だもの。
でも、ここから、のし上がってやるわ!!!
私は心にそう誓ったのだ。
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